見出し画像

「囀る鳥は羽ばたかない」8巻発売記念ヨネダコウ先生サイン会・実録レポート

このレポートは、私的な日記を兼ねています。自慢じゃないですが、物凄く暗い話が含まれます。サイン会のレポートを読みたい方は、ぜひ後半の第3章からお読みください🌸よろしくお願いします😊

第1章 サイン会を遡る~令和4年夏~


ヨネダコウ先生のサイン会が終わって2日たった。すでに些細なところの記憶もあいまいになり、あんなに鮮明だった記憶も薄れつつある。あの美しい先生の顔もずっと覚えていられるだろうか?記憶は儚い。そんな薄れゆく記憶を今の時点でできる範囲で残しておきたい。そのためのレポートとするが、サイン会を語るにあたり、その前提で私のこれまでの人生の道程を語らざるを得ない、そんな心境がある。純粋にサイン会を読みたかった人にはえらい迷惑なはずだ。そういう方は、ぜひ第3章から読んでいただきたい。



元々、あまり運がいいとは言えない人生だと思う。
15年前に3番目の子どもを亡くし、10年前に脳腫瘍の手術、3年前は最愛の母が急死、1年前は別の腫瘍の手術。
と暗い話から入るのだが、でも大好きな仕事と家族がいるから、がむしゃらに、ここ20年は走ってきた気がする。
どちらかというと辛いことの方が多かった毎日の中で、ある出来事が起きた。それは昨年の夏。激烈ファンの方々に怒られるかもしれないけれど、ふと申し込んだ紗久良さわ先生の「百と卍」5巻発売記念のWEBサイン会が当選したのだ。漫画家さんのサイン会に当選したのは初めてだった。これまで何度も申し込んできたのに、なぜ今⁉️
へ?!とビックリしたのを覚えている。あにいが好きだけど…私が当たってよいのだろうか?
そして送られてきた美しい紗久楽先生のサインに、色々これまで大変だったね、と慰められたような気がしたのだ。久しぶりの幸せ。

その数か月度、大好きな「CANIS-THE SPEKER」4巻完結記念WEBサイン会があるのを知って、紗久楽先生に背中を押されるように申し込みをしてみた。コメント欄に大好きなノブへの想いを文字数制限いっぱい、書き続けた。すると、なんと見事当選!!
そして送られてきた本には、愛を熱く語ったノブの横顔が描かれていた。ZAKK先生、コメント読んでくれたんだ…と号泣したことを今でも思い出せる。

そして年が明けた。令和5年。3度目の正直、大本命ヨネダ先生のサイン会の発表があった。世界中で愛されているヨネダコウ先生にたった数人選ばれた人だけが逢えるサイン会。最初、私はサイン会は反対だった。だって数人の人しか会えず、その他大勢の人は会えないわけだから、そんな悲しいことはない。そして、いつも運のない私が逢えるわけない…最初から諦めていた。サイン会は、新刊1冊に付き1回申し込める。1冊買っても当たる人は当たる。20冊買っても、100冊買っても当たらない人は当たらない。本当に運次第だと理解している。
自分が何冊買ったら後悔しないだろう?と考えた時、思ったのは10冊だった。10冊買って当たらなかったら、悔いはないだろう。そこで、サイン会の後半の方が競争率は低いかな?と思って、9冊を後半で申し込んだ。そして、最後の1冊を前半で申し込んだ。そして、そのサイン会のことを忘れて仕事と家庭に没頭した。

令和4年は子ども3人が全員受験生であり、また私は探偵ではないが、それに類似した事件を調査する仕事をしている。コロナ禍のここ3年は色々な事件が勃発し、事件調査の依頼が山のように同時に来ていて多忙を極めていた。私の仕事は様々なところに聞き込みや検証に行かねばならず、身体的にもメンタル的にも限界に近づいてきていたのだ。でも、コラボカフェも始まるし、もうこれでもかの囀る祭り。
運よく子どもは3人とも合格した。事件調査も、残るは1件だけになった。毎晩2,3時間の睡眠ももうすぐ終わるだろう…。
そう思っていた時、仲がいい囀る仲間から連絡が来た。
「サイン会どうだった?」
友は何冊買ったのだろうか。フォロワーさんの嘆きの声や喜びの声がTwitterから流れてきた。私は、アニメイトクラブのイベント申し込みのサイトを開いた。
『落選』『落選』『落選』『落選』
4個見たところで、友に
「落選ばっかりだよー」とLINEをした。
まあ最後まで一応開くか。
『落選』『落選』『落選』『落選』『落選』
「ふーん」
そして最後…

