安心感について

何かを頑張ろうとできるのは、安心できる環境にあるから。
そういうことをいろんな本で目にする。確かにそうだと思う。じゃあ、どうやってその安心感というのは作り出されるのか。

優しく、怒らない叱らないことが安心感を生むのだろうか。
だけど、優しすぎる先生の学級が壊れていくのを目の当たりにしたこともある。集団が、いい集団になっていくには、リーダーには良いものはいい、ダメなものはダメと言い切れるような判断力というか、正当性みたいなものが必要だと思う。

では、厳しければ良いのか。
それも違う。リーダーは自分の権威を守るために見せしめのように叱り、罰する。叱られる人はずっと叱られるし、叱られないように一生懸命頑張れる子も、次は自分かもしれないと怯える日々を送る。

山本五十六の有名な格言?に、「やってみせ言って聞かせてさせてみてほめてやらねば人は動かじ」というものがある。
最近、改めてすごい言葉だなと思う。
安心感の源がここにあると思うからだ。

まず、やってみせるということ。
デモンストレーションだ。こういうことをやってほしい、というのが明確に伝わる。人にとって不安なときというのは「何すればいいのか分からないとき」がナンバーワンじゃないだろうか。

初めてバイトでレジに立ったとき。
初めてレストランで注文するとき。
初めて空港で飛行機に乗るとき。
どうすればいいのかというモデルを探す。
ああすればいいのか、と思って真似してみる。

そのときに、もっとこうするといい、とか、どうしてこうするのか、とかを言ってもらえると、次はそれやってみようとなる。そして、やってみたことをほめてもらえれば、さらにやる気になる。

目に見えない、立居振る舞いのルールみたいなものが、この世の中にはいっぱいあって、それが分かってくると動きやすくなる。
こんなこともわかんないの?って言わずに、一つひとつ丁寧に教えてくれる人が、安心できる人だと思う。

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