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雲海を見た話

11月の上旬に山形へ行ってきました。山形駅近くのホテルに泊まって、翌日に山寺(立石寺)へ紅葉を見に行く予定でした。ところが、翌朝、ホテルの窓から外を見てみたら、なんと!濃霧で何も見えない!

天気は前日からの快晴で、当日の朝は放射冷却により冷え込むとの予報。当日の予報は「晴」だったので一瞬驚いたものの、放射冷却により放射霧が出たのかと直ぐに気付き、急いで出発することにしました。

山形駅から仙山線(山形市と仙台市を結ぶ線)に乗り山寺駅に到着。その間、ずっと濃霧のままで駅の周りも当然の濃霧。山寺駅を出て橋を渡り、山裾の立石寺入り口へ。そこから千段の階段を登ったところに寺の奥の院があります。

階段を登って行くとちょうど高さで半分くらいのところ辺りからだんだんと霧が薄くなってきて、更に登ると空には快晴の青空、眼下には雲海が!

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「やった〜!雲海が見えるぞ!」雲海は徐々に高度を上げながらだんだんに消えていく。こんな情景を見られるとは、非常にラッキーな朝でした。

天気が良く雲の無い夜は翌朝にかけて地面の温度が下がり易く(放射冷却)、地面付近の空気が冷やされて水蒸気が結露し霧ができます。これを放射霧といいます。雲(水)は温室効果物質の一つです。従って、雲が多い夜は冷え難く、雲の無い夜は冷え易くなります。

朝、ホテルの窓から濃霧を見た時に、「放射霧は地面付近に発生する霧だから山寺の上の方までは霧が無いかもしれない!」と気付き、朝早くに出発したおかげで貴重な雲海を見ることができました。気象の勉強をしておいて良かった〜と思いました。山を降りて駅に着く頃には霧が全く無くなっていました。

山形の奥の院

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山寺の紅葉

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雲海の表層から雲が立ち昇って行く様子

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(おまけ)山形市もみじ公園の紅葉

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以上