読んだ本のメモ【2024.9】
9月に読んだ本の記録です。
朝井リョウ『世にも奇妙な君物語』
まさしく筆者版の『世にも奇妙な物語』といえる短編集。自由な世界観の中、シンプルでわかりやすく楽しめるオチのある短編が揃っていて、楽しんで読むことができた。
一穂ミチ『ツミデミック』
背景にコロナウイルスのパンデミックがある物語が6編楽しめる一穂ミチさんの短編集。罪×パンデミックがテーマになっているからか不気味な雰囲気のお話が多いものの、純粋に怖いと感じる編があったり、最後には温かい気持ちになる編もあったりと、各編での雰囲気の違いが大きくて1冊での満足感が高いと感じる。
小川洋子『博士の愛した数式』
80分しか記憶を維持することができない数学博士と、その家政婦として働く私、その息子の「ルート」の交流を描いた作品。
小川さんの作品は以前に『密やかな結晶』と『猫を抱いて像と泳ぐ』を読んでいたけれど、いずれも「ないこと」「失うこと」「忘れること」のような、いつかは避けることが難しい事柄の綺麗で透き通るような側面と残酷で切ない側面の両方を見ることができ、今の世界を素直に受け入れやすくなると感じる。
坂木司『ショートケーキ。』
ショートケーキにまつわる短編が5つ書かれる短編集。優しいと思える物語が続き、最後まで素直に読んで温かい気持ちになれる気がする。前の編での登場人物の出来事や言葉が以降の編で大きな意味を持つ、みたいな繋がりがあって、多角的に登場人物を見ることができるのが面白かった。
住野よる『この気持ちもいつか忘れる』
異世界の女の子と不思議な出会いをして、主人公が恋愛感情を抱くファンタジーチックな恋愛小説。と思ったけど、実は恋愛小説ではないのかもしれない。読んでいて違和感のある描写が多く、伏線が回収されるものもあれば明示されないものもあって、筆者がどういう意図なのか気になるところ。
杉井光『世界でいちばん透きとおった物語』
主人公が小説家であった父親の遺稿を探し、『世界でいちばん透きとおった物語』とは何かを明らかにする物語。非常に凝っていると感じる部分があって、小説を読んでいて珍しいタイプの面白さや美しさを感じる。
辻村深月『琥珀の夏』
カルト的集団の<ミライの学校>と、その影響を受けて育つ子どもを描いた物語。序盤の描写が結構辛くて、一度読むのをやめてしまったくらい。かなり重めに感じるけれど、重めだからこそしっかり受け止められるような感じ。
辻村深月『オーダーメイド殺人クラブ』
中学2年生の女子生徒、小林アンがクラスの男子生徒と過去に例がないような殺人事件を作り上げる…という物語。中学生という若い時期での人間関係の拗れやグロ要素のある描写も多めにあって、こちらも重めというか人を選ぶ感じはした。読んでちょっと若くなったというか、中学生くらいの頃の感性を思い出すような感覚。
凪良ゆう『流浪の月』
この作品は感想とか書くのなんだか難しく感じる…
思うようにいかないとき、周りに理解されないときに、望むように生きるにはどうしたらいいんだろうな、とか考えちゃう。
森博嗣『お金の減らし方』
お金をどう使うのか?ということについての筆者の考えに触れられる本。「欲しいもの買う、必要なものは買わない」とすぐには理解しがたいようなことが大切だというが、読み進めると不思議と納得できる。
お金の話から続いて「どうやって満足して生きるか」ということについても考えさせられ、自分が夢中になれるようなものを早くに認識できていたら嬉しいなと思った。
終わり(日記?)
9月はMTGではアリーナCSの予選抜けられたり、遊びたかったTRPGを初めて遊ぶことができたりと趣味関連で嬉しいこと多かった。新しい生活習慣にも慣れてきて、なんだか順調と感じる。
ちょっとした悩みとしては、本屋に足を運びにくいこと。気軽にいこうと思える距離の本屋が限られていて、まとめて5冊くらい買おうとすると新しく読みたいもの見つけるのにやや時間がかかる。
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