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書き出し案2021.09.20

生きていく為には、時に自分らしさを押し殺して、否、そもそもそんなものはなかった事にして過ごしていかなければいけないのだと、もう随分前から気がついている。
それでも、何年経っても唐突に浮かぶどうしようもない苦しさは、怖くて不安で居ても立っても居られなくなるような衝動と同時に、ふわりと懐かしく、心が静かに落ち着くような心地よい感覚を連れて来るのだ。
不安定で痛々しく、脆く破滅思考で、いつも自分を責めては自分と闘って、手をのばしてくれた人を壊して傷つけては、誰も分かってくれないと一人で泣きわめく。
本当にどうしようもないのだけれど、だけどそんな姿が不思議と愛おしくなってしまうのだ。
何も感じず、感情を波立たせずに、色んな事を凪のように受け流して暮らす事は、安定と安心をくれる。あの頃喉から手が出るほど欲しかった「普通」の毎日を、平和で安全で、穏やかな日々を。

だけど、少しの、ほんの僅かな刺激でフラッシュバックするあの頃は、だから確かに生きていた。死にたいくらいに生きていた。

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