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パウパーで使われない黒のスリヴァーとは?

 2024年は1年を通して『水晶と筋肉と私』と言う題名でスリヴァーの記事を執筆しました。
後半は内容に詰まり、スリヴァーの記事か怪しい点もありましたがなんとか無事に終えれて最終回は17いいね(1/17時点で)とシリーズ最後に相応しい有終の美だったと思います。拡散と読んで頂き誠にありがとうございました。

 では2025年はどうするか?昨年末に読んでくれてる友人との話だったり、コミケにスリヴァーの本出しましょう!と誘われたりしてその時に色々アイデアをもらい個人的にヒットした

「使わないスリヴァーってなんか理由があるんですか?」

という問いが個人的にヒットしたので今年は1年通してその辺りを深掘りしていきたいなと思います。
 ほぼ脳死状態で白緑構成を組んでますが、もしかしたらいいデッキが出来るかも…?
という淡い期待も持ちながら色々解説できたらと思いますので今年も1年よろしくお願いいたします。

 記念すべき第一回目は黒いスリヴァーに関して解説をしていきたいと思います。

なぜ黒いスリヴァーはパウパーで使われないのか?

 5色のスリヴァーでデッキに入れるのは基本的に白と緑でその他のカラーは殆ど入りません。
かくいう筆者も触っても赤若しくは青で黒は稀に入れる程度です。
黒の何がいけないのか?黒は相手の嫌がることを好む色故に黒のスリヴァーも強そうなイメージを抱きますが果たしてどうなのか。1枚ずつ能力と有効活用の方法を見ていこうと思います。

《心鞭スリヴァー/Mindlash Sliver》

1マナ1/1のスリヴァー
自身を生贄に捧げるとお互い手札を1枚捨てる能力を
共有します

 トップバッターは《心鞭スリヴァー》
1ターン目から動けてお互い手札を捨てる《ヴェールのリリアナ》の+1能力と同様の効果です。スリヴァーがそれぞれ持つ為、安定して並べることで相手の手札を締め上げることが出来るのですが…

【評価】
 パウパーのスリヴァーに於いて横並びこそが正義なのに自身を生贄にするのが弱すぎる。安定してスリヴァーを供給して相手の手札を締め上げるにも自身も手札を捨てる為、トップ勝負になるのが運ゲー過ぎます。

【活用方法】
 とはいえ完全に弱いかと言われると疑問は残る。
黒である為《殺し》は当たらず、黒であるが故にこちらが《殺し》を始めとする除去を搭載することが出来ます。その他の火力や、黒にも当たる除去に対応してハンド捨てさせたり、他の《強迫》等のハンデスを合わせて使う事で相手の手札を枯渇させて優位に立つことも出来ます。
 白黒で組んで《テツモスの大神官》を用いてリアニを繰り返す事で比較的安定供給出来るのもポイントです。
 赤黒で組んでマッドネスカードを捨てる事でメリットに変えるのも一つの手か?

《激情スリヴァー/Frenzy Sliver》

2マナ1/1のスリヴァー
攻撃時にスルーされるとパワーが上がる激情を共有します

 次は《激情スリヴァー》の紹介。
攻撃時にブロックされないと激情nの分だけパワーが上がります。もちろん《筋肉スリヴァー》を始めとしたロード同様こちらも複数並んだときにはそれぞれ激情が誘発しますので一見強そうに見えるが…

【評価】
 ブロックされると誘発しない。ロードと異なり攻撃時にしか仕事しないのが辛い。激情1ではなく板金スリヴァーの対として+1/+0修正でも良かったんじゃないかと思いますが、すでに赤のアンコモンに《刀刃スリヴァー》が居ますので却下された可能性はあるかもですね。弱いとは言い切れないものの逆にブロック時に上がるランページなら評価は変わったかも?

ランページ N/Rampage Nは、「このクリーチャーがブロックされるたび、このクリーチャーをブロックしている2体目以降のクリーチャー1体につきターン終了時まで+N/+Nの修整を受ける。

http://mtgwiki.com/wiki/ランページ

【活用方法】
 ブロックされない事で誘発する為、《有翼スリヴァー》で飛行を付与したりする事で安定した発動が見込める。黒であることから《変わり身ののけ者》と組むことでブロックされずに単騎で誘発させていくこともできる。サポート向けのカードとして組み合わせ次第で光るか?

《吐毒スリヴァー/Spitting Sliver》

5マナ3/3のスリヴァー
全てスリヴァーに先制攻撃を共有します

 次に《吐毒(とどく)スリヴァー》の紹介です。
先制攻撃付与する上に本体ボディも3/3とスリヴァーにしては大きなサイズ感です。毒というよりはビームっぽいような気もしますが、ベナリアの騎士の長い槍を持ってしても勝てない。そんなスリヴァーは強いはず…

【評価】
 流石に5マナは重い!しかも3/3で先制攻撃付与とありますが、来月以降で解説する《先制スリヴァー》と言う赤1マナ1/1で自軍スリヴァーだけ先制攻撃付与という上位互換的な存在がいます。スペック面でも中々に採用は厳しいと言わざるを得ない1枚。

【活用方法】
 とはいえ黒はマナ加速が出来るので3ターン目に《暗黒の儀式》経由で着地させれなくも無い。ただ、2枚使ってやることなのか?という疑問は残る。スタッツが大きめではあるので《彼方からの雄叫び》などで強化してあげるのも…スタック《稲妻》?投了ですねぇ

 ちなみに名前が吐毒(とどく)とありますが、先に攻撃が"届く"に掛かってそうですねぇ(すっとぼけ)

