見出し画像

#010 投資マンションの勧誘電話に逆勧誘?したお話し

もう10年以上前だと思うのですが、携帯にかかってきた投資マンションの勧誘電話を受けた時のお話しです。

「優良企業」にお勤めの方の名簿に

ある日、自分の携帯電話に東京からだったと思うのですが固定電話の電話番号から電話がかかってきました。

今でこそスマホに発信元名が表示されたり迷惑電話リストから警告が出たりしますが、当時はようやく相手の電話番号が表示されるようになった頃。(今は当たり前ですが一昔前のアナログ携帯や固定電話では出るまで相手が誰かわからなかったものです…)

電話に出てみると、相手は全く知らない「○○株式会社の新入社員の○○と申します」という若い女性の声。
しばらく相手をして話を聞くと、首都圏に投資向けのマンションを買わないかという勧誘だったんですね。

まぁ経済的にそんな余裕なんて無いし、いつもなら「必要ありません!」と切るところ。
(ちなみにこういう電話に丁寧語の「結構です」と答えるのはNGです。例えば「商品をお送りしたいのですが?」と言われて「結構です」と答えたら、「(送ってもらって)結構です」だと送りつけられてくるといった手口に引っかかる事も…)

皆さんも受けた経験があると思うんですが、こういう不動産とかの勧誘電話をかけてくる相手って、給料のために自分を押し殺して働いているからなのか、日頃から「迷惑だ!」とクレームを当たり前のように受けているからなのか、その人の感情とか理性なんか失ってしまったような感じでかけてきませんか?

話し方や説明がこちらの話も聞かずに原稿を読み上げているみたいに機械的だったり、何度断ってもしつこくかけてきて苦情を言っても謝らないとか、返事も形だけで馴れ馴れしいのに感情がないような、まるで自動音声と会話している感じ。(笑)

でもこの時は何となく雰囲気が違ったので、少しだけ話の相手をしてみました。

おそらくコールセンターみたいな所からかけているようで、電話の向こうでザワザワといろんな人が電話をしている様子も伝わってきました。
そこでまずはこちらの携帯番号をどうやって知ったのかを聞いてみました。

実はちょうど某大手企業の顧客名簿流出があったからか、こういう勧誘電話が良くかかってきてたんですね。(^^;

すると帰ってきたのは「優良企業にお勤めの方の名簿からかけています」という返事でした…。(職場が優良企業なのかと言われると疑問ですが(笑))

まさかの「そうですよね…」という返事

そこで今度は「それってこういう勧誘の電話を受けるために登録している名簿じゃないですよね?」と聞いてみたのですが、返ってきたのは言い訳や反論ではなくて少し戸惑った様子の「はい…」といった返事。

ちょっと意地悪かなとも思ったのですが、次に私は電話の向こうの彼女にこう質問してみました。
「1回限りの通販とかと違って、マンションってローンとか修理とか保険とかで買った会社にずっと先までお世話にならないといけない大きな買い物じゃない?もし貴方だったらこういう失礼な方法で電話をかけてくるような会社から買おうと思う?」

すると返ってきたのは、まさかの「そうですよね…」という返事でした。

実は勧誘の電話を受けた最初から、相手の声や話し方に不馴れな初々しさというか、何となく迷いみたいなものを感じていたんです。

そこで私はこう話してみました。
「こういう勧誘の電話をかけてくる人って、大体普通は相手の話も聞かなかったり感情も出さずに一方的な話ししかしないんだけど、今話していて感じたのは、まだ貴方の心には素直さが残っていると思うんだよね。」
「もしかしたらせっかく見つけたお仕事かもしれないけど、貴方みたいな人にはもっと向いているお仕事があるんじゃないかな?」と。

最後は「ありがとうございました!」の明るい声

相手の女性はしばらく黙って聞いていたのですが、その後に彼女から返ってきたのは、急に明るくなった元気な声で「ありがとうございました!機会がありましたら○○株式会社をよろしくお願いします。」との返事でした。

正社員だったのかパートやアルバイトなのかはわからないけど、毎日いろんな相手に勧誘の電話をかけていたものの、一方的に切られたり迷惑だとクレームを受けたりして、自分の良心とかに引っ掛かり続けていた何かが外れたんじゃないかな?って雰囲気を感じました。

時々勧誘やセールスの電話とかがかかってくると、あの時の彼女は今はどうしてるのかな?別の仕事を見つけて元気に頑張っているのかな?なんて考えることがあります…。

いいなと思ったら応援しよう!