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論文投稿と知的資産流出

こうした視点で論文投稿について考えたことはありませんでした。

日本の多くの研究者は論文を海外の学術誌に投稿する。採択されない論文も含めて、査読のために多くのデータを提供する。結果として知的資産である膨大な情報が海外へ一方的に流出している。先端技術や産業と関わりのある機微なデータが含まれる場合もあり、出版社によってはデータの取り扱いや行方に不透明感がつきまとう

そしてこんな試みが欧米で広がっているとのこと。。。

科学論文の掲載を独占する海外の大手学術出版社に研究者らが反発し、新たな公開手法を探る試みが欧米で広がっている。

いわゆる「すごい学術雑誌」というと、
NatureやScienceといった雑誌があります。

この二つの雑誌はアカデミアにいると良く聞く雑誌の代表格です。

こういった雑誌に掲載されると、「凄い」と言われ、研究業績としても箔が付きます。こうした意味で学術雑誌にはある意味で権威が生まれます。

あの雑誌の論文持ってるとかというのは、よく聞く話です。
Natureは、商業学術雑誌です。

Scienceは、アメリカ科学振興協会(AAAS)が発行していて、商業雑誌とは言えません。ただ、世の中には学会が発行する学術誌も色々あります・

複雑なのは、学会が発行している雑誌ではあるものの、
出版関連は商業出版社が担っているパターンもかなりあります。

結論としては、商業雑誌か否かというのを考えると、
かなりごちゃごちゃとしているというのが的を得た説明かもしれません。

さて、論文発表の常識として、知的資産である膨大な情報が海外に一方的に流出しているとしたら、それは問題だと思います。ただ、論文を発表する際の常識として、企業が発表する論文は、特許等の知的財産権の保護をした上で投稿します。

もちろんアカデミアからの論文も同じようなステップを昨今では踏んでいると思います。いわゆる公知になってしまう前に、きちんと保護をしておくということです。

以下ような対策で国内から海外への知的資産の流出を止める政策には
少し疑問があります。

世界の研究者にとって魅力ある開かれた英語の論文誌を日本でも発行し、学問の主体性を取り戻すべきだ。今のように、編集者も査読者も日本人では海外の研究者は投稿してくれない。

新たな公開方法が世界的に模索されている中で、

”世界の研究者にとって魅力ある開かれた英語の論文誌を日本で発行”

すると言う取り組みが、
現行の論文投稿・査読システムとの違いを出すことができなければ、
結局のところ新しい公開方法となる可能性が低いと思えるからです。

私が米国に留学していたこと、論文がスクープされたってはなし、
投稿した論文の査読を知人に頼んだと言う噂話、
依頼された論文の査読を引き伸ばしつつ自分の論文を通したって話とか、
色々と聞いた経験もあります。

逆に、世界の研究者が、日本の雑誌に投稿すると研究内容がスクープされるなんて言われれば、本当に無意味となるだけでなく、信用を失いかねないので、難しい課題です。

知的資産の流出+α

での対応が必要なのでしょうね。

例えば、エディトリアルも含む査読過程の透明性を高めたり(誰が誰をレビューしたかを公表?)、投稿用データの管理体制の強化(ブロックチェーンとか?)とか。色々な取り組みが必要なんでしょうね。。。

明るく朗らかにサイエンスを語り合うって時代ではないんでしょうか。。。

#COMEMO #COMEMOHUB #知的資産 #海外流出 #論文投稿 #査読 #カルチャー #テクノロジー

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黒坂宗久(黒坂図書館 館長)
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