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Audible『維新直後の欧米視察:岩倉使節団は何を見て来たのか』志岐隆重(2020・22世紀アート)

くそ真面目なやつかナ?と思ってたら、全然。これは明治のわくわく旅行記です。旅日記です。

マナーすらわからないまま食べる豪華洋食に、ホテル(!)への宿泊。
歓迎の宴、パレード、寝台列車、インディアンとの遭遇、シャンパン飲みながら迎える新年、雪のロッキー山脈、近代的工場見学、ホワイトハウス訪問ーーー
こんなに楽しいことが他にあるでしょーか。いや、めったにない。

しかし彼らもただ遊びに行ったわけではないので、ちゃんと政治もしておられます。当時の悲願は、幕末にうっかり結んじゃった不平等条約の改正。
そのための交渉のくだりで、ちょこっとだけ当時のキリスト教批判が紹介されており、バカダークファンタジーの直後だったこともあって、つい興味深く耳を傾けてしまった。

聖書は荒唐無稽。アメリカ人はキリスト教の信仰に熱心だが、キリスト教の教えは荒唐無稽だ。と、久米邦武が痛烈に批判している。
聖書なるものを我々が調べてみると、そのある部分は荒唐無稽な話ばかりである。天からの声が聞こえたり、死刑者が蘇ったりなど、狂者の戯言と言ってよい。キリストを教えるところは奇怪な点が多い。我々が理論をもって迫れば彼らを論破し、沈黙させることもできるかもしれない。

いや、論破などしないほうがいいですね。
みんな違ってみんないい。みすゞ。

ふう~ん。
明治のくもりなきまなこ、現代のまなことさして変わらず。
やめときゃいいのに、いらんこと言っちゃう傾向まで全く同じ(私もだけど)。

使節団はアメリカからイギリスへ移動してヨーロッパ各国を巡るーーーハズだったのだが、途中うっかり寝ちゃって目が覚めた時にはもうスイス。この後は帰国するだけ。
え~~~、どうしてこんなことに。お昼ご飯食べながら聴いてたのがマズかったのかな。ドイツに戻らねば。


87/200 2024.4.9.

【追記】
寝過ごしちゃってたヨーロッパ編が凄かった。
動物園、水族館、武器工場、病院、下水道、解剖学教室、図書館、美術館、聖堂、大浴場、展望台、チョコレート工場、ヌードの写生、盲学校含む教育施設色々、刑務所、登山鉄道などなどなど。
あらゆる珍しいものをみてまわる旅行。


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