3行日記(ロバのパン、パンまつり、ずぶ濡れ)
十月二十日(金)、曇のち雨。
夜、商店街を歩いておやかまっさんに近づくと、いつもの機械音とは違う音が聞こえてくる。昭和の懐かしい感じの音。てんころりーん、みたいな歌詞。見ると、交差点のところにバンが一台停まっている。ロバのパンの移動販売車だ。昔はロバで引いて蒸しパンを売り歩いていたらしい。紅茶とつぶあんをひとつずつ買った。
夜、鯖の味噌煮など。チャックの散歩、夕方に雨が降ったあと急に寒くなったので、ふたりとも軽めのダウンを着た。妻の実家によると、私のダウンの胸元についたロゴをみたおばあちゃんが、あれみたいやな、山崎のパンまつりのシール。冷蔵庫の横に貼られた実際のシールと比べてみたが、あまり似ているようには見えなかった。チャックに綱をつけようとすると、綱がぐちょぐちょに濡れている。夕方の雨でずぶ濡れになったみたいだ。それがよほど嫌だったのか、今は雨がやんでいるのに、一目散にガード下へ急いでいた。