【慢性炎症】体内の炎症を抑える食材【健康】
体内炎症が老化を加速する、
身体に良くない
という話を聞いたことがある
人も多いと思います。
最近
少し気を付け始めて、
食材について調べたので、
紹介したいと思います。
まず最初に、
注意しておくことは、
「炎症作用が必ずしも悪いとは言い切れない」
ということです。
炎症作用には
2種類あります。
一つは
「急性炎症」です。
これは
怪我や病気(感染)に対する、
私たちの免疫の自然な反応
として引き起こされるものです。
身体に必要な炎症です。
もう一つが、
「慢性炎症」です。
これは
体内の免疫作用
が引き起こした炎症が
1週間から1カ月間、
場合によっては1年以上も
継続するものです。
身体に良くない炎症です。
『アンチエイジングのためのヒーリング・スーパーフード(Healing Superfoods for Anti-Aging)』
の著者である
カレン・アンセル女史は
「体感を伴わないこともあるこの種の炎症ですが、身体のトラブルを訴えるサインである場合があるのです」
と説明しています。
彼女は
ニューヨーク大学で
臨床栄養学の修士号を取得し、
今は全米で
栄養コンサルタントや
ジャーナリストとして
活躍している女性です。
彼女の指摘する
トラブルを訴えるサイン
というのは、
例えば
関節炎、
脳卒中、
循環器系疾患などが
慢性的な炎症
を引き起こすことが
知られています。
炎症は
アルツハイマー病、
勃起障害、
癌(がん)など
とも関係しています。
さらに、
慢性炎症が原因となって、
2型糖尿病、
心臓病、
癌、
認知症など
が引き起こされることも
知られています。
国立保健研究機構(NIH)
によると、
大腸炎や
クローン病
(大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍をひきおこす原因不明の疾患、指定難病)など、
消化器系の炎症性疾患は、
結腸がんや大腸がんのリスク
を高めることが
指摘されています。
カリフォルニア大学
ロサンゼルス校(UCLA)
人間栄養学センター
所長の
ツァオピン・リー医学博士は
次のように説明しています。
体内で炎症が起きても、
栄養素やミネラルを使って、
炎症に対抗する
「抗炎症」
と呼ばれる反応が始まります。
「この反応は完全に正常なもので、最終的に体を自然で均整の取れた、異物侵入前の状態に戻してくれます」
しかし、
「非常に軽度の炎症が持続的に起こることが、慢性疾患の発症につながると考えられています」
つまり、
病気が慢性炎症を引き起こし、
慢性炎症が
更なる病気の原因になる
というような
サイクルが考えられます。
では、
慢性的な炎症
を避けるために、
何をすればいいのでしょうか?
一つ目は、
食べ過ぎを避ける。
「必要以上の食べ物を処理すると、体には余計な負担がかかります」(リー博士)。
二つ目は、
以下の
抗炎症効果をもつ食べ物
をたくさん食べることです。
ただし、
炎症を抑えるのに役立つ食材
については、
専門家の間でも
明確な見解というものが
まだありません。
ハーバード大学
公衆衛生大学院(HSPH)
における栄養学の権威である
フランク・フー博士によると、
「健康的な食事を摂ることが、私たちの体内の細菌叢(さいきんそう)のバクテリアの健全性を向上させ、害のあるバクテリアを減少させることが、これまでの研究によって明らかになっています」
また
「加糖飲料、精製穀物、加工肉などの食品を制限することで、慢性的な炎症状態を回避することができます」
というように、
腸内細菌なども
複雑に関係するので
個人差もかなりあるようです。
そのため、
ここでは、
かなり一般的に
言われているものを
紹介します。
1. 葉もの野菜
アリゾナ大学
統合医療センターの
創設者兼所長の
アンドリュー・ワイル博士は、
ケール、
チンゲン菜、
ブロッコリーなど、
ビタミンKが豊富で、
強力な抗炎症効果を持つ野菜
を勧めています。
例えば、
普段
ほうれん草をあまり食べない人は、
スーパーで1袋購入して、
朝、昼、晩、
すべての食事で
ほうれん草を食べること
を目標にしましょう。
2. アボカド
アボカドは
一価不飽和脂肪酸の
優れた供給源です。
つまり、
良い脂質が
たくさん含まれています。
さらに、
ビタミンC、A、E
のような抗炎症、
抗酸化物質も
含まれいて、
免疫システムの強化や
特定のがん、
心臓病のリスクを
減らす効果があります。
アボカドが
炎症に及ぼす影響
について研究した
リー博士によると、
手羽先やハンバーガー
といった炎症を起こしやすい食べ物
を食べたときに、
アボカドが
バランスを取ってくれる
そうです。
ハンバーガー屋では、
アボカドバーガーを
選びましょう。
3.ざくろ
飽和脂肪酸の次に
慢性炎症を引き起こす原因
の一つが砂糖です。
天然のざくろジュースは、
同じ量の砂糖を
含んだ水に比べて、
血糖値への影響が
はるかに少ない
そうです。
「糖分の量は同じでも、体は違う反応を見せます」(リー博士)
だからといって、
たくさん飲んで
良いわけではありません。
重要なのは、
ざくろジュースのような
自然に甘いものを
「適度に」
摂取することです。
ざくろの種には、
身体が吸収しやすい
抗酸化物質を
含んでいます。
ヨーグルトやサラダに
ザクロの種を
加えるのがおすすめです。
