ハルジョオン、ヒメジョオン
それがハルジョオンか、ヒメジョオンか、覚える気もないのだが、そのどちらかの花の咲くのが美しい。
子供らの描くような、丸い黄色の中心に、か細い花びらの柔らかく立つ、その色の不思議なこと、曙のような、そこに雲の湧き立つような、繊細さを備えて淡く光る。
通りかかる時刻によっては、その空の仄暗く、透き通るような花びらに、どこか宇宙的な感覚を得て、見たこともない可視光線の放たれ、あのタコ型火星人の爪先であるだとか、次元を行き来する術だとか、そんなものに思いを馳せるハルジョオン、ヒメジョオン。
そう思えば、その名も不思議な響きを持って、十一次元の彼方へと、届きそうな気すらする。
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