鹿児島/指宿~壮大な景色の数々を巡る
─この行動がこの後の私たちに
感動をもたらしてくれるなんて
この時は微塵も思っていませんでした─
前回の続きです。
お昼ご飯を済ませ、指宿駅に戻ってきた私達。
観光案内のお姉さんに声を掛けます。
『おかえりなさい!観光すぐに行かれますか?
それならタクシー呼びますよ!』
最後まで至れり尽くせりのお姉さんに
感謝してお別れを告げます。
今回、お姉さんが
お世話してくれたのはこちら
私達は、おすすめして下さった
6番を回ります。
2時間30分のコース。
通常だと9000円だけど
4000円で利用できる。
☆長崎鼻・竜宮神社
☆JR西大山駅・かいもん市場久太郎
☆道の駅山川港・活お街道
JR西大山駅と山川港は3日目に
私達も行く予定にしていました。
だけど知らない道をレンタカーで
あっちこっち行くより桜島だけを目指して
走ったほうが観光時間をたっぷり取れると
即決したのでした。
********
タクシーの運転手さんに挨拶し
観光スタートです。
ここからがそれはもう壮大な景色の連続。
ひょんな事から観光案内所に行き、
そこでお姉さんに出会い、
そこから繋がった
タクシーの運転手さんがとってもいい人。
指宿のことを
たくさん教えて下さいました。
タクシーの運転手さんは
物腰の柔らかいおじさん。
コース取りの紙を確認し、
「このコースですね。最後は休暇村。
かしこまりました。よろしくお願いします。」
『こちらこそ、よろしくお願いします。』
「どちらから来られたのですか?」
『大阪です。』
「大阪ですか。わざわざこんな端っこの
指宿までありがとうございます。」
『鹿児島ずっと来てみたかったんです。
今回、来ることができて
とっても嬉しいんです!』
乗車して間もないうちから、
和やかな会話が始まります。
指宿駅を出発して最初に案内してくれるのは
西大山駅のようです。
西大山駅に向かっていると
会話が弾んで気を良くして下さったのか、
せっかく大阪から指宿まで
来てくれたのだから、
通り道なので鰻池に寄ってみましょう。
と、鰻池(うなぎいけ)を
案内してくれました。
鰻池にはひとつの集落があり
昔からそこに住んでる方はみんな
「鰻(うなぎ)」姓なんだとか。
吉本芸人の銀シャリ鰻さん。
あの方は、ここの出身なんだって。
そして、ここには鰻温泉があります。
この鰻温泉は西郷隆盛が愛した秘湯で
湯治していた歴史のある場所。
なので主要の案内板には彼が連れていた
13匹の名前の入った犬の石像がお出迎え。
ここの温泉はすごく熱くて観光客が入ると
ビックリするぐらいなんだって。
地元の方も利用するほんとうに小さな温泉。
まさに秘湯。
そしてもうひとつ教えて下さったのが
指宿の温泉は海水なんだけど、
唯一、鰻温泉だけは単純硫黄泉。
どうしてこの地だけ硫黄泉なのかは
運転手さんも分からないって言ってた。
いたるところから蒸気が上がってる。
町全体が硫黄の香りで包まれている感じ。
ここの名物は “スメ” と呼ばれる、
温泉の蒸気を利用した天然のかまど。
野菜や卵などを茹でて食べることができます。
各家庭でも敷地内の蒸気で
野菜を茹でて食べているんだって。
お水を沸かしてるお家もあるって言ってた。
それだけ高温の蒸気ってことやなぁ。すごい。
そして、西郷どんこと
西郷隆盛の石像もちゃんとありました。
鰻池では今でも鰻が釣れるそうです。
だけど、集落の鰻さんは共食いになるから
鰻を食べないんだって。
ここは、田舎に帰ってきたような
雰囲気がピッタリな場所。
とっても静かで、ほのぼのしていました。
案内してくれて
初めて知ることができた鰻温泉を後にします。
続いてはJR日本最南端の駅。
西大山駅。
鉄道が好きな方なら
知っておられる方が多いんじゃないかな。
ここは無人駅で、
しかも電車の本数がすごく少ない。
電車の駅なんだけど、
車で来てる方がほとんどです。
ここの何がいいって、
最南端の駅に来た!って以外にも
目の前に広がる景色がすごくいい。
開聞岳(かいもんだけ)が一望できます。
薩摩富士と言われているだけあって
美しい出で立ちの山です。
私達が行った10月は写真のように
青々とした緑いっぱいの風景ですが、
12月中旬~1月になると
満開の菜の花が咲いているんだそうです。
さすが鹿児島。
温暖な気候のため菜の花が開花して
見頃を迎えるのは12月なんですって。
お正月に菜の花。いいですよね!
