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第2章5 比喩の使い方――クサくならない比喩に限るほうが無難

■紋切り型を作ったのは新聞記者?  比喩について見ていくのだが、とりあえず紋切り型の話から始めたい。  紋切り型って言葉の正確な定義は、例によって誰にもできない。まあ、「慣用句のなかでとくに使われることが多い表現」ぐらいに考えておけば間違いがない(「慣用句」を「常套句」や「決まり文句」と書きかえても大差はない)。一般にどういうものが紋切り型と呼ばれるのかを見てみよう。 【引用部】 「ぬけるように白い肌」「顔をそむけた」「嬉しい悲鳴」「大腸菌がウヨウヨ」「冬がかけ足でやってく

    • 第2章 4 句読点の打ち方

      第2章 4 句読点――「2つの原則」プラスαを考えればいい ■本多読本の力業──読点の打ち方には2つの原則しかない 「句読点の話」とは書いたが、マル(句点=「。」)の使い方はさほど問題がない。細かな部分では多少意見が分かれることがあっても、大した違いではない。  問題はテン(読点=「、」)の使い方で、論理的な説明をするのはきわめてむずかしい。その難題にまっこうから挑んでいるのが本多勝一『日本語の作文技術』(朝日新聞社・1976/朝日文庫=改訂版・1982)だ(以下、「本多

      • 第2章  3 一文の長さ――「短く書け」を徹底すると稚拙な文章になる

        ■長い一文はなぜダメか  前に書いたように、「短く書け」は「文章読本が説く五大心得」のひとつに数えられるほど重要な心得だ。ほとんどの文章読本は「短く書け」と主張し、長い一文を目のカタキにしている。  長い一文がなぜいけないのかを、論理的に説明している文章読本もある。たとえばこんな感じだ。 【引用部】  毎年膨大な財政の赤字を出すことが示す地方自治制度の欠陥に対して、根本的な対策をきめるのが、こんどの国会の大きな使命の一つだと説明されていた。(新聞)  これは、主語がないわ

        • 第2章 2 接続詞 ──実用文なら接続詞を減らさなくてもいい

           お品書きは下記参照。 http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-132.html 第2章 2 接続詞──実用文なら接続詞を減らさなくてもいい ■実用文は接続詞を多めに使うほうがいい  何はさておき、接続詞の話から書く。理由は簡単。この問題に関してはずーっとダマされてきたため、恨みに近い感情を持っているから。とまで書くのは大げさだから、表現をかえよう。文章読本の記述が不十分なことに気づかず、長いあいだムダに悩んできたから……書き

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