きっちりやる夢分析もいいが紙一重でどうでもいい夢分析も面白い話
夢とは意味があったりなかったりするものである。
わたしは夢日記をつけるのが習慣になっているが、これは意味深だと思うものもあれば、馬鹿馬鹿しいものまで様々だ。
一時期、夢について研究していた頃は、あれやこれやと意味を考えていたものだが最近はそれもやめた。
夢とは得てしてわからないもの、わたしたちの意識を超えて理解できないものであると悟ったからだ。
そう悟らせるに至った、実に馬鹿馬鹿しい夢をご紹介しよう。
舞台は学校。
わたしの夢ではよくある学校。
しかし今の年齢で学校にいるという設定なのだ。
学校のあの勉強机に椅子。
そこにわたしの家族が全員いる。
なんやかんやとワイワイ喋っている。
こういったトンデモ設定も夢あるあるだ。
わたしはふと、自分の頭に違和感を感じる。
おでこ付近に丸くて大きなたんこぶができているのだ。
どこかにぶつけたわけではない。
突如現れる大きなたんこぶ。
痛みはないが、ニキビとかイボのように、凸っているものは取りたくなるのが人間だ。
何度か触ってみるも硬くて取れそうにない。
それどころか、これは皮膚なのか?
本当に頭皮にできたたんこぶなのか?
それにしてはつるつるとして、冷たい感触がある。
家族に聞いても、普段となんら変わりないと言う。
諦めて鏡を見た私は驚愕する。
「は?」
ボタン…
そう、ボタンなのだ!
たんこぶだと思っていたのは、ボタンだったのだ。
尚更必至に取りたいという恥ずかしい気持ちと、このボタンはなんのためについていて、いつ押すんだという疑問が交錯した。
漫画のように手をわたわたさせながら、不思議なボタンは、まるでパトカーのランプのようにうねり始めた。
推しのライブだったら便利な機能かもしれないが、残念ながらここは学校。
超迷惑なボタンを必至に手で覆いながら、引っ張っても叩いてもびくともしない。
そんな格闘と笑いを始終繰り広げながら夢から覚めた。
このような意味不明な夢から覚めた時、「現実がまともで良かった」と心から思うのだ。ルイス・キャロルのように破茶滅茶な夢も好物だが、どうしようもない夢も紙一重であるものだ。
無理やり意味をこじつけるなら、幼少期に抱いた内側の恐れていたものがさらけ出されて焦るとか。そんなところだろう。
クイズ番組で見慣れたボタン型ランプにも似ていたので、知性とか、そういう恐れのような感じもする。
でもそんな正統派の夢分析よりも、たんこぶだと思ってたのにボタンだったという夢の中のわたしのボキャブラリーの方が面白い。
面白ければきっといい夢に違いない。
夢分析をしている方がいらっしゃったら、もしかするとこのように適当なところでオチをつけるのも悪くないと思う。
すべては深層心理のやりたいように流すべき。意識の我らが何を考えても、彼らはその斜め上を行くのだから。
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