『当選』

その瞬間目を疑った。頭が真っ白になるというのはこういうことをいうのだろう…。

奇しくも、なんと1冊目が当選していた。後半の2番。『当選おめでとうございます!!』そう書かれていた。残りの9冊は全く意味がなかったわけだが、私はこれで運は使い切って、近いうちに寿命を迎えるのではないか、と確信してしまった。
「6月3日まで生きてるかな?私」
これが正直な感想である。

最初に買った1冊目の8巻が当たっていた。目を疑った。

自分がポジティブになるまで、えらく時間がかかった。普段から生きるか死ぬかに近いところの仕事をしているので、元々ネガティブな人間である。私が行くことの意味はなんだろうか?
何度も何度も考えた。神様が当ててくれた、その意味はなんなのだろうか。
でも、ここで最初に話に戻るのだが、私はここ10年以上キツイ人生を歩んできた。その自覚がある。そこで閃いた。これは一気にこれまでの人生の負債を帳消しにするチャンスが訪れたのかもしれない。辛かった分のご褒美が訪れたのかもしれないと。もしくは、死期が近いのかもしれないとw
死期が近いはまあ置いといて、これまでの人生のマイナスをチャラにするチャンスならば、全力でチャンスに挑むべきだ!!とやっと前向きになれたのである。

3月に入り、コラボカフェが始まり、初日にいつもチケット運の良い囀る仲間(この方の運の良さは尋常じゃない。映画の時の舞台挨拶も彼女のおかげで私はヨネダ先生に逢えた)が取ってくれて、行くことができた。
思えば、私にはとても素敵な囀る仲間がいる。とても才能に溢れていて、自分の置かれた環境の中でイキイキと暮らしている彼女たち。彼女たちに今ではどんな時も助けられ、癒されてきた。
そんな仲間たちとコラボカフェで何回も逢うことがことができた。年度末、そして新年度、また新規の仕事は山盛り入ってきて、暗くはなったが、なんとか仲間と矢代さん百目鬼くんのおかげで、立ち向かうことができた。

私が百目鬼くんに惚れたのは、1巻の矢代さんとの会話の中で「いっそ殺してやればよかった」と呟いた瞬間でした。4年間の矯正教育が全く効いていない、この台詞。この深い怒りの強さ、重く恨む激しさ。そんなところに惚れたのだ。百目鬼くんへの溢れる熱い情熱はどう表現したら良いのだろうか。

コラボカフェが終わり、とうとうサイン会が近づき、私はまず、Tシャツを作ることを考えた。囀る仲間にも、家族にも「ドーメキドーメキ五月蠅い!!」と言われるほどの百目鬼モンペ。これをアピールするのに、Tシャツがいいだろう。視覚的な作戦である。
すぐさま発注することにする。そのTシャツがこれである。

囀る仲間がデザインしてくれた2枚のTシャツ。右はその友人が当日着ていた。

囀る仲間のセンスのいい友人がデザインしてくれたTシャツ。百目鬼くんだけだと寂しいので、矢代さんの分まで作る。デザインしてくれた友人が当日パンケーキ屋さんで着て待っていてくれた。

それからしたことは、ヨネダ先生の著作の読み直しと、インタビュー記事をひたすら読みまくること。私の仕事は元々、調査検証分析である。まずはその対象者のデータを解析することから始めるのが鉄則。これはどんなことにも通じる、重要な姿勢である。

私が大好きなのはもちろん百目鬼くんだけれど、その他の作品でいうと、「どうしても触れたくない」の嶋くん、そして本当に大好きなのはヨネダ先生がアマチュア時代に二次漫画を描いていた、「家庭教師ヒットマン REBRON!」の雲雀恭弥なのである。雲雀へのヨネダ先生の萌えは凄まじい。私は原作を読んでいないから、ヨネダ先生の描かれた雲雀が私にとっての雲雀であり、全てである。皆様もお手に取ってみていただきたいくらいである。そこで、雲雀がしている、腕章を模して、「百目鬼担」という腕章を手作りすることにした。それがこちらである。

