メイボンサバト・瞑想日記 9.23.2021
昼と夜が等しい日。
ちっぽけなわたしたちがただ呼吸をして、小さなことを大きなことだと悩みながら、下にあるものは上にあるものだと気づかずに、のうのうと生きている。
わたしは数十年そこらしか生きてないが、それだけでも人の裏腹をみていると嫌になる。
よくまあ主は、人を信じられるなあ。本質から逸れ黄金の牛を作って崇拝し、同じことを繰り返し学習しない人々はまた自民党を支持するのかな、と思いながら。
わたしは祭壇の前で己を振り返る。
祈りとは自己内省と感謝だと思っているから。
メイボンの祭壇の前では、自分がいかに無力で無知であることを知った。
わたしはもっと謙虚に探求すべきだ。
それが魔術に関することでもそうでなくても、周り巡って繋がる、それがほんとうの知恵であると、そう感じだ。
逆を言えば、魔術書だけ読んでもしかたがない。
教養があって理解し、生活の中に落とし込むためには生活の基盤がなければ。
などとどうでもいい思考をしながら、意識は深みへ誘われる。
瞑想の中では、わたしはエメラルドグリーンの沼地にいた。
呼吸が可能なその水は、気泡をもつエメラルドそのものだ。
たとえるなら、メロンソーダの中に沈んだように、水底からぷくぷくと気泡が浮き出、わたしはそれを面白がっていつまでも観察し続けるのだった。
下方を見、いままさに気泡が飛び出たかと思えば、それはうねりながら上昇し、わたしの身体を弄びながら軌跡を残し、水面の方へ昇っていく。
光の梯子は定かに見えず、それはただ翠を薄くした葡萄石のようだった。
白いブラウスを着た少年が、その沼を泳いでいる。
それはまるで人魚のような神聖さをもっており、透き通ったエメラルドによく映えた。わたしは後を追おうとすると、彼はそれに気付き、わたしの手を取り奥へと導いた。
気泡の生まれる場所は、水底にぽっかりと空いたドーナツ状の穴で、その中はエメラルドがいっそう濃いように思えた。なにより水底のほうが煌めいており、わたしは思わず目を細めたほどだ。
「あの中へ飛び込もう」
彼はそう言って、空の鳥よりも、海の魚よりも速いスピードでわたしを引っ張って潜る。
キラキラ
キラキラ
わたしは手を伸ばし、そのきらきらしたものを掴んでやろうと思った。
それは小さな金平糖のようなかんらん石だった。口に含むと、甘くて、苦い。シャリっと音を立てて口の中で溶けた。
かんらん石を食べることができたという喜びに感動していると、あたりはいつの間にか星空になっていた。
少年が言うには、ここはへびつかい座のあたりらしい。
大きな蛇はわたしを睨みながら、竜との闘いの話を聞かせ、この夜空でいちばん大きいその竜が憎いと言った。
しかし蛇は大昔の神であるので、「神様でも人を憎むのですか?」とわたしは尋ねた。
すると蛇は「愛があるなら憎みもする。あるいは神は無関心なのかもしれない」と答えた。
そのとき、少年は涙を浮かべ、わたしを抱きしめた。
するとわたしは最初にいたエメラルドの沼の中にいて、またひとりで気泡を数えているのだった。
気が付くと、現実の世界では小一時間ほどしか経っていないようだった。
あちらの世界では何日も経過したかのような感覚、移動距離で、少しばかり疲れた。
少し休んでから動くとしよう。
そしてわたしは祭壇の火を消し、眠った。
メモ
・四拍呼吸
・ホットコーヒーにカモミールティンクチャーを少し
・メイボンサバトのパンを少し
・お香はフランキンセンス
・オイルはメイボン
・音楽なし
・体温36,6度 生理1日目(ロキソニン飲む)
・儀式は15時開始