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極道面の足長おじさん。

やぁ、いらっしゃい。今日も元気そうで何よりだよ。

今、夜。自宅でノートPCから記事を書いてるよ。
外は雨が降っているし、家の中だと安心だね。

窓を少し開けて雨音を聞きながら記事を書く。
これはこれで捗りそうなもんだね、自然のマイナスイオン。

中古車販売。


中古車は非常に多くの流通が国内だけでも執り行われている。

年間だけでも、国内の市場規模で3.9兆円ということ。
より高く、より多く。車両の流通を加速させていくことも経済を回していく上で大事な要件となる一大産業。

昨今、中古車専門店の不祥事等もあり、2023年度の行末は少々冷え込みそうな風潮はあるが、業者が悪くても車に罪はない。

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何だかんだ、中古車の需要は高くディーラーでもU-Car専門の系列店を構え二次流通にも参入しているくらいだ。

聞けば誰でも知っているような自動車メーカーの名前を冠した直営U-Car店でも他社メーカー取り扱いがあるくらいだから、なかなか貪欲。

新車はそれだけ売れづらい状況にあるのかもしれないね。

今回はそんな中古車販売業のお話だよ。

怖すぎる代表。


N氏はとある中古車販売業を営む代表者。

元々、渦中の大手問題中古車販売店のえらいさんをしていたこともあり、中古車販売業としては非常に長い期間、籍を置く。

その話は後ほどするとして、とりあえずファーストインパクト。

N氏は正直なところ、堅気の方とは見えない風貌。
一見お近づきになりがたい雰囲気を醸していた。

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6年ほど前かな。
たまたま、とある会食で隣の個室にN氏はいた。

こちらの商談も程々に、会食も済ませて席を立ち店を出ようとする。
その時にN氏と鉢合わせた。

テンションの高まっていたN氏は機嫌がよく、
私に声をかけ名刺交換をすることになった。

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私も当時はまだ若く粗いながらも勢いもあり、
やや華美な服装でいることも多かった。

そこが声をかけられたきっかけでもある。
会食も多かったため、出会い頭の名刺交換なんて大歓迎。

当時としては、物怖じしない性格も功を奏することがあり、仕事も取れた。

N氏の見た目は、一見筋モンと言っても差し支えない。
とはいっても、今どきの筋モンといえばきれいな格好をしている人も多いくらいと噂は聞く。

「何このおっさん、こっわ・・」

と思いつつも、お金のニオイも感じ堂々と応対。
同行の会食相手は隅の方でこそこそ会計をしていた。

しっかり車屋さん。


後日、アポを仕切り直しお伺いすることにする。

まぁ、名刺の見た時点で車屋さんであることは分かる。
地域も名刺から調べれば、写真でどんな雰囲気の会社かも分かる。

訪問するのに、相手のことは調べ上げてから行くのは常識だね。

ただ、調べようにもワードで作ったようなウェブサイトはいただけない。
知りたくても、全然知れないんだから困ったのはまぢな話。

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とは言え、会食会場で話したN氏のインパクトは凄かったし、話して良しなら即OK。ダメなら秒殺かなぁって感じで訪問する。

せっかく会うなら、それなりに提案を持って行きたい。
基本的に情報源は大手中古車ポータルサイト2社の情報のみ。

まぁ、何でも提案出来るよね。
という感じで、ヒアリング重視で聞いてきたら差し替えしてやろうって感じ。

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思い返すと、以前の私はギラギラしていたね。

今は少し落ち着いて時間をかけるタイプに寄ってる気もするけど、当時は必要があるものに保留はいらないなんて、強気なスタイル。

相手方としては苦労する担当だったかもしんないね。
若い内はこうでなきゃ。

見たことのないタイプ。


「お前に300万ならかけてもええで。」

開口一番、いきなり財布全開。
しかも結構高い。堂々と金庫の現金を見せてくるストロングスタイル。

N氏の分かりやすさは想像を超えてきた。

そりゃかけようと思えば、300万でも500万でもかけられる。
必要かどうかは別として、足りていない部分も多い会社だった。

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とりあえず、道を調べようにもGoogle Mapsすら出てない。
ウェブサイトも不親切。ポータルサイトは会社情報が薄く、車ばっかり。

