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在学中受験生は、本当に下駄をはいているのか?
巷で話題のディープステート
最近、某5ちゃnnn(自主規制)やXなどで話題になっている、「在学中受験生は加点されている?」という言説について、
在学中受験制度スタート前に進学、一度は敗北を喫し、令和6年に合格を果たしたデスメタル・黒・もふもふなりの考えをまとめます。
けっこうショッキングな内容になるのではと思います。
在学中合格者との邂逅
在学中合格者って本当にいるんだ!
中下位HEYローでは絶滅危惧種と化している在学中合格者。わたしが彼らと出会ったのは、司法試験後の就職活動や、合格発表後の祝賀会でのことでした。
合格発表の11月6日、中国新聞にパパのクレジットで課金、就活で出会った在学中受験者の名前がほぼ全員あって驚愕しました。
丙ローでは在学中なんてはお試し受験みたいな感覚だろうに…。そもそも私は胎内からあと50回ぐらい生まれ変わらなければ在学中合格なんて不可能です(私のトンでもロースクール珍事件簿は、いつか気が向けば)。
在学中合格者の生態レポート
「在学中というからには、学校に通っているんだよね?」
もちろんです。やつら(愛称)は司法試験に合格しても、牢スクールを卒業できなければ司法修習にいくことすら叶わないのです。
なかには、「司法試験の中日に民〇の定期試験を受けた」、なんて涙なしには語れない話も、、。あれ、司法試験二日目って民事系科目だったよね…。
専業受験生でもしんどい大しけの海。彼らは当然のように学校に通うだけでは飽きたらず、試験後も説明会やインターンに出没、四大事務所の内定を保有していることもあります。前世はきっとサーファーでしょう。
多少は教授も融通利かせてくれるんじゃないの?
なんてことはなく、出席日数をカウントして単位を落とすまいと計算しながらも授業を休んでくるのです。
人間なのだから何かしらの欠点はあるはず。愚痴の一つや二つ引きだしてやろうという気持ちで、 「ローで授業受けながら司法試験なんて、大変だったよね涙涙」といってみても、
「強制的に勉強しなきゃいけない環境が、でかかったと思う」と返ってきました。スーパーマンにでもなるんだと思います。
彼らが乱した司法試験合格ルート
司法試験制度改革
令和5年、彼らは司法試験に襲来しました。正直、私は3年冬に司法試験過去問に取り掛かったクチなので、在学中受験生はそこまでレベルが高くないと勝手に思っていました・・・(お前の物差し)。
しかし蓋を開けてみれば、私は不合格。在学中受験生は驚異の合格率をたたき出していました。
「・・・なめてた。」
苦い思い出です。
既にもっている者が与えられる世界線で
私が現実世界で知っている二桁合格者は、実は全員ロー在学生です。何故なのでしょうか。
法科大学院によって与えられるもの、一口に学習環境とでも呼びましょうか、その差は、上位ローと中下位ローでかなり違いがあると確信しています。
わたしは、やっと始めた司法試験過去問演習を中断し、期末試験の対策を始めたところ、司法試験との乖離に愕然としました。商法では計算問題等の謎の小問があり、民法では授業で扱った定型約款や送達などを復習する…。あぁ、無情。
もちろん、この私を拾ってくれたロースクールです。院試時点で、民法177条第三者の定義も怪しいというありさまでした。行政法の原告適格すらしりませんでした。そんなのでも裁判所のお気持ちを作文したら、既習コースに受かりました。
一方で、上位ローでは何が起こっているのか。
「司法試験の過去問は3年分しか解かなかったけど、ローの定期試験の過去問は解ける範囲で解いた。」と聞いた時には、同じ「法科大学院」という道を選んだ者なのかという思いでした。
実際、チラ見したファイルの書類も、司法試験過去問?かと思いきや定期試験問題。西の某大学なんて、司法試験より期末試験の方が難しいなんて聞きますよね。そりゃ、受かるわ。
そして、上位ロー既習コースには高い学力のある人たちが入学していきます。また、未修コースも我がローでは大半が消息不明となりましたが、上位ローの人気は、隠れ既習はもちろん、法律は知らずとも学習能力が高い純粋未修たちを集めます。
どうぶつの森でたとえるならば、自分の島と、河童船でいく南国の島。ヤシの木に呼び寄せられる無印カブトムシと高級カブトムシの値段の差、ご存知でしょうか。
そんな「持つ者」が、司法試験対策を見据えた、学内の充実した学習環境を「与えられる」のです。ぐうの音も出ません。
与えられたものが与える時代へ
在学中合格者は、合格後もローに通います。そして学内の後輩とのつながりを持つばかりか、後輩に知恵を授けるべくゼミまでやってのけてしまいます。
合格者が学内で講座を持つことはどこのローでもあります。しかし、在学中受験の合格率が半分を超えるようなローでは、在学生が後輩の指導をすることが可能になっているのです。
どちらのほうがいいかと考えれば、一度は司法試験を受けた人なら、絶対に後者の方が有意義だと思うのではないでしょうか。
私は、11月の合格発表まで1ミリぐらいしか法律に触れませんでした。それでも今結構忘れている部分も多いです。答練講座を開くような弁護士も、最新の司法試験対策までアップデートができている人はごく僅かでしょう。
これに対して、在学中合格者の多い法科大学院においては、まだ日常的にローに通い授業も受けている合格者のアッツアツの指導を受けられます。
私は、この制度改革により、ロースクール間での格差がもっと広がっていくのではないかと思います。
在学中受験の合格率の高さは希望入学者のレベルも上げてくるでしょう。そして、彼らは合格し、またそのノウハウを受け継いでいくのです。ライオンもびっくりの弱肉強食ですね。
複数回受験・中下位ロー生が思うこと
「受かってしまえば一緒」
半分正解、半分間違いとでもいうべきでしょう。
司法試験何位だったとか、あまり祝賀会での話題にはなりませんでした。上位ローの祝賀会や在学中合格者のあいだではまた違うのでしょう。
しかし、下位ローの下位合格者の私が、たいして生きづらさを感じていない()ので、そんな気にすることもないと思います。
自慢話をしないで、他人に気持ちよく話をさせる能力の方がよっぽど大事です。おいおい、こんなとこでそんな話すんなよ…空気読めよ…というドン引きイベントは祝賀会でちらほら遭遇したので、今度「司法修習生はモテるのか?」という記事を書くときに述べようと思います。
ただ、2桁合格者も「受かれば一緒!」とか笑顔で言ってくるので、やつらは人格まで備えています。
おせっかい婆さんの遺言
ここまで読んで萎えなかった人の方が少ないと思います。
ですが、合格ボーダーラインに乗るためには別に2年間馬車馬のように頑張り続ける必要もありません。受かるか受からないかは結局自分次第。ただ、半分寝ていても受かるようなトップ層が毎年流入してくること、新参者が実はボーダー付近にごろごろしていることだけは心に留めておいても良いと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
次回は司法修習生はモテるのか__エピソード0をお届けする予定です。司法修習中の恋愛事情や、やべー奴の話はもはや口伝になってしまっていて、みんな言ってることがバラバラなんですよね。私がそんな世界に一矢報いる、予定です。