【進撃の巨人】ハンジさんを想う


※以下、進撃の巨人最新話(132話)のネタバレをめちゃくちゃ含みます。


最もらしいことを言ったりしてますが、ただハンジさんが好きなだけの個人的な長文語りです。全部個人の意見です。




ハンジさんが亡くなって2日、改めて私はハンジさんのどこが好きだったんだろう、ハンジさんの魅力は何だろうって考えてました。
ハンジさん女性派なので、同性でありながら何にここまで惹きつけられるのだろうと…


カップリング的にはモブリットとの組み合わせが好きなのですが私にとってはあくまでサブ的要素で、ハンジさんという人間が好きだったんですよね…(モブリットが起こしてあげる所は泣きました、白夜との繋がりを考えると…)
 
ハンジさんが性別不明なのは、今更言うまでもないですが性別フィルターを取っ払って見てもらうためなんでしょうね。
男でも女でもそれ以外でも性別を与えられたキャタクターを見る時、どんなに排除しようとしても性別フィルターは排除しきれないと思います。それは別に仕方ないことです。


元々女性の予定だったみたいなので(ネーム時の「山田花子」等を考えると)、当初からの意図ではないのでしょうが、ハンジさんからは出来る限り性別フィルターを排除したかったんでしょうね。。
男でも女でもなく、1人の人間としての個性や人生を魅せたかったのかな。。


ハンジさんが亡くなった今振り返ると、ハンジさんの人生は本当に男でも女でも関係ないと思えます。私は女性派ですが男性だとしても何も変わらないでしょうね。
 
私はハンジさんに女性の固定観念を当てはめたくない(例えば104期にとって母のような存在、と言われるとちょっと抵抗があります)のですが、
それと同時に、男でも女でも関係ないからこそ、女性である方が輝くキャラクターだったとも思います。


人は男だろうと女だろうとそれ以外だろうと、多かれ少なかれ性別の固定概念に囚われて生きざるを得ません。


私は別にフェミニストでも何でもないし男が女がと言うつもりは毛頭ないのですが、
ハンジさんが男性であった場合、魅力的であれこそすれ、そこまで意外性のないキャラクターだなと率直に思ってしまいます。


女性が性別という概念を取っ払ってあそこまで型破りでワイルドに生きるからこそ、同性として強く憧れます。現代社会においてあの生き方はなかなか出来ません。


勿論型破りなだけはなく聡明で、マッドサイエンティストな暴走オタクのようでありながら倫理観は地に足がついており、人類への分け隔て無い優しさや強い正義感、真っ当な恐怖心やチャーミングさを持つからこそ愛すべきキャラだと思います。
 
そしてマーレ編以降、それまでの生き方が通用しなくなり、困難を突破するための具体案を出せず挫折感に苦しむという、ある程度の年齢以降の人間なら誰もが味わう感情に猛烈に共感してしまいます。
それでもがむしゃらに諦めない姿勢に、また新たな憧れを抱きます。


確かに最後まで代案を出すことが出来ず、無策のまま理想論のみで突っ走った感はあると思います。エレンがこうなった原因の一端であることは否めません。
(ただ過酷なタイミングでトップの順番が来てしまい、本来の性質的に向いていたとは言えない重すぎる使命と向き合い、逃げ出さなかったことは評価してもらいたいです。)


その不完全さ、どうにもならなさもまた魅力だと思ってしまうのは推しの贔屓目かもしれません。でも最後まで決して諦めなかった、その生き方は絶対的に支持したいです。

私が最初にハンジさんを好きになったのはニック司祭にブチ切れた時です。
それまで9割くらい奇行種キャラとしか思ってなかったハンジさんが、こんなにも熱い正義感を持ち、人類のために怒れる人だったのだというギャップにやられたのです。
ハンジさんはギャップの塊です。

そして彼女の最も魅力的なギャップとは、自分には到底出来ないような型破りさへの「憧れ」と、誰もが味わう挫折感の苦悩・苦しみへの「共感」を同時に抱かせてくれることだと思います。

