モテ期に入った日本
最近街なかを歩いている訪日観光客をよく見かけるようになりました。特に観光客に人気の秋葉原では、ホコ天で記念撮影やレトロゲームを探し求める観光客で溢れています。
彼ら、彼女らとと話してみて感じたのは、今日本が二度目のモテ期に入っているのではないかということです。モテ期とは、複数の異性からモテる時期のことで、日本には以前にもジャポニスムという三十年続いたモテ期がありました。しかし哀しいかなこのときはまだ海外の情報が今ほど簡単に入ってこなかったため、モテていた本人はモテているということを知りませんでした。
会う人ごとにこのような話をしているのですが、誰しも最初は半信半疑です。そりゃあ、今まで特定の相手(アメリカやイギリス、フランスなど)にこちらが夢中になることはあっても決まって片思い、ましてやあちこちからラブコールを送られているといわれてもにわかには信じられないようです。
実は海外で一人旅を経験したり、海外に知人がいたりすれば、こういった場面に出くわすことが少なからずあるのですが、バブル崩壊後海外に対する興味を失い、内向きになってしまった日本では、海外と接点のない大部分の人が「うそでしょ?だましてるんですよね?」と思うのも無理ありません。
前回のジャポニスムのモテ期はモテているということを全く知らずに非常に勿体無いことになっていたのですが、今回のモテ期は人や情報の交流も迅速かつ大規模になっており、これを知らないということも大変もったいないことだと考えています。
このモテ期現象はマンガやアニメと言ったポップカルチャーが発端となっており、この敷居が低く、間口の広い入口から日本食やファッションなど幅広く日本文化に興味が広がっています。しかし、なぜこのモテ期現象が始まったのか、またこれからどのようになるのかなど、まだ分からない部分も多く、探ろうにも確立された方法論が存在しないため、テレビや新聞などの断片的なニュースでしか知ることができません。