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ラビリンス〜魔王の迷宮〜アドベンチャーゲムで遊ぶ Vol.10

ラビリンスTRPG“STONE WALLS”編


《冒険者紹介》

【ポンタ】
種族:人間
持っている物:ニッパースティック
特技:重い物を動かせる・細かい事に気がつく
欠点:忘れっぽい

人間が描けないから猫の姿です
人間も描けるように練習しろよって話よね

【レディ・ペッパ】
種族:古の騎士
持っている物:白い旗・壊れたレンガの塊2つ・50フィートのロープ
特技:歌ったり踊ったりして人を楽しませる
欠点:純粋過ぎる

ペッパは犬の姿のままでいいのよ

【イワオ】
種族:ロックマン
持っている物:なし
特技:体を分解できる

実はイワオのモデルは
ネバーエンディングストーリー内のキャラだよ

《前回のお話》

《最初から読む》

ゴブリンキング

謎を見事解き明かしたポンタたちは扉からゴブリン城の近くまで通して貰えるはずでしたが…。

「冒険は順調かな?」

突然ゴブリンキングが現れました。
突然というか、まあポンタがサイコロで1を出したからですけれど。

「うん、順調順調。謎を解いたからガードマンがゴブリン城の近くまで通してくれるって。優しいよね。褒めてあげて」

「へー、そんな親切な事を?」

「………」

門番たちをひと睨みした後ゴブリンキングはポンタたちに言いました。

「順調ならば、こいつらに助けて貰わなくても問題あるまい?」

ゴブリンキングが持っている杖で勢いよく床を突くとポンタたちの足元の地面が開き、ポンタたちは暗闇の中へと落ちていきました。

HELPING HANDS(助ける手)

真っ暗な穴を落ちていくと徐々に何かが引っ掛かるような感じがして落下速度が落ちていき、やがて途中で体が止まりました。暗闇に目が慣れてくにつれて見えてきたのは自分たちの体を掴む幾つもの手でした。周りの壁から伸びている何百もの手に自分たちの体が吊り下げられているのです。唯一動かせる頭を上に向けると遥か頭上に落ちてきた穴の丸い光が見えます。上にも下にも動けないままでいると、顔の前の壁から伸びている複数の手がスッと顔の形に組み上がって口を動かしました。

「降りる?」

さあ、どうしますか?

「これさ、映画で見た時になんで降りるって言った?って思ったよね」

映画の主人公のサラはこの穴に落ちて同じ事を尋ねられた時「降りる」って言ったのです。落ちてきたなら上にあがりたいのが普通だと思うんだけど。

「まあ一応聞くけど、私たちはどうする?」

吊り下げられながら話し合います。

「そりゃもちろん“上げて”じゃない?」

「上がった先はまたさっきの所かな?また謎解くのかな」

「とりあえず上げて貰えるように頼んでみようか」

ポンタたちが目の前の顔になった手に頼もうとしたところ、口の部分の手が動いて言いました。

「私たちと同じように話せれば願いを聞いてあげよう」

つまり、手を組み合わせて顔を作り出せというのです。
顔の形を作るには両目、鼻、口と最低でも5本の手が必要です。

「私、ペッパ、イワオで6本手があるから大丈夫だね」

「でもペッパ犬の手だからあんなに上手く動かせないかもよ」

「ペッパは鼻担当だ」

「それなら出来る」

目の部分をイワオの大きな手で、真ん中の鼻をレディ・ペッパのグーで、口は器用に動かせるポンタの人間の手で、ちょっと不恰好な顔ですが作れました。

「これイワオいなかったらクリア出来なかったね」

ほんと、イワオに感謝ですね。
口担当のポンタが両手を器用に動かして頼んでみると、約束通り手たちは体を掴みながら上へ上へと送り出してくれたのでした。

THE RIDDLE(謎)

目の前に閉じられた扉と大きな盾を持った4匹の門番が立っています。

「この扉を通りたかったら謎を解かねばならない!」

「知ってる」

「さっきやった」

「もし答えられなければ…」

「知ってる」

「さっき聞いた」

門番たちはやれやれという顔で首を振りながらため息をつきました。
では、また謎に挑戦しましょう。

“私が測定されるまでは知られていないが、
私が飛んでしまった時、あなたはどれほど私を恋しく思うだろう”

