
ラビリンス〜魔王の迷宮〜アドベンチャーゲームで遊ぶ Vol.13
ラビリンスTRPG“HEDGE MAZE”編
《冒険者紹介》
【ポンタ】
種族:人間
持っている物:ニッパースティック
特技:重い物を動かせる・細かい事に気がつく
欠点:忘れっぽい

【レディ・ペッパ】
種族:古の騎士
持っている物:白い旗・壊れたレンガの塊2つ・50フィートのロープ
特技:歌ったり踊ったりして人を楽しませる
欠点:純粋過ぎる(騙されやすい)

【クサオ(仮)】
種族:トピアリークリーチャー
持っている物:なし
古の騎士レディ・ペッパの馬

前回のお話
最初から読む
新しい仲間!
前回からイワオが冒険から離脱し新しくトピアリーで出来たレディ・ペッパの馬(姿は犬だけど)クサオ(仮)が仲間に加わりました。
馬と言っても旅の仲間には変わりない事とこの先の冒険を長く共にしそうなので特技と欠点をvol.2の特徴リストの中から勝手に決めました。
《クサオ(仮)の特技と欠点》
特技:Ranning and Jumping(走ったり跳んだり)
→危険から逃れたり大きな裂け目を超えられる。素早く登ったり泳いだりも出来る。
欠点:Overconfident(自信過剰)
→中二病
以前調べた時は自信過剰ってなんだろう?と意味がよくわからなかったけれど、今回改めて調べ直してみたら中二病と訳された例を目にしたのでこれにしてみました。中二病の馬ってよくわからないけど面白いかなと思って(笑)
中二病だとすると、名前がクサオではきっと納得できないでしょうね。
ポンタ氏に
「体が草で出来た犬で主人に忠実な馬でもありその上中二病だったらそんな自分をなんて呼ばせたいと思う?」
とすごい無理難解をふっかけてから数日後…。
色々な中二病の名前の候補を送ってくれました。
その中から見事選ばれた名前がこちらです。
「碧緑の輪舞曲(ヘキリョクノロンド)」
すっごい中二病っぽい!!素晴らしい。
これでいこ!!
と、いうことでクサオ(仮)改めレディ・ペッパの馬は碧緑の輪舞曲に決定。
それではポンタとレディ・ペッパと碧緑の論舞曲との旅を続けましょう。
RHYME BATTLE (ライムバトル)
進んでいくと生垣に囲まれたちょっとした空間の石のベンチに長いコートとつばの広い帽子を被った老人が座っていました。
一行が近づくと老人は立ち上がり、コートと帽子を華麗に脱ぎ捨てたかと思うとその姿はあっという間にゴブリンキングへと変身したのでした。

「私が投げかけた全ての試練を乗り越えて来たが、もうすぐ時間切れになるだろう。韻を踏む戦いとなると、お前たちの知恵も私には敵わない!」
ゴブリンキングがくるりと回転すると、突然どこからともなく音楽が鳴り響いてきました。

ここでは韻を踏んだライムバトルをしなければなりません。ゴブリンキングは常に先導し冒険者に辛辣な侮辱を投げかけるのでそれに対して10秒以内に韻を踏んだ言い返しをしなくてはなりません。

「えー?!」

「えー!?」
自分で言っておいてゴブリンキングも動揺しております。だってそうでしょ。

「ライムって?ラップのこと?それすらわかんない」

「ラップって聞いてもエミネムしか思いつかない」

「調べてみるから待って」
この思いも寄らぬ展開にゴブリンキングも素に戻ってしまいますよ。
《ゴブリンキングの豆知識💡》
ライムとは、ラップの中で韻を踏むテクニックのこと

「ほーん。まあ要はラップをすればいいって事?」

「たぶん」
ラップには韻を踏む以外の他のテクニックもあるんでしょうね。でも今回は韻を踏む事を重視したライムバトルです。ゴブリンキングは先導せねばなりません。

「辛辣な侮辱…先導…あわわわわ」
ゴブリンキングになりたてのくろぽちキングには酷な話です。でも大丈夫!
よーく読んだところ、本にはゴブリンキング側の辛辣な侮辱がちゃんと10回戦分書いてありました。「もちろんオリジナルで対応してもOK!」と事ですが、それは無視して丸っと使わせて頂きましょ。

「え?ちょっと待って。10回戦?」
そう、10回のやり取りの後スコアによって結果が決まります。
◼️韻を踏んでいて意味のある反論が出来たら2点
◼️韻を踏んでいるけれど反論はイマイチなら1点
◼️韻を踏んでない・意味のない言葉なら0点
◼️時間内に応えられなければ0点

「時間内に応えられるとは思えません。なんせはじめてなんで」
だよね。そこを考慮して今回は10秒以内にと言う時間制限はナシにします。
その上で勝てればノーリスクで先に進めます。
負けたら1時間、ボロ負けの場合は2時間を奪われてしまいます。

「準備はいいか?」
自分のパートは用意されているとわかったゴブリンキングが強気に挑発してきました。
さあ、ライムバトルの開始です!!

