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【映画メモ】オッペンハイマー【#78】
解説は映画.comさんより
「ダークナイト」「TENET テネット」などの大作を送り出してきたクリストファー・ノーラン監督が、原子爆弾の開発に成功したことで「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーを題材に描いた歴史映画。2006年ピュリッツァー賞を受賞した、カイ・バードとマーティン・J・シャーウィンによるノンフィクション「『原爆の父』と呼ばれた男の栄光と悲劇」を下敷きに、オッペンハイマーの栄光と挫折、苦悩と葛藤を描く。
第2次世界大戦中、才能にあふれた物理学者のロバート・オッペンハイマーは、核開発を急ぐ米政府のマンハッタン計画において、原爆開発プロジェクトの委員長に任命される。しかし、実験で原爆の威力を目の当たりにし、さらにはそれが実戦で投下され、恐るべき大量破壊兵器を生み出したことに衝撃を受けたオッペンハイマーは、戦後、さらなる威力をもった水素爆弾の開発に反対するようになるが……。
オッペンハイマー役はノーラン作品常連の俳優キリアン・マーフィ。妻キティをエミリー・ブラント、原子力委員会議長のルイス・ストロースをロバート・ダウニー・Jr.が演じたほか、マット・デイモン、フローレンス・ピュー、ジョシュ・ハートネット、ラミ・マレック、ケネス・ブラナーら豪華キャストが共演。撮影は「インターステラー」以降のノーラン作品を手がけているホイテ・バン・ホイテマ、音楽は「TENET テネット」のルドウィグ・ゴランソン。
第96回アカデミー賞では同年度最多となる13部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、主演男優賞(キリアン・マーフィ)、助演男優賞(ロバート・ダウニー・Jr.)、編集賞、撮影賞、作曲賞の7部門で受賞を果たした。
公開前後に色々議論があったようなので見たいなと思っていました。オッペンハイマーって名前は知っていたし、原爆の父と呼ばれているのも知っていましたし、誕生日が同じなのでちょっと親近感もありましたが、全然詳しくなかったです。この映画で、オッペンハイマーってこういう人だったのか!ってとても勉強になりました。これは原作も読んでみたいなと思いました。
ストーリーはもちろん原爆の開発から日本への投下、その後の後悔、凋落と栄光についてですが、なによりも男の嫉妬について生々しく描かれています。そして、その嫉妬してる男をロバート・ダウニー・Jr.が演じています。表情の演技がホント上手いです。
男の嫉妬については佐藤優さんの『嫉妬と自己愛 - 「負の感情」を制した者だけが生き残れる』も生々しくて読みごたえがあります。頭の良い人たちの嫉妬はすさまじいんですよ。
原爆の投下について、グロテスクな映像は全く出てきません。なのに悲惨さはちゃんと伝わってきます。このグロ映像が無いことを批判していた人たちは想像力が無いのか、ストーリーを理解する能力が無いのか、主人公のオッペンハイマーに共感する力が無いのか、とても残念です。そういう人は分かりやすい『ゴジラvsコング』とかを見ていた方が良いんじゃないかと思います。
オッペンハイマーが湖畔でアインシュタインと言葉を交わすシーンが出てきます。そのシーンがロバート・ダウニー・Jr.演じる原子力委員会議長のルイス・ストロースの疑念を育てて、嫉妬の種のようになるのですが、最後にどんな言葉を交わしたのかという種明かしがあります。彼らのような研究者に比べたら全然無名の研究者ですが、普段研究している身として、その言葉がとても心に沁みました。すごい研究者はすごい故に苦労するんですね・・・
おわり
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