手作り感満載。雲雀がしていた腕章通り、赤地に黄色い文字。

その後は「囀る鳥は羽ばたかない」を舐めるように読み、ヨネダ先生のインタビュー、二次漫画を読み、そしてとうとう5月31日、囀る52話を読むことになる。

52話…中々辛い内容だった…でも想定内と言うか、ここでラブラブになるわけがない。でもこの回でさらに私の百目鬼愛は深まってしまうのだ。
とにかく彼は健気だ。一途で健気で、心が綺麗な人だと。

明けて6月1日。とうとう明後日はサイン会。サイン会は30秒話せるのか?私は聞きたいことが聞けるのか?プチパニックに陥り、頭の中がぐるぐると不安に混乱を極めていた。
そう言えば、昨日囀る仲間に「質問を団扇に書いていこうかな…」とポっと呟いた時に
「そうだ、そうだ!100均に団扇売っているよ!」
と言うので、団扇を買うことにした。
不器用な私がまず作ったのはこれである。

最初作った団扇。当日緊張して喋れないかも、と作ったけれど、後で作り直した。

この団扇は私の52話の感想である。誰が文句を言おうと、私の想いは私のもの。これでいいのだ。

そして迎えた6月2日。この日は台風が来ていて、物凄い風で、職場でも緊急アラートが鳴りっぱなしで、子どもの学校からも迎えに来いコールが来て、結局仕事は早退して、嵐の中帰宅した。でも私は安心していた。今日酷い嵐ならば、明日は絶対晴れて大丈夫だろうと。JRは優秀だから、絶対明日交通事情は良好である、とのん気に構えていたのだった。

第2章 サイン会当日~アニメイトに辿り着くまで~

朝4時半に目が覚める。夜23時には寝たはずだが、眠りが浅いのか、目覚ましより早く起きてしまう。5時になったら、JRから運行情報が発表されるはずである。昨日、持っていくTシャツ、腕章、名札、質問用の団扇、プレゼント、ファンレター、サインをしてもらう8巻等を荷造りをしていた。そんな荷物もう一度確認をする。
そして5時になった。JRの発表を見ると、
「新幹線の運休のお知らせ」だった。昼過ぎに運行再開を目指す、と書かれていた。
私は東海地方の、ある小さい都市に住んでいる。もちろん東京に行くにはいつもならば新幹線、または東名高速道路を経て車で東京に行く、この2択だ。東名高速の状況を見ると「通行止め」である。絶望感が私を襲った。そしてもちろん在来線の東海道線も運休だ。
でも…どうにかして東京に行かなくてはならない。どうしても…
その時目を引いたのは、熱海からの東海道線は平常運転、と書かれた文字だった。
そうか…神奈川県に入れば、東京に行けるんだ。
じゃあ、熱海まで行けばいい。
そこからは、火が付いたように用意をして、自家用車に乗り込んだ。

作戦としてはこうだ。熱海に行くためには、箱根の峠を越えなくてはいけない。でも雨風がまだ残っている中で、運転の下手な私がアップダウンの激しい峠を越えられるはずがない。じゃあどうすれば…
あ!そうだ、ギリギリ箱根の山の麓まで自家用車で行き、乗り捨ててTAXIに乗ればいいのだ、と。
そこで、出発前にコンビニで5万円を下した。5万あれば、いくらなんでも峠を越えられるだろう。そして、国道1号線をひたすら東京方面に向かって車を飛ばし始めた。

新幹線も高速道路も通行止めになっている…そのため、トラックも自家用車も唯一残っている国道1号線に集まって渋滞している。
6時半に自宅を出発したが、県境までに約2時間近くかかってしまった。風が強い中、駐車場に自家用車を止めて、TAXIを探す。その駅もTAXIを待つ客であふれかえっていた。
だが、運よく10分くらいでTAXIがやってくる。
「熱海まで行ってくれませんか?」
と乗り込んで私が言うと、ドライバーはしばらく黙り込んだ。
「箱根峠も通行止めになったよ。…そうとう危険な道だけど、いいかい?」
唯一神奈川に入れる裏道があるらしく、そこを行ってくれるという。
「万札ありますから、大丈夫!行ってください!!」

そこからの道は、なんて表現したら良いのかわからない。物凄いカーブと傾斜。細い道。なのに関東に入れる唯一の道になっているので、デカいトラックも突っ込んでくる。…私では確実に事故していました、はい。プロの偉大さに感嘆しました。

