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メイボン(秋分・第二収穫祭)サバト儀式のやり方と蜜猫的考察。

メイボン。9月22日、または23日の秋分の日に行われる、収穫祭。8月のルーナサ(第一収穫祭)に引き続き秋の豊作を祝う第二収穫祭として、世界各地にあるだいじな祭りだ。今回はこの季節行事を儀式化した魔女のメイボンのサバトについて、わたしが実際にやって感じたことや、気付いた点を深堀りしたいと思う。

昔は狩猟や農耕を営む者(自然信仰者)にとって、メイボンはなくてはならないものであり、呼び方は違えど様々な地域で「秋祭り」「収穫祭」「謝肉祭」「秋分祭」として現代に残っている。その特徴をはじめに挙げておく。

1)「春分」「秋分」は一対、特にだいじな行事

春分・秋分は、昼夜の長さが等しくなる日だ。昔からこの日は特別なものとして考えられてきた。
オスタラの春分とメイボンの秋分は、種まきと収穫を表すことから農耕者や狩猟民族にとっては特に重要視された祭りだ。収穫祭や謝肉祭がそれである。
魔女や魔術結社などは、春分と秋分に関する儀式は必ず行った。おおまかには、季節の流れに沿って生きることを美徳とし、春は「作物が育つように」、秋は「冬を無事に越せるように」との祈願が多い。
日本ではこの頃に「お彼岸」というかたちで先祖に祈る風習がある。このように少しずつ内容は違えど、世界各地に春分と秋分の区切りを祝う行事が残っている。

2)作物の生育に感謝し、冬の備えをする

ルーナサ(第一収穫祭)では、初めに採れた作物を大地に撒いたり(還元)、祭壇に供物として備えたが、実はメイボンでも似たようなことを行う。
日本では稲穂を神に捧げたり(地域によっては神事になる)、新米を神棚やお仏壇にお供えするだろう。また、そうして主食となる米を神に捧げるのは、この後の厳しい冬に備えるという意味もある。日本のような山間の冬は自然が厳しく飢えに苦しんだからだ。作物も育たないし狩漁も大変だ。
昔のヨーロッパではこの時期に、村人が一致団結して狩りを行い、しとめた大物をみんなで干物や燻製に加工し、均等に家々に分配した。私たちはこの日を境に、冬に備える準備をするのである。

メイボンサバトをやってみた

サバトの意義としては上述の通りだが、現代は冬の到来により飢えに苦しむことはなくなった。どこへ行っても、お金さえあれば空腹にならずに済む。十分な食糧を供給できるシステムを構築した人間の素晴らしさである(そのために引き換えにした代償は大きいのだが、ここでは触れないでおこう)。

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