個展「ポリフォニックな眺め」に寄せて
私は「色弱」なので、絵を描くにあたってどう色を捉え、扱うのかを考えています。
ここ1年半ぐらいは「自由」に色を扱うことについて、試行錯誤を繰り返しました。
その過程で、色を「扱う」のではなくて色に「扱われる」ような描き方をすれば良いのではないかと思い至りました。
前者は画家によって色が動くのに対し、後者は色によって画家が動くといった態度です。
このような態度を実践するために、水彩絵の具を画材に採用しました。
今まで私は油絵の具での仕事が中心でしたが、油絵の具はその渇きの遅さ故