Photo by coro46 【随筆/まくらのそうし】 筒鳥(ツツドリ) 5 黒澤伊織@小説 2022年7月7日 01:00 あるとき、宇宙からの交信音が山に響いた。 ポポ……ポポポ……と、巨大なパラボナアンテナから発せられた電波のように、データを送信中です、とでもいうように、その音は響き続ける。 それが宇宙の交信音でなく、ツツドリという鳥であった。 まるで鼓を鳴らすよう、ぽぽ、ぽぽと鳴くので、そう呼ぶのだそうである。 鼓の音など、そう聞くこともない現代の、しかし未知なる宇宙の音と思えば、そう風情のないこともない、そんな時代が来るかも知れぬと、山に響くツツドリの、どこか機械的な不思議な音色に、しばし耳を傾ける。 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! 読んで下さってありがとうございます。今後も書き続けるための力になっています。 よろしければ、チップでの応援もよろしくお願いいたします! チップで応援する #エッセイ #宇宙 #野鳥 #ツツドリ 5