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石體さんと泣沢女命!
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「彌五郎どん」と山幸
ほとんど知られることのないこの二人の神、後で大きく変身(神)するのでお楽しみに!石體さんとは鹿児島神宮の元宮の石體神社の神様言わずと知れた「彌五郎どん」こと山幸=彦火々出見のことである。また泣沢女命は九州では、ほとんど巡り会うこともない女神だが、福岡県三潴郡(水沼)大木町に一社木本神社がある。とりあえず謎の人物としておきましょう。
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小城の石體さんと鷹屋神社
石體さんは、九州を鹿児島から東回りと西回りで北上したらしい。九州で二社、鹿児島と宇佐神宮の元宮と言われる「大元神社」に鎮座されている。
西回りは鹿児島を出て島原経由で「みそ五郎」(祭がある)と呼ばれ猛島神社を経て白石の「鷹屋神社」(彦火々出見)から小城の石體へとたどり着いている。この鷹屋神社が重要で鹿児島が元宮だからである。
つまり西回りの方がとても分かり易い仕掛けになっている。
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大元神社の正体
ところが東回りは「阿蘇家」がありしかも九州総社高良山は三度の久々知族の侵攻(景行・日本武・神功)によって総社が宇佐神宮へと移されたためほとんど分からなくなっている。ただ宇佐神宮の元宮に「大元神社」にあの「石體」が残された訳である。実は、この神社こそ宇佐の謎を秘めているが解明は難しい。注意深く研究すれば分かるが、新春・石體を語ろう!で語ってあるので、別の機会にして先を急ぐことにしましょう!ヒントは下の絵図中にあるので推理して見て下さい!
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今回は、更に北上を続けて見てみます。おそらくは東回りは、宇佐から本州経路と四国経路があるようである。そして四国経路でびっくりの出会いとなる。
何故びっくりかと言うと九州では「大元神社」は数社、だが四国ではおびただしいほどの数があるからだ。九州から出発したとしか思えなかった。高知・愛媛等々で、高知には、朝倉神社、夜須町、白石町などがあるのである。しかも香美市を流れる美しすぎる清流は誰が名付けたか「物部川」その上流に「大元神社古墳」があり、石體(猿田彦)に守られているのである。この配神は宇佐そのものである。物部とは卑弥呼宗女イヨ(伊予!)の兄ウマシマジが祖神である。因みに宮島の厳島神社の元宮は近くにある”大元神社”である。
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南にある神母は泣沢女と思われる
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聖方位は真鍋大覚が背振で計算した200年基準年=3世紀
土佐と宇佐は古代の姉妹都市
以下図は、高知を中心に大元・大本神社を拾ったものである。九州ではもうお馴染みではなくなった神社が残されている。これが宇佐の影響のあった地域であろう。誰を祀っているかというと島根方面は「国常立」(大幡主)
愛媛では、天御中主神・高御産巣日神(高木)・神産巣日神・(大幡主)
高知では、天御中主神が多く大山祇(御中主の子)が加わる。加美町の大元は二社とも「国常立」(大幡主)を祀っていて石体の父である。つまり”大元”とは少なくとも「造化三神」だった訳である。
こうして歴史から取り残されたように古の宇佐神宮の姿が残されている。土佐は”戦場”とならなかったからかもしれない。つまり宇佐神宮とは元々は、常々中の悪かった景行や崇神や応神・神功の久々知族や三女神ではなかったと言うわけである。この間柄は「百年戦争」とも云われ畿内に入っても争いは絶えることはなかった。この争いは「九州王朝最後の戦い」武埴安彦の乱へと発展する!
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左端は水沼(三潴)の木本神社である。
石体さんと泣沢女
さらに、この四国調査で思わぬ女神と出会った。「泣沢女命」である。私の中では未解決問題として残されていたが、高知の伊気神社、夜須村・田村・三島村等に”泣沢女或いは倉稲魂”として20社くらいがある。又同じく神母神社が10社もあって、宮司伝によれば稲荷社が少なく豊受姫を祀るのだという。彼女の名称泣沢女について、秋田の伊豆山神社の伝承に「イザナミが亡くなった際に、悲嘆にくれるイザナギが流した涙から成った神です。」
との伝承があり「祖母の死の悲しみ」が由来だったことが分かりました。
福岡県三潴郡大木町に福岡県では珍しく泣沢女を祀る木本神社ある。この神社は長崎県平戸を中心に6社ほどがあり、大山祇を祭神としているが、泣沢女の祖父である。”宇佐は水沼の君の治める地”と云われており宇佐と水沼の関係を伝える神社と言えそうだ。
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これで謎だった 奈良県橿原市にある畝尾都多本神社の 啼沢女命は、豊受姫と判明することになる。彼女こそ、天香具山命の義理の母である。武埴安彦(健土安)神社〈イヨの息子孝元天皇の子〉のすぐ近くにある理由が判明したと言う訳である。
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高知一之宮を忘れていては困るだろう。味鋤高彦根神は石体さんの息子でウガヤ=天香具山命のことである。因みに表題の観音寺にある「天空の神社」
高屋(鷹屋)神社は、ニニギと泣沢女(天鈿女命)を祀っている。
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彼女の母は泣沢女である。祖母は愛媛の廣田神社に祀る
こうして、石体さんの旅を辿ることで宇佐を治めた「九州王朝」(水沼の君)にとって日田と久留米が河の道で繋ぐ姉妹都市とすれば、宇佐の姉妹都市土佐へと海の道を渡ったことになるのである。!
装飾付器台
さて次は参考資料ながら「子持ち高台」を紹介しておこう。ニギハヤヒの第二の故郷卑弥呼の近くにいたころの飯盛神社(福岡市)の付近で発掘された高台「装飾付器台・子持ちはそう」のそっくりさんが四国でも出土している。おそらくは福岡からの持ち出しであろう。岡山県赤磐市にも出土するが近くの石上布都魂神社(備前一の宮)には素戔嗚が祀られているが、石上は饒速日である!
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参考文献
高知県神社誌
長崎県・愛媛県神社庁資料
遙かなる筑紫の神々・その後 2022年
新春 石体さんを語ろう!より 2023年
文化財オンライン(出土写真)
その他資料