現代詩フォーラムに投稿した詩:13
【とある虫。】
ー物事に腹這う匿名の脱け殻の群ー
物事は飯事である。
抱えた毒は甘美に膨張して、
麻痺する真昼の縮図
ー奥歯に認めた手紙の歯茎
逆さまに連ねた水飴
盆の上で煩悩は表面張力ー
(言葉遊びは冒涜でしたか?
お嫌いな理由を卑屈に陳列する。
三行半を突きつけて
女は去ってゆく
三匹の猿が憑いて来る
遠雷が近付くと春が騒ぐのです。
あれは亡霊ですよ)=あれは幽霊ですよ)いいえ、記号に過ぎません」
死んでゆく細胞から
魂が剥がれてゆく
(言葉)を食べ尽くした鬼が
隠してしまった角
花嫁の白い衣装にシミは一つも無い
かなしみ とか にくしみ とか いつくしみ
なんてコトも煮込んでる 腹の奥底。
ご存知ですか?
夜半に書いた詩で浸った書物が
青く発光するのです。
順序の正攻法は人の裡の獣を落とす」
ー口の端から僧侶が行列と成って現れるー
物思いに耽るその耳の奥へと入る一行を眺めながら
脳髄で広がる涅槃を夢想する
物事に揺蕩う安寧の添え木
そうして最期の吐息
水が欲しい
美しく透明度の高い声
それが枯れるのなら燃やして
灰の中から骨を産み落として
再三の慾望に釜の蓋を閉じる
これで朽ちる?)
睡蓮の花が波紋を広げる
ゆらゆらと散歩する足
模倣する 意図
「我、朱を知る者也」
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