彼女の魅力の真髄はマーレ編以降にこそあると思っています。


性別の話に戻りますが。


ミカサを後ろから抱き締めた所で私は女性だと確信したのですが、今の多様な価値観で考えると、少女の気持ちに限りなく寄り添える男性であったとしても成り立つ場面だと気づきました。
(余談ですがコードギアスのカノンという男性キャラクターが少女に同じようなハグをしてたのを思い出しました。ちょっとニュアンスは違うと思いますが)


エレンに対する「エッチ!」とかも同性同士のジョークでもおかしくはありません。


モブリットがサネスの手からハンジさんを守った所も、ときめくのと同時にこれは女性だ!と思いましたが、まぁ同性でもありえなくはありません。

リヴァイへの「いっそこのまま2人で~」もすごく女性的に見えましたが、これも同性でもありえなくありません。


私もまた性別フィルターに囚われていたんだなと。(というか、性別不明設定にすることで逆に性別フィルター発動してしまってる面もあるかも?)


とはいえハンジさんの性格も態度も喋り方等その他全て女性であることの根拠にはならないし、男でも女でもハンジさんは全く何も変わらない。


その上で女性であって欲しい、型に嵌らない理想の同性でいてほしいというのが私の気持ちですね…
 


なんて意識高い系のことを書きましたが、ハンジさんかっこいい!かわいい!美しい!愛しい!優しい!怖い!大好き!という感じでずっと見てました。


自分の正義を信じながら、他の正義を否定しない所が好きでした。

エレンのこともフロックのことも恨まないし嫌わないところが好きでした。

オニャンコポン初め壁外人類との対話を諦めず、取り込んで仲良くなれるところが好きでした。

巨人とさえ理解し合おうとする姿勢が好きでした。


アニと手を振って別れられるところが好きでした。(ここは本当にすごいと思いました。部下を直接殺されたからか目を合わせていないリヴァイの方がずっと理解できます)
 
今回ハンジさん推しではない人も多くがショックを受けていたようで、それはすごく嬉しいです。
最近は苦悩が多かったとはいえ基本的にエネルギッシュでワイルドなキャラクターのイメージが強いですし、あのハンジさんが!?という部分があったのでしょうね…


104期とオニャンコポンが泣いてくれて(リヴァイも包帯に隠れて泣いていた可能性あり?どちらにせよ心では泣いてたはず)、誰目線って感じですがありがとう…と思いました。


超大型巨人相手に燃え尽きるまで戦ったアルミンに、超大型巨人相手に燃え尽きるまで戦ったハンジがバトンを渡すのにも因果を感じてしまいます。
あの時選ばなかったアルミンを今度は選んだのですね…
 


そしてハンジさんの行動についてですが。


展開に賛否あるかもしれませんが、ハンジさんはあの状況では最善の選択をしたと思います。
巨人組は当然除外され、あの怪我で超大型巨人を足止めできるとも思えないのでリヴァイも除外。

特攻するのは他の104期でも良かったのでは?と思うかもしれませんが
104期生は自分よりもエレンに対して影響力がある、そう思ったんだと思います。
そしておそらくこれは事実です。
エレンにとって1番大切なのは104期の仲間であることも、ハンジさんがエレンに影響を与えられなかったことも、事実です。


だからハンジさんは104期生をエレンの所に行かせることに命を懸けたんでしょう。
切ないけどそれは合理的な判断でした。
(勿論エレンにとってハンジさんが大切でないわけではありません、優先順位の問題です)



書くときりがないのでこの辺にしておきます…
 
本誌を読んだとき、フロックが出てきた辺りからずっと嫌な予感がして、まさかまさかと思いながら駆け足で最後まで読みました。


進撃は今まで心を抉るようなあまりに辛く苦しい展開が多く(前回の話もトップレベルのしんどさでした)、それでも泣いたことはなかったのですが、今回初めて「うぅぅ」と声を出して泣きました。


展開の是非、死後の世界の描写に関する考察などは他の方に任せます。
本音を言えば絶対的に死んでほしくなかったのですが、それでもこの残酷な物語の中でトップレベルに優遇された花道だったと思いますのでそこは心から感謝したいです。
 
ハンジさんありがとうございました。
まだ悲しみから抜け出せませんが、いつかあなたの人生を祝福できますように。

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