間違いなく毎日読んでる本。
寿木けいさんのこの本を間違いなく毎日私は読む。
毎日毎日。テーブルにのっかっている。ご飯が炊けるまでの間に、揚げ油が熱くなるまでの間に、味噌汁のお湯が沸くまでの間に。
気づくと毎日空き時間にスマホを触る自分に気付いて嫌になった。それでたまたまテーブルにのっかっているこの本を読むことにした。
もう今日のメニューはおおかたできているし明日まだなんにも決まってないけどとにかく見る。
お腹をすかせて待っている子供たちへ卵料理をつくり、具だくさんのスープを添えてやれば十分だとあり、そのことは私をとても安心させてくれた。
手を抜けばいいと言うのではなく、やり方を見つければいいのか、と気持ちが楽になった。それ以来献立に悩むとまず卵料理とスープを作ろうと手一杯なときの私は思う。
ひとたび台所にたち、作り始めると自然と食べたいものが頭に浮かぶ。「あぁ、明日は麻婆茄子にしよう」そう思いながら今日の晩御飯を作る。
卵とスープだけのはずが気付くと炒め物やちょっとしたフライなんかが出来たりする。不思議なものだと思う。嫌だ嫌だと思いながら作り始めたのになんとなく形になる。
多分私は今日も明日もそうやって台所にたつんだろう。なんのメニューもなく、在庫も見ないでなにかしら作るのだろう。そうしてうまくいけばまた現れ、不人気ならそれっきり。そんなこともまたこれから先何度もあるんだろう。
そういうことの繰り返しが穏やかに続いていくことに感謝してご飯を食べようと思う。