ラッパーに怒られそう
一回戦

“No being yet has matghed my wit!”
私の知恵に匹敵する存在はまだいない!

「なんて?」

「韻を踏んでるのはyetとwitかな?」

「英語で答えなきゃならないならもう負けだよ」
英語でも日本語でも韻を踏んだ反論ならOKです。

「反論ってことは、この場合は匹敵する存在はいるよって意味の言葉を答えればいいってコトだよね?」
ポンタとレディ・ペッパは紙に書きながら考え始めました。
10秒で答えるなんてとんでもない。一つの反論の為に10分くらいかけてます。

「この年になって本気でラップを考える日が来るとは思わなかったわ…」
ほんとですね。

「ここにいるYO!見えないのかYO!みたいな?」

「あ!出来たかも!」

「まじか」
ではポンタさんお願いします。

“YOYO!世間知らZU、井の中のかわZU、大海を知らZU!”

「とりあえずYOYO!って付ければいいと思ってるでしょw」

でもいいんじゃない?すごい、韻踏んでる。ことわざすげえ!
2点!

「イエーイ!」

「ことわざ、結構使えるかもね」
二回戦

“You′ll never escape my ingenious maze !”
私の巧妙な迷路からは決して抜け出せないだろう!

「…今のどの辺がライムだった?」

「全くわからん」

「こんなのすぐ抜け出せるぜ簡単すぎて笑えらぁって感じの諺ないかね?」

「う〜む」
2人して諺や四文字熟語をあれこれ思い出します。

「諺じゃないけどお茶の子さいさいとか?」

「あ、じゃあ行ってみる」

“YOYO!こんなの楽々、お茶の子さいさい!”

「YOYOはもういいからw」

でもゴブリンキングの先導よりはわかりやすくてノリも良くていい出来じゃないでしょうか。きちんと反論にもなってますし。
2点!

「やったー!」
三回戦

“You′ll never recover the things that I′ve taken!”
私が奪った物は決して取り戻せないだろう!

「韻…どこ韻…」

「私らにはわかんないんだよきっと」
反論を考えましょう。

「絶対に取り戻せるって言えばいいんだよね?」

「更に辛辣な反論をするなら、ゴブリンキングの物を奪ってやるって口汚く伝えられたらきっとラップとしては完璧なんだろうな」
この後10分以上使って2人で頭を捻りましたが、なかなか思いつきませんでした。が、ポンタが遂に立ち上がりました。

「ブラックビスケッツの曲から閃きました。いきます」

「ふる!」

“絶対ある、取り戻せるタイミング!震えて待ってろゴブリンキング!”

「いいね!」
辛辣でいいですが、一部他人の歌詞をパクったらしいので1点です。
四回戦

“You′re as ugly as one of my Goblin crew!”
あなたは私のゴブリン仲間と同じくらい醜い!

“ペッパはかわいい醜くないワン!これが世界のナンバーワン!!”

「……?!は?え?どしたどした?」
秒殺です。

「なんか…流れるように言葉が出た…」
はい、まるで何者かが憑依したようでしたね。飼い主という名の背後霊。
反論の速さがピカイチですし韻も踏んでいるので2点!!
五回戦行きますかー。

「ペッパ疲れてきた」

「私も」
五回戦

“You reek as badlly as a Dwarf in a bog!”
あなたは沼地のドワーフと同じくらい臭いよ!

「ペッパはちょっとトウモロコシみたいな匂いがするって言われるよ」

「そうなんだ?」

「ほら頭」

「ほんとだ」

「雨に濡れると臭いけどそれがまたいいって言われる」

「臭いの認めないでー」
ふたりとも普段使わない脳の部分を使ってきたせいか疲れてきてダラダラ雑談しはじめました。それでもなんとかポンタが反論を考えました。

“それはお前の鼻の異常!それはお前の臭いだ、以上!”
韻も踏んで反論も出来てましたがめちゃくちゃ時間がかかったので1点!

「ここまでで何点?」
8点です。

「大負けは何点?」
0〜5点までがボロ負けで6〜10点までが普通の負けで11〜が勝利となります。

「普通の負けでもう良くない?疲れちゃった」

「10回もやってられないよね。もう脳を絞り切った」
では…。
目の前に現れた時計にゴブリンキングが手をかざすと針がクルクルと回って2人から1時間が奪われました。

「それじゃ、せいぜい頑張って」
ゴブリンキングは高笑いをしながら時計と共にポンタたちの前から消えていきました。

「今回はすごい疲れたね…」
みんなもうぐったりです。でも先に進まなければなりません。
レディ・ペッパは馬に乗れるようになって良かったーと思いました。
つづく