ここでくろぽちがチラッと答えを見て「ふん」って本を閉じたんです。その様子を見たポンタがニヤリと笑って言いました。

「チラッと見てわかる単語なんだね。訳さなくていいレベルの」

しまった!
慌ててもう一度本を開いて「おや〜?なんだこれは〜?」とスマホで調べるふりをしてみるも時既に遅し。演技下手か。
前回の一問目の答えは事前に見て知っていたのでプレイ中に答えを確認する事もなく、二問目はササっと翻訳していました。その様子をよく見ていたようです。

「そ、そういうとこで判断してはいけないなぁ。罠かもよ」

と誤魔化そうとしましたが…ダメだこりゃ。
ひとつヒントを与えてしまったようです。でもそれだけじゃわからないはず。

「他にヒントは?」

ほらね。

私が飛んでしまった時、あなたはどれほど私を恋しく思うだろうの部分で言うと、確かに多くの人は「ああ〜(´-`)」って切ない感じになるかもしれないけれど、人や状況によっては「はあ〜!٩( ᐛ )و」ってなるかも?
と、感情込めて説明してみました。

「言いにくいけど、ウン◯かな?って思ったんだけど違う?」

「違う!!なんで!なんでそうなるの!」

「いや私さ、便秘酷いからさ、去った後٩( ᐛ )وってなるから」

「知らんがな…」

「この人、ウン◯が去るのを恋しく思ってる人がいると思ってるのか…」

「測定されるまで知られてないって部分はどうなってるのか聞きたいね」

「ほら、お腹の中にあるまではあるって知られてないから…」

「…とにかく違うよ」

間違ったけれどスルーしてまだ考えさせます。
こんな間違った答えで確実な死なんてさすがのガードマンたちも同情しちゃうからね。そして今になって思うけど、くろぽちはその単語をチラッと見て翻訳しなくてもわかると思われてたってわけ?知らんよそんな単語。

「測定って言葉で合ってるの?」

「まあそうね」

「いつ測定するの?」

「あんたさっきしてた」

「ええ!?いつ?」

「くろぽち氏とご飯食べてた時、お店で」

「何もしてないけどなぁ。くろぽちもしてた?」

「くろぽち氏はしてない」

「ええ!?なんでよ。いつしてた?食べながら?」

「店を出る前くらいかな」

「くろぽちは…」

「してない」

「は〜??」

さあ、何だかそろそろわかってきましたか?

その後、ポンタはあーでもないこーでもないなんでくろぽちはしてないんだとぐちゃぐちゃ考えていましたが長かったので忘れました。
でも最終的に正解に無事辿りつきました。良かった!

「人や状況によっては飛んで٩( ᐛ )وってなるじゃろ?」

「まあ確かに」

「あんたさっき店から出る時チラッと測定してたじゃろ?」

「まあ測定っていうか、確認したわ」

「くろぽち氏は大体で生きてるからあまり気にしないんじゃろうな」

皆さんはわかりましたか?
ここで最後の大ヒントです。
私は嫌な事をしている時に飛んでくれると٩( ᐛ )وってなります。
(正解は一番下に書きます)

「正解はしたがもう城の近くまで通す事は出来ぬ」

「え〜」

「さっきゴブリンキングに思い切り睨まれてたもんね」

「ウム。怖かった…」

「じゃがラビリンスの第二層の入り口まで通してやろう」

「内緒じゃぞ」

ガードマンたちが両脇にどくと、目の前の扉が重い音をたてて開きました。
石の扉の向こうには灰色や黒や茶色いこれまでの石だらけの風景とは全く違う緑の風景が広がっていました。
ポンタたちは周りを見回しながら扉の向こうへ一歩踏み出しました。

来年につづく

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2024年の「ラビリンス〜魔王の迷宮〜アドベンチャーゲームで遊ぶ」はここまでです。また来年、新エリアからの冒険をスタートさせますので2025年も読んで下さると嬉しいです。
いつも記事を読んでいいねを押して下さる方、サポートをして下さる方(最近チップという呼び方に変更になったようですが)、本当にありがとうございました。自分が書きたくて書いていた記事ですが、とっても励みになりました。
自分が楽しいと思った事を誰かとも分かち合えたらいいなと思ってはじめたこの連載をまた来年も引き続き楽しんで頂けたらと思います。

謎の答え:Time

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