そしてとうとう熱海に着いた!!TAXIに乗って90分。1万円以内でなんとか済んだ。
熱海は観光客でごった返していたが、在来線は熱海が始発なので誰も乗っていない…。私は倒れこむように各駅列車に乗り込んだ。
これで東京に行ける…

熱海で各駅列車に乗り込んで、ちょっとだけ泣きそうになった。

熱海から3時間。途中小田原で、湘南新宿ライン特別快速に乗り込む。この電車はな、なんと!池袋直通なんですよ💛もう泣くわ。
ここで泥のように眠ろうとするが、中々寝付けなく、結局目を瞑るだけで段々キリキリ胃が痛くなってきた。
だが池袋に着いてドアが開こうとしたその瞬間、突然電源が落ちた。
「パンタグラフの異常が感知されました。乗客の皆様はそのままお待ちください」
えええー目の前、池袋の看板あるけど?!

電源が落ちたから、冷房も切れて車内は暑苦しくなってきた。10分近く待たされ、暑いせいか赤ちゃんまで泣きだす。
私も泣きたい気分だよ。だって池袋に着いたのに電車から出れないってなんの罰ゲーム?!

そしてその後、プラットフォームに着くことができました!!

電源が切れて、暑い電車内から、この看板をずっと眺めていた…

そしてやっと着いたアニメイト!!

到着は12時46分。自宅を6時半に出て、6時間ほどかかったことになる。

アニメイト池袋本店の近くにTOHOシネマズがあり、そこの1階に「egg」という美味しいパンケーキ屋さんがある。以前囀る仲間と一緒に食べてお気に入りのお店になったので、そこで仲間と合流することになった。

今回私の囀る仲間の中で、サイン会に当たったのは3人。一人は都内近郊の子で前半なので、もう12時半には集合でいない。私は後半の2番なので、14時半集合。もう一人はなんと関西の友人。多分新幹線の再開を待って、震える想いで頑張っているに違いないが、私もその子のことを心配する余裕はなかったので、彼女のことは他の仲間がフォローしているはずだった。

今回のサイン会、仲間内の3人の当選者のために応援に3人の仲間が来てくれた。その中の2人とひとまずパンケーキを頼んで昼食を食べる。
私は4時半に起きてから、緊張して実は白湯しか飲んでいない。やはり少し食べておくか…と一番小さなパンケーキを頼んだが…実際パンケーキを目の前にして、食べられなくなってしまった。
いつも大食いの私が「食べられない」という姿に仲間も驚愕しているが、仕方がない。緊張で食べられないのだから…。
優しい仲間が結局私の分のパンケーキを食べてくれる。
そして、池袋に来るだけで必死で化粧もしてなかった私にトイレで仲間がアイシャドウを塗ってくれる。ありがとうありがとう…

しばらく待つと、前半のサイン会参加者の仲間が戻ってくる。
「あああーん!何にも話せなかった💦」
と最初の一番がソレだった。

彼女が帰ってきて、14時20分。私が行く番だ。この日のために用意した、いで立ちと、痛バックを肩に背負い、いざアニメイトに!!

とにかく、時間ないし、ヨネダ先生が見てすぐわかるような、外見にしたかった。


おなじみアンジェラの痛バック。絶対ヨネダ先生に見せるんだ!!

第3章 サイン会✨

アニメイト池袋本店1階の右側のエレベーター前。こちらのエレベーターで昇る。

エレベーターで7階まで行って、そこから9階まで徒歩で昇っていく。もちろんだが、9階までにはスタッフが立っていて、当選者しか通してくれない。14時半集合で、受付に行くとまあまあの人数が並んでいる。身分証を見せると、広いイベント会場に誘導される。
広い会場に、綺麗に10席を5列、50人分の椅子が用意されている。
私は2番だったので、一番前の列の右から2番目に座る。

イベント会場は、録音撮影禁止と言われたので、何も撮影はできない。集中力を途切れさせたくないので、携帯の電源は落とす。
目の前にヨネダ先生がサインするテーブルがある。花に囲まれて、ペンや水、8巻が数冊積み上げられている。先生のテーブルの後ろには、贈られてきたお花が華やかに飾られている。一瞬大好きな英田サキ先生のお名前が見える。以前、遠野春日先生のサイン会に行った時にも英田先生からのお花があった。本当に優しくて気の付く先生だな、と少し緊張がほぐれる。

