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バブル経済が残した負の遺産を語ろう

私はバブル経済による好景気を体験していない世代です。
しかし、現代社会で生きていく上で随所にバブル経済の残した歪みを感じています。
拝金主義・経済成長主義・短期利益主義・利己主義 等々
経済の破壊は社会の破壊であることを、ここでまったりと書き記していきます。

日本におけるバブル経済の経緯

日本のバブル経済は1980年代後半から1990年代初頭にかけて発生しました。以下に、その時期の経済の流れと出来事を時系列に沿ってまとめます。

  1. プラザ合意(1985年):これは、強い円に対する対策として行われた合意で、米国をはじめとする主要5カ国がドル安・円高に向けての通貨政策を協議しました。この結果、円が急速に高騰しました。

  2. 金融緩和政策(1985年 - 1986年):プラザ合意後、日本国内での経済減速が懸念されたため、日本銀行は金利を引き下げるなどの金融緩和策を取りました。この結果、大量の資金が市場に流れ、経済の活性化が図られました。

  3. 資産価格上昇(1986年 - 1991年):金利が低下し、流動性が増したことで、不動産や株式市場が急騰しました。これがいわゆる"バブル経済"の始まりです。

  4. バブル経済の頂点(1991年):不動産と株式市場の価格はこの頃がピークで、これを超える価格は実現されていません。この状況は日本経済全体に多大な影響を与え、消費や投資が増加し、豪華な生活や高級品への投資が増えました。

  5. バブルの崩壊(1991年 - 1992年):しかし、経済的な過熱は持続不可能で、1991年からバブルが崩壊し始めました。日本銀行が金利を引き上げ、不動産と株式市場が急落しました。

  6. 失われた10年(1990年代 - 2000年代初頭):バブル崩壊後、不動産価格の下落と多大な不良債権問題により、日本経済は長期にわたり停滞しました。これはしばしば「失われた10年」と呼ばれています。

  7. 金融機関の再構築(1998年以降):金融危機が深刻化したため、政府は金融機関の救済策を打ち出しました。大手銀行の合併や再編が行われ、金融システムの健全化が進みました。

以上が日本のバブル経済の概要です。バブル経済は一時的な繁栄をもたらすものの、崩壊後の経済的な影響は深刻で、その修復には長い時間が必要となりました。これは経済政策を考える上での教訓ともなっています。

このバブル経済が産んだ負の遺産を以下に記していきます。


バブル経済の負の遺産

1.過剰な拝金主義

崇めるはお金

バブル経済が産んだ行き過ぎた拝金主義は、多くの面で社会に影響を及ぼしました。

  • 物価のインフレーション:バブル経済期には、物価が急速に上昇し、一部の人々が大きな利益を得る一方で、物価上昇についていけない人々は経済的に苦しむ状況が生じます。

  • 投機的な投資行動:バブル経済期には、株価や不動産価格の上昇を見込んで投機的な投資が行われます。これにより、一部の人々は短期間で大きな利益を得る一方、バブル崩壊後に大きな損失を被るリスクもあります。

  • 社会的価値観の変化:バブル経済期には、金銭的な成功が過度に重視され、社会的地位や成功は金銭的な富によって測定される傾向があります。これにより、富を追求することが社会全体の価値観となり、教育や人間関係など、金銭的な価値が直接関わらない分野が軽視されるようになりました。

  • 不公平感の増大:バブル経済期には、富の不均等が増大し、社会的な不公平感が増大する可能性があります。特にバブル崩壊後には、この不公平感が社会的な不満が浮き彫りに理になりました。

  • 消費の過剰:バブル経済期には、富の増大に伴い、過剰な消費や贅沢な生活が広まりました。しかし、このような消費行動は持続可能ではなく、バブル崩壊後には経済的な困難を引き起こすことは想像に難くありません。

これらの現象は、バブル経済と拝金主義の行き過ぎが社会に及ぼす影響の一部です。それらは短期的な経済的繁栄をもたらす一方で、長期的な社会的な健全さにマイナスの影響を与えています。

この考え方が諸悪の根源なので、もっと深掘りしたものは後述します。

数字(お金)が何より大事!

2.不動産

不動産はバブル経済の負の遺産として語られがちです。
なぜバブル経済と不動産は結びつきやすいのでしょうか?

