【旅メモ 熊野古道をゆく】中辺路2日目 近露~熊野本宮大社
朝7時過ぎ。宿を一番早く出て徒歩5分の「なかへち美術館前」バス停に到着。そう、今日は峠越えを諦めて5つの王子を飛ばすプランに変更したので途中まではバス。
目的の「道湯川橋」バス停に到着したのが7時半過ぎ。そこから国道311号を外れて山道に入り、迂回路に入るところから1日がスタート。最初に目指す湯川王子は、2011年の台風で発生した地滑りでその1つ前である岩上王子からの道が通行止め。そのためこの迂回路でしか湯川王子は行けない。でも標識はばっちりなので迷うことなし。
若干山道がきつかったものの、1時間程度で湯川王子には到着。日本人初のノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士のゆかりの一族が眠る場所。ここは皇太子殿下行啓の地でもあります。
しかーし、全て飛ばしたと思っていた峠が1つ残っていた(笑) それが三越峠。結構急なつづら折れの道だったけど30分くらいで三越峠関所に到着。登り切ったと思いきや、ここからは急な下り道~。猪鼻王子から発心門王子を目指します。
でもこの辺りから段々と視界が開けてきて、音無川と川沿いの桜が見え始めます。桜が見えてくると雨が降っていても風情があると感じるもの。日本人だな~。
1時間くらいで発心門王子に到着。ここで今日初めて人に会う(笑) 舗装道路沿いにあるので車で来る人も多い場所。
世界遺産の碑もぱちり。
ここでまだ11時ちょい前。でも今日一日の道のりを考えるとこの辺りでご飯を食べるのがいいな~と思っていた。ちょうど屋根付きの立派な休憩所があって、雨でもお弁当は食べられる。雨は止んでいたけれど、きれいなテーブルとベンチがある休憩所に腰を掛け、持参してきた登山用のガスバーナーでお湯を沸かす。寒いかもと思ってコーンスープを持ってきたのが大正解!後は宿が持たせてくれたおにぎり弁当をありがたく頂く。う~ん、なんて美味しいんだろう。暖かいスープにおにぎり。ほっとくつろぐ一瞬。
支度を整えて出発。次の水吞王子までは舗装道路を歩く。懐かしい公衆電話になぜかクスッと笑ってしまう木彫りのカラス像。このお陰で結構テンションアップ(笑)
水吞王子を通過して次の伏拝王子に着くと茶屋がある。
そこには「温泉コーヒー200円」の文字が!!!あ~、飲みたい。飲みたいけれど、今日は先を急がねば。泣く泣く通過。
さあここからは熊野本宮大社を目指して一直線。九鬼ヶ口関所を通り、ひたすら目指す熊野本宮大社。あぁ、お守り買えるのかしら(←これしか頭にない)
手前の祓殿王子までくると、お~、もう見えている、熊野本宮大社の鳥居。うっ、着けた。お守りが買える時間だ(←しつこい)
敷地内に入るとまず目に飛び込んできたのは八咫ポスト。真っ黒に緑文字でファッショナブル。「祈 コロナ終息」と書かれているのが今っぽい。
それにポスト上で羽ばたく八咫烏がマスクまでしていたのは、今しか撮れない写真。こんな時代があったんだね~と後の語り草よねぇ。
崇高な雰囲気のある御社殿にてお参りを済ませ、いざお守りを買おうと社務所へ向かう。(写真撮影は記念撮影のみでSNSやブログへの掲載禁止とのことなのでお見せできずにすみません)
と、興味を引いたのは熊野牛王神符というカラス文字で書かれた熊野三山(本宮・新宮・那智各大社)特有の御神符。ほっ、欲しい!ここで私は、ここまで目指してきたお守りをあっさりと諦め、熊野牛王神符を購入。よく考えたら前日に奥ジャパンのスタッフさんに赤い八咫烏のお守りを頂いていた。2つ、いる?と自分自身に問い、いや、1個でいいでしょうとあっさり御神符に変更。今日の道のりなんだったんだろうね(笑) いいの、いいの。自分が幸せに感じることが大切。このカラス文字、めっちゃ縁起良さそう~。
さあここからもうひと踏ん張り。そう、日本一の大鳥居がある大斎原が残っている。そこはかつて熊野本宮大社があった場所。えーっと、どっちだっけ?と大斎原の方向を目指して参道を降りる。ん?降りてる?参道を??とここで私は大切なことに気が付く。そうか、私ってば裏から入ったんだ(笑) こんなに立派な杉木立に「熊野大権現」の奉納幟が立ち並ぶ158段の石段を上らずに降りる私。でもそれが逆にこの参道を見下ろす形になって壮大さを感じる。う~ん、参道すごい!
参道前の国道を渡り、両脇に民家の立つ細い道に入る。
1分もかからず開けた田んぼ道に出るとその右側にはどど~ん!と大斎原の鳥居が正面に見える。これまた鳥居までの道が足元からなんともまっすぐに伸びていて気持ちいいくらいだ。そしてこの鳥居は私が人生において実際に見た中では一番巨大である。そう、大きいのではなく「巨大」なのだ。嬉しいことに桜が満開~!なんて良き日に来れたのだろう。しばし幸せに浸る。
大斎原でのお参りを終えて熊野本宮大社前まで戻ると15時ちょい前。今日は予想より早めでほっとした。
雨にも濡れているし、靴はドロドロだし、さあ、今夜のお宿である湯の峰荘に行って温泉はいろ~♪(湯の峰荘は別途ご報告)