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HELLO!MOVIEの字幕ガイド、Nreal Airで使えました

前回に引き続き、「HELLO!MOVIE」の字幕ガイドの話題です。

「『HELLO!MOVIE』の字幕ガイドを使うにはARグラスが必要になる」という事は前回の記事でも書きました。そして対応しているARグラスは公式サイトにこう書いてあります。

現在購入できる字幕メガネはエプソンMOVERIO「BT-40S/BT-40」です。旧機種「BT-300」は、専用マイクが必要です。

「映画みにいこ!バリアフリー映画上映情報」より

これが字幕ガイドの使用に際して非常に高いハードルになっているんですよねぇ。特にiPhoneなんてどうしたらいいんだろう?

で、ふと思ったのです。「そういや『Nreal Air』って字幕ガイドに使えるのかな?」と。

Nreal Air

Nreal Air」というのは3DoF対応のARサングラスで、どちらかといえば「外部モニタとして大きなスクリーンで動画を楽しもう!」的な使い方を推している製品です。つるの部分にスピーカーも付いているのですよ。

このNreal AirはAndroidやApple Mチップを搭載したMac、USB-C端子を搭載した最近のiPadシリーズならばUSB-Cで直接接続できるのでとても便利です。一方、iPhoneやHDMI接続機器と接続する場合はNreal Adapterという変換器をかます必要がありまして、iPhoneに関してはここが残念ポイントです。

MOVERIOはお値段的にも販路的にもハードルが相当高いのですが、Nreal Airはお値段もARグラスとしてはとんでもなくお手頃(2023年5月時点で45980円)ですし、販路もAmazonや携帯キャリア等の通販で購入可能です。

この「Nreal Air」で字幕ガイドが使用できるといいんだけどなぁと思い、とりあえずググってみたのですが使用報告がない…orz。
さてそうなりますと、Nreal Airの実機を持っている以上は人柱になるしかあるまい!という事で、試してみる事にしました。作品はもちろん「シン・仮面ライダー」。数えてみたら7回目です。何度観ても面白いんだよなぁ。

とりあえず自宅でAndroidに「HELLO!MOVIE」のアプリを入れて起動して字幕ガイドを選択。そしてNreal Airを接続せずに作品を選択。すると…、

ARグラスを接続しないと先に進めません。

「ARグラスを接続しないと使えないよ」と叱られてしまいます。まぁそりゃそうだ。

というわけでNreal AirをAndroidスマホに接続します。Nreal AirをAndroidで使用する際は「Nebura」アプリを起動して「ARモード」とスマホ画面を共有する感じのモードである「Air Casting」のいずれかを選ぶのですが、今回の使用用途からするとこちらだろうなぁという事で「Air Casting」を選びます。そして「HELLO!MOVIE」のアプリに戻って字幕ガイド→作品名と選んでいくと…、

字幕ガイドデータのダウンロード画面に進んだ!
字幕ガイドの待機画面になった!

なんと字幕ガイドデータのダウンロード確認に進んだじゃありませんか!そのままデータをダウンロードして、字幕ガイドの再生待機画面まで進む事ができました。
そして「HELLO!MOVIE」はYouTubeを利用して音声ガイド・字幕ガイドの使用可否をテストできるのですが、Nreal Airを接続した状態で字幕ガイドの使用テストをクリアする事ができました。

こ れ は も し や い け る の で は ! ?

というわけで映画館へ。他のお客さんにご迷惑をおかけするわけにはいかないので、一番後ろの一番端の席を選択。現在はシン・エヴァBD特典映像を上映してから「シン・仮面ライダー」本編を上映するので、特典映像を存分に堪能してからスタッフロール中に諸々のセッティングをして、いざ本編へ。ちなみに今回もiPhoneでの音声ガイドを併用しています。

本編へ進むと待機画面が消え…Nreal Airに字幕が映った!これは感動です!!

前回使用したMOVERIO BT-300と比較したNreal Airの利点はまず「MOVERIOよりは軽い」。とはいえやっぱり普通のメガネよりは重いので、2時間かけっぱなしとなると鼻の部分は相応に痛くなります。
そしてこれは作品を楽しむ上でとても大きいのですが、「視野内に明るさの異なるエリアがない」です。MOVERIO BT-300は視野の中央部分にのみモニタのスクリーンがあってそこだけ暗いのですが、Nreal Airはサングラス型で視野全体が一様に暗くなる欠点があるものの視野内での違いがないのはMOVERIO BT-300より格段にストレスが少ないです。

Nreal Airの弱点としては、「メガネの上からかけるのはかなり難しい」事と前述の「サングラス型で視野全体が一様に暗くなる」です。度付きレンズアタッチメントを使用する事で対応はできるのですが、そうなると他の人に試してもらうのは難しいんですよね。「視野全体が暗くなる」のは、暗い場面で状況把握がちょっと辛くなります。意外と暗いシーンがあるんですよね。

Nreal Airを字幕ガイドとして使用する際のポイントについても書いておきます。「モニタの明るさを一番暗くする」です。
Nreal Airのモニタはかなり明るいので、一番明るい設定だと視野全体が白っぽくなってしまうし字幕の文字の明るさで明順応が起こってスクリーンが更に見えづらくなるおそれがあります。モニタを一番暗くしても字幕としては十分読む事ができますので、これは忘れずに設定しておきましょう。
右側のつるに付いているボタンを長押しすると、そのそばにある調整ボタンの機能を「音量調整」と「輝度調整」とに切り替える事ができます。

そうそう、Nreal Airの電源は接続しているAndroidスマホから供給される&字幕ガイド使用時はスマホを立ち上げっぱなしにする必要がある(スリープモードにしない)ので、母艦となるAndroidスマホのバッテリーを100%に充電しておく事&画面輝度を最小にしておく事をお忘れなく。私が今回使用したのは「LG style3(Android12)」ですが、今回は2時間の作品でバッテリーが100%から49%になっていました。

もう一つ大事なお知らせがあります。Nreal Adapter経由ではARグラスを接続していると認識されないため、iPhoneではやっぱり字幕ガイドは使えません。ここは何とかならんものかのぅ…。

というわけで今のところAndroid限定っぽいですが、ARグラスの普及機と言えそうな「Nreal Air」で「HELLO!MOVIE」の字幕ガイドが使えた!というのは、音声ガイドに比べてハードルが非常に高かった字幕ガイドの普及に大きな一歩となる予感がします。
もちろん公式情報ではありませんので「お試しの際は自己責任でお願いします」という事になるのですが、既に実機をお持ちでAndroidスマホもお持ちの方はぜひぜひお試し下さいませ!字幕ガイド、楽しいですよ!

[2023.7.28追記]
このお話に続きができました。コチラのリンクからどうぞ!

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