私の、私による、私のための物語。

私は、私の描いた物語を読むのがすきだ。
別に素晴らしく面白いとか、上手だとか、そんな風に自画自賛をしている訳ではまったくもってない。
昔から、分量に関係なく自分の描いた物語をあまりちゃんと覚えていないからだ。

その時の感情や感覚を乗せるタイプの描き方をして来たので、時に読み返してどうしようもなく苦しくなる事もある。
だけど、ああ、いつでもちゃんと昇華していたんだな、と思う。

今、ここに、居る、私、では到底紡げない感情だったり、言葉だったり、表現だったり、そういう全てがとてつもなく尊くて愛おしい。
そんな気持ちで、たまに昔の自分の作品を読み返したりしている。

過去の私には今の本当は描けないし、未来の私はきっと今を正しく思い出せない。
だから、今、この時を、時にどうしようもなく残したくなるのだ。


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