ここでまたまた運転手さんから、
12月~1月に見頃を迎えられるよう
毎年、菜の花を地域の方が
植えてくれているんだって。
影でそのように手間隙かけて
素晴らしい風景を作ってくれているのですね。
さらに映えスポットを熟知しておられる
運転手さん。
ここに立って下さいー。
ここから体乗り出して~。撮りますよー。
など、など。
様々な角度から写真を撮って下さいました。
最高な景色
まだ続きます
次は長崎鼻へ。
ここに着くと、なんと蝉が鳴いてる!
日付は10月11日。
ミンミンゼミやアブラセミではなく、
ヒグラシやクマゼミのような
鳴き方をする蝉でした。
ここでも運転手さんが、
真夏は大阪でも鳴いている蝉と
同じ蝉が鳴いていて、
この時期になるとこのような種類の蝉が
鳴くとおっしゃっていました。
いやー南国だ。
浦島太郎伝説がある指宿。
観光列車もたまて箱をモチーフにした
デザインでしたね。
ここ長崎鼻には竜宮神社と、こんな物も。
絵画のような美しい眺め。
運転手さんのカメラアングルが最高。
こんな素敵な写真を撮って下さいました。
後から気がついたのですが、
いつもたくさん写真を撮るくろしお。
だけどここでの写真が極端に少ない。
スマホを出して写真を撮ろう!と言う気持ちも
奪われるほど見とれていたのかもしれません。
目の前には黒や赤っぽい色をした
ゴツゴツとした火山岩があり、
岬の先にも溶岩が流れでて冷やされた
複雑な地形で岩が形成されている。
そこから目線を少し上げると
一面の果てしなく続く青い海。
岬の北西側には美しい開聞岳が
堂々とそびえ立っています。
この長崎鼻は
阿多カルデラ外輪山の一部だそうで、
10万年以上前の噴火で溶岩が流れ出でて
冷えて固まった地形が
今現在の岬となっているのですね。
※阿多カルデラ外輪山
(あた カルデラ がいりんざん)
これを説明すると旅noteでは無くなりそうなので、興味のある方は自身で調べて下さい。
人間って心から美しいと感じたり
おいしいと感じたりする時って
口数が少なくなる。
この時もみんな揃って
歩くスピードもゆっくりになり
静かにタクシーに戻ってきました。
素晴らしかった。
********
残すは山川港道の駅。
出発しましょう!
と、走行中に運転手さん
この山は“竹山”(たけやま)なんですが、
最近、あるキャラクターに似ていると
SNSで人気だそうですよ。
この山のすぐそばに、指宿観光で有名な
ヘルシーランド露天風呂「たまて箱温泉」
があるんです。
ちょっと行ってみましょう。
え、いいんですか?
最後の山川港から休暇村はすぐですし
チェックインまで時間ありますしね。
ありがとうございます!
山川港の前に、
たまて箱温泉に連れて行ってもらいました。
※温泉に入るためではありません(笑)
もうスヌーピーにしか見えない(笑)
寝てる姿にそっくり。
ここには指宿を代表する
砂蒸し風呂がある場所なんだけど、
2021年の台風の影響をうけて、
海岸すぐ後ろの斜面が崩れ落ち
一番売りの砂風呂が現在休業中。
運転手さんが、
ここはタクシードライバーの私達にとっても
早く再開して欲しい場所だと。
多くのお客さんが駅からタクシーにて
ここの砂風呂を目当てに
利用してくれていたのだとか。
なんだか、もどかしいなぁ。
旅行割やクーポンを施行する前に、
そもそもの観光施設の修繕に
投資してあげてほしいと思った。
施設内の温泉は絶賛営業中で、
ここの露天風呂からも海と開聞岳が
一望できて大変人気なんですって。
そして
ここには山川製塩工場跡があります。
ここは昭和39年まで、
温泉熱を使って塩を製塩していた場所。
建物は残っていませんが、
塩田跡と泉源は残されていて
すごい勢いで蒸気が吹き出している。
温泉を使用しての塩づくりは
ここ山川だけだったみたいで
このような形で残っているのは
全国でも珍しいのてはないかと運転手さん。
こんなの初めて。
凄いものを見せてもらった。
運転手さんの案内がなければ
来れなかった場所だ。
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そして観光タクシーも
もうそろそろ終盤。
山川港道の駅に向かいます。
ここはカツオ節が有名。
カツオのたたきや、カンパチ丼なども
レストランで食べれるみたいです。
カツオ節、私たちも買いました。
そして、これが美味しかった。
道の駅 活お海道でお買い物して観光は終了。
最後は休暇村指宿へ。
運転手さんには楽しかったです!
ほんとうにありがとうございました!
と、何回もお礼を言ってお別れしました。
こんなに指宿のことを
知ることができた喜びはこれから先も
忘れることはないと思います。
充実した日だった。
もう感無量。
くろしお
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