
ラビリンス〜魔王の迷宮〜アドベンチャーゲームで遊ぶ Vol.9
ラビリンスTRPG“STONE WALLS編”
《冒険者紹介》
【ポンタ】
種族:人間
持っている物:ニッパースティック
特技:重い物を動かせる・細かい事に気がつく
欠点:忘れっぽい

人間が描けないんだよ
【レディ・ペッパ】
種族:古の騎士
持っている物:白い旗・壊れたレンガの塊2つ・50フィートのロープ
特技:歌ったり踊ったりして人を楽しませる
欠点:純粋過ぎる

【イワオ】
種族:ロックマン
持っている物:なし
特技:体を分解できる

《前回の話》
《最初から読む》
THE RIDDLE(謎)
道を進んでいくと行き止まりの広場に出ました。広場の奥に扉があり、その前に体がすっぽり隠れるくらいの大きな盾を持った2匹のガードマンが立っているのが見えました。広場の入り口に現れたポンタたちを見ても攻撃してくる気配もなく、ただその場で扉を守っているだけのようです。近づいていくと、そのガードマンたちは盾の上から顔だけがひょっこりと出ているようでしたが奇妙な事に盾の下からも逆さまになった顔が2つ覗いているのがわかりました。
どうやら2匹ではなく4匹のガードマンだったようです。

「この人たち知ってる」
はい、映画にいましたね。もうわかりますね皆さんも。
え?まだわからない?
まーだ映画を観てないんですか!これまでの週末になーにしてましたか!
ポンタたち一行が近づくのを見て、ガードマンたちはガシャンと更に体を寄せ合って道を塞ぎました。

「ここから先に進みたければ、我々の出す謎に応えなければならない!」

「だと思った」

「ん?」

「なんでもないです、続けて下さい」
促されて、もう片方のガードマンが喉をエヘンと鳴らして厳かに続けます。

「もしも謎を解く事が出来れば、ゴブリン城の近くまで通してやろう!だがもし間違えれば…」

「ぼぼぼぼん!」

「確実な死だ!」

「うわー」

「こわーい」
ガードマンたちがワイワイガヤガヤ囃し立てます。実に賑やかです。

「確実な死ってやばいじゃん」

「やばいね」
さあ、どうしますか?

「え?ここでどうしますかって選べるわけ?」

「解かないでもいいの?」

「でも解かないと通して貰えないんだよね?」
いやほらさぁ、押し除けて先に進むとか行動の選択はいくらでもあるじゃん?

「あ、そういう事ができる感じ?」
ポンタは素直なのでそういう発想はなかったようです。レディ・ペッパもです。言われたまま言われた事を守って素直に進む。実に平和なふたり。
てかさぁ、冒険者なんだからもっと冒険して下さい。自由度が高いのがこのゲームの特徴なんですから。
まあでも、もし押し除けて先に進んでもまたここに戻ってくるんだけどね。

「え?そうなの?じゃあ結局解かないといけないわけか」
そうです。

「…それ教えて良かったの?」
本当はだめでした。押し除けて進んだ時に「残念でした〜あはははは」ってやらなくちゃいけなかった。

「すぐ裏事情をバラすねぇ…」
くろぽちキングは王座に就いて日が浅いため色々甘いのです。

「じゃあ解きます!問題を出して下さい!」
ここにある謎を出題するにはその答えも知らなければならないので、進行役も兼ねているくろぽちは参加出来ません。ここはポンタだけに解いて貰います。
一行の命はポンタにかかっている!頑張れポンタ!

謎その1
“父の子、母の子、だが誰の息子でもない”
皆さんも考えてみて下さいね。
(答えは一番最後に書きます)

「え?それだけ?うーん」
考えるポンタ。でもすぐに

「……もしかして◯◯◯?」

「せいかーーーい!」
はっや!ポンタ早い!簡単だった?すごいねー。
あまりにあっさり答えられたものだから、ポンタ物足りなかったみたい。

「他のは?他にもあるんだよね?他のも出してよ」

「ええ?」
ガードマンたち困惑。盾の陰で4匹でゴニョゴニョ話し合います。
でも結論は決まってます。

「いいだろう」
ガードマンたちもこれまで誰も来ない場所で仕事を任されてずっと退屈だったのです。その間に考えた誰にも答えて貰えない謎がたくさん溜まっているのです。ようやく出題できて、内心ワクワクしているはずです。

