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『ベストプラクティス』なんて幻想

ども、黒田です。
今回のnoteは自分の備忘的な内容がメインです(短いです)。

スタートアップに所属していると、リード獲得が進まない、良い人を採用できない、営業が思うように立ち上がらない、どんな組織にもどんづまる時があります。そんな時、迫ってくるのが「他の会社どうやってるんだろ?」というベストプラクティスの誘惑です。

コンサル時代もVC時代も他の会社で上手くいっている事例を調べまくっていた身ながら、
自戒の意味も込めて、なぜ他社で上手くいっていることを参照することに意味がないのかを書いていきます。

「ベストプラクティス」の前提

ベストプラクティスを探す時、発想としてはこんな感じ。
- 今よりももっと上手くやる方法はないか?
- まだやっていない施策はないか?

施策の改善と施策の幅出し

ただ、こういう発想をする裏側には、とある前提があります。他社でうまくいっているものを上手に選んで実行すれば自社でもうまくいくだろうという前提です。

「ベストプラクティス」の前提

ただ、残念なことに、他社でも自社でも上手くいく「ベストプラクティス」というものは、実際は存在しません。幻想です。

真似してはいけない・競ってはいけない

自由競争の世界は、ほとんどの場面で、ゼロサムゲームです。誰かが勝てば別の誰かが負けます。あるいは全員横並びで負けることもあります。

例えば、SEOやリスティング広告。
「商談解析」と検索する人のボリュームは元々決まっているわけです。検索結果の中で、一番上に表示されたA社をクリックしたら、その下に表示されたB社はその機会を失います。「勝ち」を争う以上、両方がハッピーになる結末は存在しません。

B社はA社の真似をして勝てばいいんじゃないかって?A社のやり方を真似して、ちょっと改良を加えてA社に勝てば、それはB社にとってベストプラクティスがワークしたってことなんじゃないかと、そういう見方もあるかもしれません。ただ、遅かれ早かれそれはまたA社に真似されることになります。そしてまたそれをB社が真似して、次はA社が…と。リスティングであればクリック単価がどんどん上がっていくし、SEOであればお互いの貴重なリソースをいたちごっこに終始させることになります。そうして、みんなが「ベストプラクティス」だと思っていたものは、いつの間にか割に合わない「誰得施策」に変貌を遂げます

「ベストプラクティス」の罠

営業や採用、資金調達、プロダクト作りにおいても同様に、競争原理が働く領域においては他社の真似事をしても差別化にはなりません。いたちごっこに陥り、誰も幸せにならない結末を迎えます。

行動が情報を生む

やらないといけないのは、自分たちなりのユニークな施策を積み上げること。他社で上手くいっていることを焼き直すことではありません。

自分たちの手でクリエイティブなことをやる必要

そして、クリエイティブなことをやるためにはとにかく動いて情報を集めるしかありません。

アクションすれば、データが生まれます。正解が何かわからない世界では、とにかくリソース最適ではなくフロー最適を追求すること。短いスパンでアクションを繰り返し、返ってきた反応をもとに軌道修正しながら次のアクションを打つこと。

だからこそ、スタートアップの世界では、アクションの量とスピードが桁違いの会社が勝つのです。高速に手探りしながら、他社が追随できないユニークな解を見つけること。これをやり切った会社が勝つ世界です。

amptalkにも「BE THE ROLE MODEL」というバリューがあります。他社の真似をするのではなく、真似される組織になろうという考え方。引き続き、自分たちの頭と手足でやっていくぞ。

終わり。


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