囀る仲間17人で贈った花がなんと、先生のテーブルの一番近くに飾られている。白い胡蝶蘭と紫の胡蝶蘭。お店の開店祝い風の感じがナイスチョイスで、仲間のセンスの良さに感動する。

吸って吐いて、吸って吐いて…深呼吸。いや、出産じゃないんだけどwもう緊張で心臓がばくばくする…。周りも、8巻と渡すプレゼントを手にただ黙っている。私も自分の書いたファンレター、仲間からの手紙、プレゼント、そして大事な団扇を手に握りしめ、ひたすら深呼吸。

とうとう時間になり、アニメイトの司会のお姉さんから注意事項の説明。…ごめんなさい、頭に入りません…。ただ、プレゼントやファンレターは手渡しができる、ということだけ理解した。

「それでは、ヨネダコウ先生です!!」
黒いカーテンから、ヨネダ先生が現れた!!!

ぐおおおおおーーーーー
眩しい!!女神か?う、美しい!!!
皆さんも見たと思いますが、クリーム色のブラウスに黒のロングタイトスカート。髪の毛は明るいブラウン。クリーム色のブラウスと顔の色が合っていて、うっすら玉子みたいなつるんとしたベージュの肌✨
美しすぎる~~✨

ごめんなさい💦サイン会終わってすぐに描いたイラスト。下手だけど雰囲気伝われば…

映画の舞台挨拶の時よりも、落ち着いた色香。マダム感がマシマシ。外ハネの髪型がお人形さんみたい💛パッと見は、やっぱり…矢代さんに似ている。

ヨ:天気が悪い中、お越しいただきありがとうございます…

…ごめんなさい…挨拶してくださりましたが、もう頭ぶっ飛んで何を言ってくれたのか、忘れてしまいました…しかしながら、われらを労う言葉だったと思います。

ヨネダ先生の挨拶のあと、先生の前には衝立が置かれる。話は漏れてしまうけれど、姿は見えない。そして、サイン会ってこういうものなのかな…われらの椅子はない。立ってヨネダ先生と話さなくてはならないらしい。

「では1番の方、どうぞ」
と最初の人が衝立に入っていく。
「2番の人」
と私が呼ばれる。
「あの、バックは椅子に置いておいてもいいですよ?」
とスタッフさんに言われるけれど

私:このバック、先生に見せたいので!!
とバックをぎゅっと握りしめる。
すると、スタッフさんは少し笑ってくれた。
「では2番の方」
とうとう、私の番だ!!!

衝立の向こうには、先生とスタッフさん5人がいた。

多分スタッフさんは5人。ヨネダ先生だけ座っていて、後は全員立っていた。

衝立から中に入った途端、全員から笑われる。あ、きっとこの恰好かな?
スタッフさんは全員オール黒の恰好をしている。

私:(Tシャツを少し持ち上げて)これ、サイン会のために作りました!!
ヨ:凄いですね
小さく笑ってくれる。
ヨネダ先生の横にいるスタッフさんも笑ってくれる。すぐ横にいる方が、サインをする本を受け取ってくれる。その時、私の名札を見て

ヨ:どアンジェラ…
と呟いてくれる。

まずは52話の感想を言わねば!と思い、団扇を見せる。


作り直した団扇。私の52話の感想です。

これを見た途端、またスタッフは笑ったが、一人ヨネダ先生だけが…
ヨ:百目鬼が『綺麗』に見えるんですね…
と低い声で呟く。

え?綺麗だとマズいのかな…不満げ?いや「違う」と思っているのだろうか?綺麗は矢代さんじゃないと言ってはダメなのかな…

私:私には百目鬼くんが綺麗に見えるんです

その後、ヨネダ先生は何も言わなかった。でもめげずに、会話を続ける。

私:百目鬼くんと嶋くんが好きですが、カテキョーヒットマンの雲雀も大好きです!2次で申し訳ないですが、今でも読んでいます。
ヨ:懐かし~…雲雀…いいですよね(小声)
私:この腕章も、雲雀がしていた腕章の真似をして作りました!
ヨ:ええ~そうなんだ笑

ここの時点で、てきぱきと、隣にいるスタッフさんがスタンプ渡したり、手際よく動いてくれる。今回のスタンプは大きい。あとで計ったら、7cm四方のスタンプ。

ぐいぐい、ヨネダ先生が押してくれた。デカい。

その後、どうしても聞きたかった質問をする。

これ以外の質問が思いつかなかったし、これさえ聞ければいいと思っていた。

私は元々は国文学科の大学を出ていて、本が昔から大好きで、ヨネダ先生は色々なインタビューで好きな映画やアニメ、漫画などの話は出てくるものの、好きな作家の名前は出てこない…どうしても知りたい。もう2度とヨネダ先生に逢えないのだから、これだけ知りたいと熱望していたのだ。