不動産の性質
:不動産は一般的に長期的な価値保存手段として見られ、通常、経済の成長に伴って価格が上昇します。
そのため、期待による投機的な動きが市場に現れやすく、それがバブルを引き起こす可能性があります。
不動産市場は過去の経済発展と深く結びついています。経済の発展に伴い、都市化が進行し、都市部の土地価格は上昇します。これは不動産投資を魅力的に見せる一因となります。
さらに、特定の地域や時期における歴史的な出来事(例えばオリンピックの開催や特定の政策の導入)が、不動産価格の一時的な上昇を引き起こすことがあります。
経済的繁栄の時期には、楽観的な見通しや過度の期待が広がることがあります。これらの要素は市場参加者の行動に影響を及ぼし、不動産価格の急騰を助長します。

細切れになった土地の権利

バブル経済が残した不動産負の遺産は多岐にわたります。

  • 所有者の細分化:不動産投資により、一つの土地や建物の所有者が増え、所有権が細分化することがあります。これは管理の難しさや、修繕・改築などの決定を困難にする可能性があります。また、所有者間で意見が一致しない場合、物件の最善の利用が阻害される可能性もあります。

  • 相続問題:所有者が細分化されている場合、土地の相続が複雑になることがあります。相続人が多い場合、土地の分割や所有権の移転について合意を得ることが難しくなります。また、相続税の問題も生じる可能性があります。

  • 原野商法:過度の拝金主義が引き起こす問題の一つに、原野商法があります。これは、投機的な投資家が不適切な販売手法を使用して未開発地(原野)を高価で売りつける商法を指します。原野商法は、バブル経済の最中に特に頻発します。購入者は将来の価値上昇を見込んでこれらの土地を購入することが多いが、バブルが崩壊すると、それらの土地の価値は大きく下落し、経済的な損失を被ることになる。

  • 管理の困難性:山林等土地の所有者が細分化されると、管理が非常に困難になります。所有者が多い場合、それぞれの意向をまとめることは難しく、森林の保全や管理がおろそかになることがあります。また、所有者が散在していたり、所有者が明確でない場合、適切な管理体制を作るのは一層難しくなります。

挙げ出したらきりがないのでこの辺で。

3.不当な評価人材

この記事を書くきっかけになった内容です。ぜひ若い人に読んでほしい。

ここで言う「不当な評価」とは、現代で言う不当評価とは逆であります。
本来の能力ではない、過大評価を受けたことによる認知の歪みについて、この項目では話していきたい。

2023年現在 60代前半の世代。彼らはバブル最盛期を迎えた1991年頃に20代~30代前半だった世代でしょう。この世代に若者たちは煮え湯を飲まされています。
バブル経済の時代に、多くの人々は物質的な成功を味わいました。その富と成功が、一部の人々に自己の能力や価値を過大評価させる原因となり、特に高齢者の間でその傾向が見られます。それが生じる理由の一つは、バブル経済がその人々の働いていた時期と一致し、その繁栄が彼ら自身の努力や才能の結果であると誤解しているからです。

この結果、その世代の中には、自己成長や自己改善の必要性を見失い、過去の成功に固執する人々が出ました。彼らは、自分たちが経済的成功を収めた時期が特別で、それを経験していない若者はその価値を理解できないと考えています。彼らは自己成長の必要性を見失い、過去の成功に固執し、自分たちの価値観や経験が唯一の「正しい」ものであると考えています。

※それらしい例文
「ああ、若者たちはわからない。私たちが苦労して手に入れたもの、それはただの富だけじゃない。尊厳だ、誇りだ。それを守るためには、金を使うことも厭わない。でも、これらの若者たちはそれを理解していない。彼らは短期的な成功を追い求め、手っ取り早い利益を欲しがる。我々が築き上げたものを何も考えずに使い果たしてしまう。それでも彼らは、なぜ私たちが彼らを理解できないのか、と疑問に思う。でも、我々が彼らに教えることがある。それは、苦労と成功、それらが結びついて初めて価値が出てくる、ということだ。」
特に何かをした訳でもないのに、尊大な態度を取ることができます。
すごいですね。

恐ろしい話ですが、バブル経済を謳歌した者たちが決定権を持つ側に回った場合どうなるのか?を少し書きます。

  • 政策影響:彼らは経済や政策に対して大きな影響力を持ちます。特に、バブル経済を経験した世代が政治や経済の重要な地位にいる場合、その経験や視点が政策形成に影響を及ぼす可能性があります。

  • 価値観の固定化:バブル経済期の成功体験が彼らの価値観を形成し、それが固定化する可能性があります。それは組織や社会全体の思考や行動を制限し、新しいアイデアやアプローチに対する開放性を損なう可能性があります。

  • 世代間格差の増大:バブル経済期に得られた富が一部の高齢者に集中している場合、それは世代間の富の格差を増大させる可能性があります。これは社会的な緊張を引き起こし、若者の経済的な機会を制限する可能性があります。

  • 経済的な不均等の増大:これらの人々が経済的な権力を持ち続けると、経済的な不均等が増大し、社会的な不満や緊張を引き起こす可能性があります。

  • 過去の成功への過度な焦点:彼らはしばしば過去の成功体験に固執し、それが現在や未来の問題解決に対する視野を制限する可能性があります。

これらの影響は、社会全体に対する課題となり得ます。バブル経済の恩恵を受けた世代が社会の重要な地位を占めると、その経験や視点が社会全体の方向性を形成することがわかっています。事実そうですし。