4. アスパラガス
アスパラガスには
抗炎症効果があります。
生野菜からは
摂取できない栄養素が
たくさんあります。
逆に
火を通すことで、
失われるビタミン
もあります。
なので、
生野菜と
熱を加えた野菜の
両方を
満遍なく食べるのが
ベストです。
5. キヌア
スーパーフード
という名前で
聞いたことがある人も
多いんじゃないでしょうか。
キヌアは
南米原産で、
必須アミノ酸を
バランス良く含んだ
雑穀です。
「繊維質の多い食事は、体内におけるC反応性蛋白のレベルを低下させることが分かっています。C反応性蛋白というのは、体内の炎症作用を引き起こす原因となるタンパク質です」(アンセル女史)
「問題は私たちの多くが、本来必要とされている量の半分も、繊維を摂れていないということです。毎回の食事の際に意識的に摂ることが、解決の鍵となります。食材1カップあたり5グラムの繊維を摂りたいところです。玄米などの繊維質の少ない穀類の代わりにキヌアを用いることで、炎症作用を抑えるのに役立ちます」(アンセル女史)
半カップのキヌアには、
約3グラムの繊維質
が含まれています。
6. 黒豆
黒豆には、
ベリー類と同じように
抗炎症性ポリフェノールが
含まれています。
さらに、
食物繊維が
半カップあたり8gも
含まれています。
食物繊維には、
コレステロール値を下げ、
血糖値を安定させ、
消化を助ける、
といった働きがあります。
黒豆を
サラダやパスタソース、スープに
足すだけで、
簡単に利用できます。
7. ベリー類
ベリー類には
食物繊維に加えて、
抗酸化物質の
アントシアニンが
豊富に含まれます。
アントシアニンは
体内の炎症を抑制して、
がんのリスクを下げてくれる
可能性が知られています。
ブルーベリーには、
カリウム、
ビタミンC、K、
マンガンなどを
豊富に含んでいます。
スムージーやヨーグルトに
加えるのが良いでしょう。
生でも冷凍でも
同じです。
オートミールに
ブルーベリーを加えて、
少しハチミツを足せば、
美味しく食べられます。
「動物を使った研究では、ブラックラズベリーが特定のがんの発生率を50%減少させることが分かった。」(ワイル博士)
8. ナッツ類
アーモンド、
カシューナッツ、
クルミ、
ピスタチオ、
ブラジルナッツなどの
ナッツ類には、
ポリフェノールという
抗酸化物質が含まれ、
炎症作用を抑制する効果
があります。
ナッツには
「食物繊維」
も豊富に含まれています。
アーモンドでは
1オンス(約28グラム)あたり、
約3.5グラムもの食物繊維が
含まれています。
さらに、
ビタミンEとマンガンも
豊富に含まれています。
一価不飽和脂肪酸
が含まれ、
こちらにも
体内の炎症を減少させる効果
があります。
ピスタチオには、
高血圧を抑える効果
があります。
2015年に行われた研究では、
パンだけを食べた場合と、
パンと一緒にピスタチオを食べた場合
の炎症効果の違い
を観察しています。
結果として、
カロリーは
ピスタチオを加えた方が多く
なりますが、
血糖値の上昇率は
より緩やかでした。
ローストして
塩味をつけた
ピスタチオではなく、
殻付きピスタチオ
を選びましょう。
天然のピスタチオは、
ローストしたピスタチオに比べて、
抗酸化物質の濃度が2倍に
なります。
9. スパイス類
ターメリック(ウコン)には、
抗炎症活性が見られる
クルクミンという成分が
多く含まれています。
ただし、
炎症性疾患の治療で
有効性を調べた
臨床試験はほとんどないので、
まだ決定的とは言えません。
「関節痛を持つ人は、ターメリックを摂ると良い。」(アンセル女史)
例えば、
炒めた野菜に
ターメリックをひと振り、
ターメリックの入った
カレーパウダーを
スープに加える、
スクランブルエッグに
ターメリックを混ぜるなど、
色々使えます。
ターメリックには
記憶力を高め、
気分を安定させる作用
も期待できる
という研究結果もあり、
確定ではありませんが、
良いことだらけなので
ぜひお試しください。
「しょうがは強力な抗炎症作用だけでなく、腸内ガスや吐き気の軽減にも役立つ。」(ワイル博士)
例えば、
今のような冬には
生姜紅茶を
飲んでみましょう。
チューブ入りのもの
で十分です。
辛い場合は、
少しハチミツを
加えてください。
10. 魚
脂の乗った魚には、
オメガ3脂肪酸が
豊富に含まれます。
オメガ3脂肪酸を
日常的に摂取することは、
心臓疾患や
高血圧、
関節痛、
うつ病などの予防
になるのは
既にご存じだと思います。
イワシは
オメガ3脂肪酸を
豊富に含む、
非常に優れた食材です。
オイルサーディン缶から
直接食べるのも良し、
パスタの具にしても良し、
トーストに載せて
デニッシュ・スタイルを
楽しむのもまた
良いでしょう。
例えば、
サーモンの切り身に
オリーブオイルを塗って、
塩こしょうをふって、
新鮮なレモンを絞ったあとに
グリルするだけです。
「サーモンがなければ、オメガ3脂肪酸がサーモンより多く含まれている銀だらでもいいでしょう。」(ワイル博士)
11. 卵白
魚以外の、
動物性の抗炎症食品
としては
卵白が挙げられます。
医学雑誌
『ニュートリエンツ』
によると、
卵白には
抗炎症を促す
免疫保護特性が
豊富に含まれている
そうです。
「とくに卵白は中性の食べ物なので、大きな炎症を引き起こすことはありません」(リー博士)
おわり