隣にいるスタッフさんは「先生~質問、どうですか?」と促してくれたものの、
ヨ:ええ~私最近本読んでなくて…うーんうーん。小説ですか?
私:いえ、なんでもいいです。昔好きだった本でも
ヨ:BLですか?
私:本当に何でもいいです…

ヨネダ先生を悩ませてしまった…あわあわ…あ、考えてもらっている間に、ファンレターやプレゼント渡さないと!!
手に持っていたクリアケースから、手紙と仲間から預かった、プレゼントを手渡す。

徹夜してフラフラになりながら作っていた仲間。激烈可愛い!!

ぬいぐるみを手にとり
ヨ:うわああ
と呟く。
私:このお花(白い胡蝶蘭、紫の胡蝶蘭)を送ったグループの子からです。
ぬいぐるみ、手紙を渡す。
ヨ:皆さんによろしくお伝えください。
私:はい!!

その時、ヨネダ先生と親し気な隣のスタッフさんが、私の痛バックを目にして、笑いだす。
私:コラボカフェも17回入りました!名古屋も大阪も行きました!!

バッジがいっぱいの痛バックをヨネダ先生に見せると爆笑しながら

ヨ:今日一番の強火だ!笑
私:え?私がですか?
ヨ:そうそう。他にこんな人いなかった笑
と笑い続けてくれるので、もう一つの、黒の百目鬼くんオンリーバックを見せる。

この金色のイラカがめっちゃ大好き!自慢のバックです💛

私:このバックは、今年のJ庭で、英田サキ先生に見せて、触ってもらったんです💛「どーめきー」と言ってもらいました😊

すると突然
ヨ:あ、英田先先生だ!好きな作家!!英田先生好きです。
と話してくれる。いやいや、英田先生と仲良しなのは知ってますよおお

私:あ、英田先生ですね…他にはどうですか?(ねばる)
ヨ:うーん…あ、木原先生!英田先生と木原先生💛
ヨネダ先生は、とてもやり切った感の晴れ晴れとした表情。
これ以上聞いても無理かな…
で、つい私が
私:木原先生、怖いですよね…
と小さく呟くと
ヨ:怖い…怖い、ですよね…
とヨネダ先生も小さく返してくれました。

怖い、と私が表現したのは、先生が怖いのではなく、書かれている内容のエグさというもので、多分それをヨネダ先生は理解してくれたと思う。でも私の怖がるものは、きっとヨネダ先生はへっちゃらなのだと思う。

ううう、じゃあ英田先生はエスとかダブルバインドが好きなのか聞きたい!!と聞こうとした途端、隣のスタッフさんに
「話が盛り上がっているところ悪いですが、そろそろお時間です」
とにこやかに時間オーバーを告げられました…。

こう文字に起こすと、結構な時間だったような気もしますが、たぶん2分程度だったと思います。

終章 考察

ひとまず、やり切った感はあります。

①好きな作家さんを聞けた。本当に思い浮かばなかったのかもしれない…困らせて申し訳なかったけれど。最近本を読んでいないこともわかった。

②「今日一番の強火」認定された🙌Tシャツ、腕章、名札、団扇、痛バック✨✨全て用意していって良かった!!感動です…
特に質問を団扇に書いていったのは良かったと思います💛

③百目鬼の事を「綺麗」と言ったことに関して、どうしてヨネダ先生があんなに反応したのか…
考えられることとして、百目鬼は綺麗じゃない、綺麗は矢代さんで、百目鬼は可愛い枠?
もしくは、綺麗に見える人がいるんだ…という純粋な驚き
またはヨネダ先生も本当は綺麗、と思っている??
あの時のヨネダ先生の低い声がいまだに耳に残っています。

あと最後に好きな作品を聞けたらなあ…との後悔もありますが、それは贅沢かな、と思います。
多分、生涯もう2度と逢うこともないだろう、ヨネダコウ先生。
ありがとうございました。至福の時間でした。一生の思い出にしたいと思います。

ヨネダ先生に愛をこめて
どアンジェラ🌸




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?