とは言え、高い販促費で問い合わせだけは多いもんだから、N氏の会社はよく車が売れており、整備・車検でも定期的に売上は上がっていた。

車という業界は押さえるところを押さえておけば、よく出来たものである程度逆算で顧客見込みが予測出来るそう。

業界柄、システムは出来ている。

ウェブサイトも際限なくこだわる必要も
ないんじゃないかと見た感じ私としては思う。

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「300万はほしいけど、100万であらかた改善は出来るよ」

豪快な提案はありがたいけど、無駄は不信感を与える。
私はショットより、ストックを狙う派。

というか、思い通りに進められることに反抗した記憶が強くある。

何せ、無駄が多すぎる。

特に整備や修理に来たい人からすれば、
Google Mapsにすら出ないのは不親切極まりない。

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原因を調べると、大手ポータルサイトの営業が管理していて、設定をミスったのか店舗情報が無効になっていた。

それに、商圏に対して月額キャンペーンも高い。
ここの削減提案はN氏としてもメリットが大きく、年間100~200万は削減出来る程無駄が多かった。

程なくGoogle Mapsも復旧し、すぐに口コミもたまる。
ウェブサイトも簡易なものではあるが、軽く見やすさを重視。

車ばかりでなく、外観内観、工場、スタッフなどの写真をあげて親近感を強く推す。N氏はちゃんと優しい格好を指定したが滲むやくざ感は消しきれない。やくざじゃないけど。笑

得意な車両。


N氏の会社はあらゆる価格帯の車両を多く取り扱い、多い時は月販40台にも届くほど人気のお店だった。

とりわけ、人気の価格帯は80~100万円。

車椅子が後部座席に収容出来るスロープタイプの車両。
大型ではなく、容積の広い普通車で何気に仕入れに強いパイプがあった。

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N氏自体、恐ろしい風貌ではあるが心優しいところもあり、というか基本的に心優しい人物で、介護車両の改造費を考えればうちの中古車を買うほうが負担も少ない。

という考えのもと、簡易ではあるが車椅子の必要な世帯向け。
または施設向けの車両を最低でも3割程は取り扱っていた。

電動型も可能ではあるが、そうなるとN氏の会社であってもそれなりに費用がかかる。もちろん言われれば対応するが、必要なのは介護車両として機能するか否か。

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商談となると、強い説得力でお客さんは大体納得する。
そもそも、介護車両なんて弾数が少ないしN氏がある程度販路を押さえている。

ボらずに流している分、成約率も高くなる。
ただし、車両整備や点検。車検等などできっちりと長期的に切り取っていく。

顧客の紹介も多く、介護はこれからも需要は増す。
N氏の会社は時代の背景柄、顧客から必要とされているって背景。

これから。


結局、N氏には随分と助けられる結果になる。

お客さんとは言え、随分付き合いも長くコロナ禍や少し前の大手解約事変でも助けられたもんさ。

いちいち詮索もせず、価値もこかずご丁寧に軽作業で毎月費用をいただく。
結果的に、N氏は私の会社に7年間で300万よりも遥かに高いお金を落としてくれている。

慢心はしないけど、苦労は自分で解決しろと言わんばかりに何も言ってこない。業務も随分少なく、費用はそのまま払ってくる。

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あの時、300万円に飛びついていたらどうなっていたのか。

今となってはわからないし、N氏からすれば別にどっちでも変わらない話なのかもしれない。

遥かに年の離れた私も、介護とは言わないが支援されているのかな。
なんて気分になったりもする。感謝は忘れてはならない。

あと、N氏は恐ろしさが丸くなったのか、
少し穏やかな雰囲気になっていた。

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