《基底スリヴァー/Basal Sliver》

3マナ2/2のスリヴァー
自身を生贄に捧げると黒2マナ(以下BB)
を加える能力を共有します

 お次は《基底スリヴァー》の紹介です。
統率者をやってる方には馴染みのあるカードじゃ無いかなと思います。スリヴァーを1体サクるとBB加える能力は《スリヴァーの女王》と相性が良く、無限ループが発生します。そんな3マナで2/2と先ほどの《吐毒スリヴァー》と比較してもそれなりのスペックは如何に…

【評価】
 スリヴァーをサクるとBB加える能力は先ほど記した女王との相性バッチリですが、パウパーでは今ひとつ相棒を見つけきれてない印象があります。スタッツ自体は2/2と3マナ域のスリヴァーでは平均的な為、殴り合いも多少はこなしてくれる。黒に寄っているデッキなら先述の通り一時的なマナ加速も出来るので相棒次第で化ける1枚。

【活用方法】
 マナ加速が出来るという点で1マナ域のスリヴァーをばら撒き黒マナを加速させるというのが一般的ですね。黒単で考えるとしたら相棒に《心鞭スリヴァー》と無色の《メタリック・スリヴァー》が1マナで出せて2マナ出るのでおすすめです。生んだマナの注ぎ口としては
・《彼方からの雄叫び》で+X/+0修正
・《生命吸収》でX点ドレイン
・《墓所のネズミ》で全体X火力
など多岐に渡るので使い道は黒単でも困りません。
 回りくどくやるなら《墓の刈り取り》で回収して再度マナを生み出すことも出来るけど…現実的では無いかな?

《凝塊スリヴァー/Clot Sliver》

2マナ1/1のスリヴァー
2マナで自身を再生する能力を共有します

 次は《凝塊スリヴァー》の紹介です。
2マナで自身を再生する能力を共有してくれます。後述する《墓所スリヴァー》と若干異なるが如何に…

【評価】
 意外と難解なルールである再生を共有します。
2マナで1/1というパウパーで採用しやすいコストとスタッツを有する為、"弱くは無い"という印象。タップを必要としない起動型能力の為、後述する《墓所スリヴァー》との採用が分かれるところ。マナを潤沢に生み出せる構築であればこちらも十分視野に入る。

【活用方法】
 再生という古来のキーワード能力を有しており、古くからある確定(それは再生できないを持つ)除去以外にはマナさえあれば滅法強い。自身が黒である為、《殺し》に当たらず、《喪心》もマナを注いでやれば回避出来る為、思ってる以上に仕事はするかもです。
ただ、基本的にスリヴァー自体がマナを余らせないように動く為、《宝革スリヴァー》(マナ能力を共有する)をセットに使わないとマナ捻出が厳しいか?
 再生ということもあり、相手にトランプルが居なければチャンプブロックが可能なのもお忘れなく。

《墓所スリヴァー/Crypt Sliver》

2マナ1/1のスリヴァー
タップで対象のスリヴァーを再生する能力を共有します

 最後に《墓所スリヴァー》の紹介です。
パウパーでもサイドで採用実績のある1枚でタップだけでマナが不要な再生能力を共有しますが如何に…

【評価】
 前述の《凝塊スリヴァー》同様に再生を共有しますが大きな違いは自身を再生するか対象のスリヴァーを再生するかどうか。《墓所スリヴァー》の場合はマナがなくても先立って着地していたスリヴァーを用いる事で召喚酔いしたスリヴァーを助ける事が出来る為、多くのスリヴァーデッキではこちらの方が採用される傾向にある。

【活用方法】
 こちらも再生という事でチャンプブロック要因として動く事が出来るが、マナを構えない分1体で完結するのが大きい。横並びの小粒同士であればブロック指定後に再生して一方取ることも可能です。他にも自身より大きなクリーチャーでも複数で取りに行くことも同様に可能です。
 白の《歩哨スリヴァー》(警戒を共有する)と組み合わせる事で、
・攻撃に行っても再生
・ブロックしても再生
と中々に嫌な動きができるのでオススメです。

まとめとおまけ

 黒のスリヴァーまとめいかがでしたでしょうか?如何に黒が不遇な能力かお分かりいただけたと思います。黒だとサポートに寄ったりとメインでの活躍が現状厳しいのでクイーン(WotC)に新たに作ってもらうしか無いですね。アンコモンがコモン落ちすることでも強力なカードがあるので今後はそこの辺りにも期待ですね。

 今回紹介したカードでサンプルデッキを組んでみましたので興味があれば是非試してみてください。

 《激情スリヴァー》の能力を《変わり身ののけ者》のアンブロで有効活用しながらクロックを刻みます。《心鞭スリヴァー》の手札破壊に対応してマッドネスで一方的にアドバンテージを得たり、MH3が生み出した人の心を持たない《刷新された使い魔》を展開して相手のハンドアドバンテージを削り対処手段を無くさせるのが大まかなプランです。

 《ボジューカの沼》がある為、メインから墓地対策が可能で、《殺し》が搭載できる関係上、サディストグリーに対するガードを上げる事ができるなどメリットはあります。

 今回は、紹介したスリヴァーだけを使用したレシピなので今後カラーが増えれば2色などでのサンプルレシピも上げていこうと思います。初めて使わない色でデッキ組んでみましたが楽しかったですねぇ笑

 次回は今回紹介した黒と相性の良い赤いスリヴァーをご紹介したいと思います。

それではまた(´∀`*)ノ

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