現代詩フォーラムに投稿した詩:2
【朝昼夜)顔のない花】
背中を左右に開いて
川の水が溢れ出した
(孤独な独白が掘り起こされる)
胸骨の狭間を裂いて
海の水が零れ出した
(虚言を齎す陽が差し込む)
真白い骨が尖ってゆく
鏡の中で番犬が唸っている
跫音ばかり憶える耳が
幻聴と空耳を抱いて貝に成る
(月が虚無と虚言を宿す)
妄言に含まれた4月の指が
中指だけを失くし た
舌先が痺れて青紫に染まる
地面の上へ落ちて蔓を伸ばす
あれは美しい嘘でした、ね。」
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