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死んだ人の声を聞きたいか自分に問うた

この企画を聞いた時に真っ先に思い出した言葉があります。

「私のゴーストがそう囁くの」

知っている人もいるかともいますが、
攻殻機動隊というアニメの主人公・草薙素子が発するセリフです。

ここでいうゴーストというのは、
その人がその人足り得る根源的なものの総称として表現されています。

そんなことを思い出しつつ、
死んだ人の声を自分が聞きたいか自分に問うてみました。

結論から言うと、
「聞かなくていい」
と言うのが私の今現在の私のゴーストの囁きです。

この結論に至った考えはちょこっと書いておきます。

一応、父(まだ生きています)もしくは娘たちを念頭のおいて書きます。
私と彼らの間には、様々な会話、眼差しのやりとり、一緒に遊んだり、お風呂に入ったり、頭を撫でてもらったり・撫でたり、喧嘩したり、ご飯を一緒に作ったり、一緒にご飯食べたり、絵本を読んだり、本の話をしたり、お酒を酌み交わしたりと色々なことが年単位で積み上がっています。

言葉以外でのコミュニケーションから受け取っている様々なことの方が私にとっては多いと思っているので、私と父、私と娘たちの間にしかない思い出を踏まえた上で故人の人格の再現にはまだ違和感があります。
そのため故人の人格を再現すると言うことを私は欲していないと言うのが私の今の答えです。

そしてAIが私の大切な彼らの人格を再現したとして、その再現された人格から発せられる言葉で私が(生前の)彼らに対して抱いた様々な思いや感情を惹起できるのかどうか私には全く想像できません。

それと自分の人格をAIで再現したいかと問われたら、私の再現した人格が例えば子供達が知っている私と同じような対応ができるのか不安。
と言うよりも、それは私じゃない気がするので。。。

ここで少し違う疑問があって、自分がAIを利用するというのと、誰かが私のAIを利用するという場合、かなり話が違うのかなと。
個人の人格権というかそういった枠組みの話になりますし、なんか切ないニュースや微笑ましいニュースが未来では取り上げられることになるのだろうなと想像してしまいました。
また、この話はかなり個人的な領域に踏み込んでいる話で、正解などなく、それぞれの人のそれぞれの状況や立場によって全く違う答えになるのは想像に難くないです。

冒頭で登場した攻殻機動隊の世界は2029年ごろが舞台となっています。
その時代には電脳化と呼ばれる技術によって脳とコンピュータが直接接続し、必要な情報や自己の記憶を保存して再利用できる世界。
ここまで行くと、不老不死とかの世界になる気もするのであれですが、
自己の定義についてしっかりと考える時代がきているのだと思います。

技術的に人格の再現や脳とコンピュータが接続されるようなことが実際に行われつつある今の世界では、必然的に倫理面での議論がより活発になるだと私は思っています。

私たちは『自分とはいったい何なのか?』という問いに直面せざるを得ない場面が現実となる時が刻一刻と近づいている中で、AIによる人格再現という技術は多くの派生する問題点を内包していて、実は長らく私たちの喉元に突きつけられ続けている根源的な問いとリンクしているのだなと感じます。

改めて、『自分が何に対してどう感じるのか』についてしっかりと向き合って、自分をより深く見つめる作業をしないことには、私たちがこれからの世界で晒される様々な外的要因に対して明らかに無防備な状態だとちょっと怖くなりました。

「我思う、故に我在り」とデカルトは言いました。

我とは、いったいどういう者なのだろうか?
思うとは、いったいどういう行為なのだろうか?
在るとは、いったいどういう状況なのだろうか?

真理を探求するために1600年代に記述されたこの言葉は、400年経った現代でもまだまだ色褪せていないだけでなく、さらに怪しく輝きを増しているようにも思えます。

さて、最後に以下の記事を見つけたのでシェアして終わりたいと思います。
AIが論理的な存在である一方で、脳は様々な記憶や個人を個人たらしめる何らかの情報が格納されているとされる実体を持つ器官です。

この両者を利用した研究は両極にあるように感じますが、自己や意識といったものの本質を掴むためのツールと考えると登山口が違うだけで、目指すゴールは同じなのかもしれません。

この話今度飲み会の時にみんなに聞いてみようかな。

#黒坂図書館 #COMEMO #NIKKEI #note #テクノロジー #カルチャー #データの世紀 #AIで人格再現

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