  • 就職氷河期世代の爆誕
    バブル世代の10歳ほど下の世代。2023年時点で50歳くらいの人々ですね。バブル謳歌の無能共に掻きむしられた被害者達です。
    後先考えない人たちのせいで、ここから後の世代に明るい話題はありません。南無三。
    就職氷河期世代の親達も「高度経済成長」という呪いを装備しています。
    子供にしっかりと呪いを伝授し、社会へ放とうとします。
    就職できない子どもたちを情け容赦なく攻撃し、破壊の限りを尽くしました。
    元々真面目で優しい人でも、そんな環境では人間性も変わるのは必然です。現在、就職氷河期世代ではピンキリという言葉がとても似合う人たちが跋扈しています。キリが多く、若手を攻撃して潰す気概に満ちていたり、無気力に一日を過ごしている人も多いのではないでしょうか。

彼らがしなくてはいけないことは?

バブル謳歌世代たちが本当にやらなくてはいけないことは、その経験から得られる教訓を活かして下の世代たちを成長させることではないでしょうか。
バブルの栄華を取り戻すのは間違っています。

RE:拝金主義

行き過ぎた拝金主義、つまり、金銭や物質的な富を求める行為が過度に強調される傾向は、現代社会における重要な問題であり、多くの影響を及ぼします。以下では、不動産、人口減少、そして不平等の増大という観点から、その問題を詳しく探ります。

  1. 不動産:過度の拝金主義は不動産市場に大きな影響を及ぼします。不動産はしばしば投資の対象となり、大金を稼ぐ手段と見なされます。これが市場に投機的な波を引き起こし、バブルを生む可能性があります。バブルが崩壊すると、それが経済危機を引き起こし、多くの人々が金銭的に苦しむことになります。

  2. 人口減少:過度の拝金主義は家庭形成や子育てに対する価値観に影響を与える可能性があります。金銭的な成功が重視される社会では、子育てのコストと時間的な負担が増大し、結果的に出生率が低下する可能性があります。これは長期的に人口減少を引き起こし、労働力供給の減少や経済成長の鈍化といった問題を引き起こします。

  3. 不平等の増大:過度の拝金主義は経済的な不平等を増大させる可能性があります。富を追求する社会では、富裕層と貧困層の間のギャップが広がります。富裕層は更に富を増やす手段を持つ一方で、貧困層は経済的な困難から脱出するためのリソースが限られています。これは社会的な分裂を引き起こし、社会の安定性を脅かします。

以上のように、行き過ぎた拝金主義は多くの問題を引き起こす可能性があります。これに対処するためには、社会全体での価値観の見直しや、公平な富の分配を促進する政策が必要となります。また、教育を通じて個々の人々がより多面的な価値観を持つことを奨励することも重要です。

バブル再来なるか?

現在、我々が目の当たりにしている経済状況は、不動産価格の急激な上昇、政府による強力な市場介入といった、一見、過去のバブル経済時代を彷彿とさせる要素が含まれています。
最近の不動産市場の動向は特に注目に値します。価格は急上昇し、購入者や投資家たちは資産価値の更なる増加を期待しています。しかし、この価格上昇が実体経済の成長や家計の所得増加とは乖離していることを見逃してはなりません。これは過去のバブル経済が崩壊する前兆であった特徴的な兆候の一つです。
また、政府による為替介入や金融政策の変動が経済に大きな影響を及ぼしています。これらの政策は、短期的には経済を安定させる効果がある一方で、長期的には市場の不均衡を引き起こし、バブルを生み出す土壌を作り出す可能性があります。
加えて、我々は製造業や実体経済の軽視、人口減少といった深刻な問題に直面しています。これらは、経済の持続可能な成長を阻害し、経済が過熱しやすい環境を作り出す要素です。
これら全ての要素が組み合わさると、新たなバブル経済の出現を示唆する風景が描かれます。しかし、これが必ずしもバブル経済を意味するわけではなく、我々は過去の教訓から学び、適切な対策を講じる必要があります。

国は人が作る

結局のところ、国は人が作ります。
行き過ぎた拝金主義の中で形成された人格が社会を織り成せば、そのように社会は形成されます。
現代日本国がはらんでいる問題はバブル崩壊から連なっており、未だに脱せずもがき苦しんでいるようなものであることがわかります。

視座が低く、後続を成長させる気もなく、お金にすがる虚しい生物たちを
下の世代たちは冷めた目で見ていることをお忘れなく。

贅沢ができないのは可哀想などと間違っても考えないように。
皆様はたまたまその時代に生まれて、その時代のなりに生きただけです。

後輩たちに押し付けるのはやめましょう。


以上

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