読んだ本のメモ【2024.6】

 6月に読んだ本の記録です。


伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』

 外界から遮断された荻島という島で起こる事件を明らかにする、ミステリーのような、ファンタジーのような独特の世界観が魅力の作品。「どうしてこんな舞台設定になったんだろう?」と思いながら不思議なまま読み終えた。よくわからなくてもいいのかもしれない。


一穂ミチ『光のとこにいてね』

 小学2年生の時に団地で出会った結珠(ゆず)と果遠(かのん)。2人の関係は友人や親友といった言葉では表しにくいものだけれど、透き通って眩しい魅力的な関係だと思えた。途中で読み終えてしまうのが勿体なく感じて読み進めるのを躊躇してしまった。


小川洋子『密やかな結晶』

 主人公の住む島では突然に何かが消滅し、人々はそれらを忘れてしまう。人々は消滅を当たり前のこととして受け入れて生活しているのだが、日々何かが消滅して島の空洞が広がっていく。
 ファンタジックな設定だと最初は感じていたけれど、何かを忘れるということを考えたとき、現実と比べても連続か不連続かという違いしかないとも思った。


辻村深月『スロウハイツの神様』

 「スロウハイツ」というアパートで共同生活をし、刺激を与えあうクリエイター達の物語。登場人物から拘りのようなものを感じて、カッコいいな…と思いながら読み進め、下巻に差し掛かってからの展開は特にのめり込む様に読んだ。辻村さんの作品をこれまでに読んでいたのもあるけれど、本作を読んでいて物語の力強さを信じたいと思える。


森博嗣 Wシリーズ

 森博嗣先生の作品の中でもよく知られる『すべてがFになる』から、100年以上未来の世界を描くシリーズ。「人間とは何か、生きているとはどういうことか」という哲学的なテーマを、著者の力を借りて考えられるのが魅力的に思えた。

 本のタイトルも凄くかっこよくてなんだか惹かれる。後半は百年シリーズとの繋がりが多く描かれるようになり、併せて読むのが良かったと思う。

『彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone?』

『魔法の色を知っているか?  What Color is the Magic?』

『風は青海を渡るのか? The Wind Across Qinghai Lake?』

『デボラ、眠っているのか? Deborah, Are You Sleeping?』

『私たちは生きているのか? Are We Under the Biofeedback?』

『青白く輝く月を見たか? Did the Moon Shed a Pale Light?』

『ペガサスの解は虚栄か? Did Pegasus Answer the Vanity?』

『血か、死か、無か? Is It Blood, Death or Null?』

『天空の矢はどこへ? Where is the Sky Arrow?』

『人間のように泣いたのか? Did She Cry Humanly?』


終わりに

 今月はちょうどよくWシリーズを全て読み終えられて良かった。続きのWWシリーズも気になるものの、まだ未完なので一気に読むことはできず悩ましい。

 喫茶店で甘いもの食べて、紅茶飲んで、本も読んで、みたいな余暇の過ごし方いいな~と思ったので、甘いもの食べる頻度が増えたと思う。健康面であんまり負担になってないことに期待。


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