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グリコ森永事件調査-中間報告

 グリコ森永事件の発端となった江崎グリコ社長誘拐から約15か月分の新聞縮刷版(15000ページ)の紙面を閲覧し、時代背景なども含めて調査を行ったところ、公開された情報とは異なった事実が判明してきました。ここではそのいくつかを中間報告として紹介します。

犯人像

 犯行グループは非常に統制のとれた20代から50代までの6乃至7人グループで、社長宅侵入時には侵入手口などから事前に入念な調査を行っています。 

 統率のとれたグループによる犯罪と言えば、1960年のハリウッド映画「オーシャンと11人の仲間」を思い浮かべます。ラスベガスのカジノから大金を強奪しますが、入念な調査と統制のとれた行動によって強奪に成功します。オーシャンと11人の仲間はフィクションですが、グリコ森永事件の犯行グループも現金受け渡しでの陽動や警察の追跡を交わすなど、おそらく同様の背景を持ったグループであろうと推察されます。

 また上記の記事でも度重なる警察のローラー作戦でも犯行グループに繋がる手がかりを得られなかったことから、ローラー作戦の範囲外に居たと推理しましたが、犯行グループの遺留品として発見された無線機が秋葉原で購入され、いくつかの脅迫状が池袋から投函されたことから、都内に拠点を構えていた可能性があり、朝日新聞大阪社会部編「緊急報告 グリコ・森永事件」によれば、1984年10月11日に公開された犯人からの電話の声について

「完全に東京式の標準アクセント。『走れ』『上に』『ある』『中』などにそれらが見られる。近畿のものが標準アクセントで読んだ場合は、どこかに不自然な部分が出てくるのに、テープにはそれがない」(p219)

ことや、1984年11月14日にハウス食品にかかってきた電話が、

市外局番「06」の大阪から三百二十キロより遠い(p267)

公衆電話からかけてきたことから、少なくとも犯行グループのうちの一人は東京近辺に在住していることが示唆されています。

未公開の脅迫状の存在

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