「でも一応もう謎は解いたって事でね。こっからはただの遊びね」
念押しを忘れないポンタ。
「確実な死」はどうしても避けたいですからね。
謎その2
“私を作った者は決して私を使うことはない
私を使う者は、決して私を見ることはない”
答えを確認してみましたが、これちょっと訂正させて下さい。作った人が使うこともあると思います。その時すぐではなくても。

「ヒントはそれだけ?」

「質問があれば答えてやろう」
ガードマン、暇ですからね。

「それは誰もが持っているものですか?スマホとかそういう感じの」

「持ってない」

「どの家にもあるものですか?」

「家にはないけど、使う時には一時的に家に置く家もあるかも」

「大きさは?大きい?小さい?」

「サイズは人による」

「パンツ!!」
ポンタ、力強く答えました。

「パンツはいつでも各家庭にあるでしょうよ…あって欲しいよ」

「そうか…」

「それに作った人も使ってるでしょうよ…」

「そうか…。使う者はそれを見ないって言うからさ」

「君、パンツ人には見られてるの?見せてたら変態でしょ」

「変態だな」

「捕まえた方がいいんじゃない?」

「じゃあテント!入ったら見えないじゃない?そういうのだよねきっと」

「発想はそんな感じ。おしい。でも違う」

「そっか、おしい…じゃあ非常時に使うものかな。災害時に使いますか?」

「うーん…。使うかな?使う時もあるって感じ。使わないに越した事はないが」

「非常袋みたいなものかな?」

「非常袋は使う時だけじゃなくて常に置いておかないとダメだよー」

「そうだよね。なんだろう…ジョイフル本田に売ってる?」
ジョイフル本田とは千葉県民や茨城県民には有名な凄じく広いホームセンターです。日用品から専門的な物まであらゆる物が揃っていて一日いても全部を見切れるかわからない、まるで迷宮みたいな場所です。

「ジョイフル本田か〜。もしかしたらあるかもしれない…流石にないか?」

「ジョイフル本田でもそんなレベルなの?」
ポンタ、しばらく黙り込んでしましました。ジョイフル本田で売ってるかどうかわからない物なんてある?と悩んでしまったようです。
この調子じゃ1日が終わってしまうと思ったガードマンが手を貸します。

「大ヒント!それは木製です」

「木製ロッジ!」
なんでや。どこからきたロッジは。

「中に入ったら見えないから」
ロッジがジョイフル本田に売ってるのかいという声が聞こえてきそうですが、私は売ってると思う。売っていてもおかしくない。それがジョイフル本田。
その後、あれ?これ?それ?とポンタは中に入って見えなくなるものをだいぶ言い続けましたが省略。最後に閃きました。

「あ、◯◯◯◯?」

「せいかーい!!」

「家によっては必要な時に一時的に家の中に入れるじゃろ?」

「そうだね。でも使う者には見えないってこういう事だとは」

「はい、遊びも済んだし行っていいよ」

「問題ってまだあるの?どんなのがあるの?」
ポンタ、楽しくなってしまったようでまだここに居座ろうとします。ガードマンたちはまた盾の裏でゴニョゴニョ話し合います。
「まだ謎はたっぷりあるけどどうする?」「わし疲れた」「わしも」「そろそろ昼寝したい」「わしも」
ガードマン達は顔を見合わせてため息をつきました。

「今日はこれでおしまいじゃ。扉を通られい!」
そうですね、そろそろ進みましょうか。ではサイコロを…

「突然ですが、ここでお詫びです!」

「わあ、突然どしたの?」

「これまで普通にサイコロ振って貰って、1が出たら普通に1として扱っていたでしょ?でもサイコロの1ってフクロウの姿してるじゃない?」

「うん、可愛いなって思ってた」

「説明をよく読んだところフクロウはゴブリンキングの象徴なのでこれが出たらゴブリンキングが登場して理不尽な邪魔をしたりするんだって」

「そうなの?」

「サイコロ関係なくよく顔出してきたけどね、くろぽちキングは」

「そんなわけで、なんか知らないけど1が出たら出る事にするね」

「はーい」

「ではそういう事で。グッドバイ」

「じゃあ先に進もうか」

「ここの謎の答え正解したし、ゴブリン城の近くまで行けるんだよね」

「やったね。あっという間にゴブリンキングに会えるかもね」
ではポンタ氏、サイコロを振って下さい。
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あっという間に会えそうですね。
つづく
ゴブリンキングの日記
ポンタ、漫画みたいだよね。1出してんの。びっくりよ。

謎1の答え:A daughter.
謎2の答え:A coffin.