2024年買ってよかったもの
BODUMコーヒーグラインダー
去年まで手動ミルで珈琲豆のグラインドをしていたが、飲む量が多いのとなんやかんや人力は疲れるので電動を購入。かなり良かった。時間短縮、ありがたい。余談→いつも深煎りの豆を購入していたが、たまたま喫茶さぼうるで買った豆が浅煎りで、美味しく感じた。コーヒーの世界も一歩外に出たような気がする。
ベーゴマ
公園で焚き火をしていたので近づくと、ベーゴマを回している知り合いの親子に出会った。私もお借りして何十年ぶりに回してみた。なかなかうまく回らないヤキモキ感。何度か挑戦。良い。回った時の喜び。手がまごまごする。自分のイメージと自然の摂理を肌で感じる一品。誰かと戦うとなおさら良い。強い人には勝てない。たまにマグレで勝てると嬉しい。しかし強さには確実に超えられない何かがある。勝ち負けでわかるのも素敵。
小説
そんなに読めてなく読みかけのもの一気に読んだもの色々あるが、印象に残った小説ふたつ。
「肉を脱ぐ」こんな描写ができるってやっぱり小説家ってすごいと感じた。それぞれの悩んでいる課題感は誰かのどっかに繋がっているなと強く感じた作品であった。物語はハッピーエンドで終わるわけではなく、何かが続いているという観点で話が終りを迎える。「人の人生はただ続いていく」という感覚を持った。
先日、内田君と練習後にいろんな話をした。ちょうど同じ演劇を見たのでその感想も含めて。「音楽、演劇、小説、お笑い、表現に対して何に心を惹かれる?響く?」という話をずっとしていた。私は「悩みや想いがどれだけ自分の問題としている課題とリンクしているか」というところが興味があるという話をした。それだけじゃないけど、やっぱり自分が意識しているところでも、意識外でも思っている問題と向き合うチャンスをもらえるものと触れていたい。いつも何かを欲している。ただ「自分の問題」と認識外になると、遠い話となり共感ができない。物語として「あらゆる悩みを抱えている人はいるのか、なるほど」と認識ができるが、ピンと来ないとまま終わってしまう。と伝えると内田君も「そうですね あまり響かないものは響かないですけど、テクニックとか構成の仕方を考えるという点では勉強のために見に行くことはあります」とそんな話をしてくれた。
問題や課題の点では自分と共通するものを解決しようとしているものや、提示してくれそうなものに触れていこうとするが、自分の好みに対してはあまり信用しておらず、好みに関しては全然違うものを見に行ったりして、はみ出せないかということを意識的に行うようにしている。自分で出会うものをフィックスしないというか、今の自分ではまだまだ認知していない世界に出会えればと思うからだ。なるべく守備範囲や捉え方の引き出しをたくさん得たい。
目の前に対して、自分の認知能力がないとピックアップできない。感度もあるけど。様々な視点から目の前の美しさを知りたい。
たまに出会うもので素晴らしいものがある。まるで出会うために生まれたような存在の小説、映画、深夜に見ているテレビ番組と会えたら嬉しすぎて漏らしてしまう。震えてしまう。「肉を脱ぐ」は、図書館でなんとなくタイトルと表紙に惹かれて借りたものだった。主人公の感覚を理解できることも、共感できることもないながら読み始めたが、物語が進むにつれて自分が主人公なんじゃないかと思えるほどに、かなり深いところまで連れて行かれていることに気づいた。夢中で読む。巧みな構成だったり、没入させるシステムが構築されていたからかもしれない。
そして読み進めていくと、その奥の方に私の問題としている意識のようなジレンマと手を繋ぐ感覚があった。境遇も育った環境も違う。世界から手にいれる感覚も違うのに、どこかリンクする場所があるんだなと感じたのである。
それは人生に対しての掘り方だ。ああ。入り口はなんであれ、掘り方に興味があるのだと思った。深く深く掘っていくと、いつしか人間が抱える根源的な問題になったり、政治や、社会の問題とリンクするときがある。根本的な「生きる」ということを、突きつけられるような訴えかける魂をみた。表現にとってどこまで深く掘れますか?そこが重要だ。
なんの世界でもそうだ。ギターの音色をどこまで追求できるか、ギターの響きをどうやって追求していくかを考えれば考えるほど何か根源的なものに迫っていく気がした。そう思うと自分の表現はまだまだ足りず、その分奥の方まで行けるし どんなアプローチをしたとしても、掘っていけば、誰かの心に響く場所に辿り着けるのではと希望を持ったのである。
私は違うからとか、受けなさそうとか、労力がかかりすぎるとか、言い訳はいくらでも言える。そうではなく深く深く深く掘っていくことが表現であり、深さを自ら提示できる人が表現者だという風に感じた。
そんなことを感じさせてくれたこの物語に感謝。ハッとさせられるものにたまに出会う。なんと幸せなことだろう。
「バリ山行」すごく良かった。感想→穏やかに背中を押してくれるような力。世界が変わって風が顔面に吹きこんでくるような瞬間。山でないとわからない感覚が丁寧に。変な山に登る人は「そうそう!」って思う瞬間がたくさん有ると思う。主人公は描きたいことを捻り出す装置の一つ。カバーを最後に外して泣ける仕掛けになっておりました。
エッセイ
「病室、自分らしく」。BIOMANが難聴になり書いた文章。Twitterで知りリアルタイムでNOTEを読ませていただいていたが、とても丁寧に書かれていてその文体と表現力に美しいと思った。困った時にこうやって書き続けることはすごいと思うが、逆の視点から見ると、表現できる力を備えている人は、その力に助けられるんじゃないかとも思った。バイオマンの文章はすこぶる美しく切り取り方が秀逸で真似できないけど憧れている。
あとは電車を待っている時に、隣の知らない人が読んでた「イシューより始めよ」をマネして読んでみたり、本屋で見つけた岩井勇気さん(ハライチ)の新刊を買って読んだり(岩井さんの文体と冷静な視点は、オードリーの若林さんの視点と似てる気がして好きで、見つけると買う)、奥田民生さんの新刊を本屋で一気に立ち読みさせていただいたり(すいません)、図書館でたくさん借りては読めなかった本も数々も含め、本は面白いですね。折坂さんのユリイカ、柴田聡子さんのユリイカも興味深く読ませていただきました。
音楽
キースジャレット「MYSONG」LP
折坂裕太「呪文」CD
ジルベルトジル「1969」CD
アビーリンカーン「ザッツヒム」LP
マルウォルドロンwithエリックドルフィー「ザクエスト」LP
ビヨンセ「カウボーイカーター」LP
どれも良かった。他にも色々買ったが覚えていないもの多数。ユニオンとか行くとザバッと買ってしまう。三輪二郎のLPも購入した思い出。もちろん良かった。
時計 スマートウォッチ
自分はどれくらい寝ているんだろうか、測りたくて購入した。万歩計がついていて自分の設定した歩数を超えると「おめでとう!」とか出るのも好き。充電も1週間持つので嬉しい。時計は、ずっと何がいいんだろうかと何周も迷っていたけど、「あ!コレじゃん」と新発想で購入したもの。随分前になるが、アイフォンにも乗れなかったので、Apple Watchにも手が出ずで価格帯から「コレなら壊れても最悪いいか」と思って購入。色々シリーズが出ていて迷ったけど、なんとなくこれに落ち着き、愛用しております。毎日の睡眠時間が測れるのは良いです。(たまにつけ忘れて寝ること多日)