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【ネタバレ注意】ウマ娘プリティーダービーSeason 2 第2話【感想記事】

第2話「譲れないから!」

 トレーナと共に病院へ診察にいくトウカイテイオー。そこでテイオーの左足が折れており全治六ヶ月、レース復帰は来年の春頃だと医師に告げられる。

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 やだやだテイオーがカワイイ。足にいきなり痛み止めを注射する医者もどうなのと思うが、テイオーの絶叫を聞けたので良しとします。

 菊花賞に出ることを諦めないテイオー。トレーナーも彼女の熱意をうけとめ復帰プランを練ることになる。トレーナーはこの作品でちゃんと一緒に成長しているところが良いよね。彼女たちと一緒に努力して成長するスピカトレーナー。この作品は彼女たちウマ娘とトレーナーの二人三脚の物語でもあると思うよ。

 骨折後にテイオーはチームスピカのところへ戻ってきます。このとき、トレーナーがテイオー復帰プランをちゃんと作ってくれています。テイオーの無敗三冠を見たいのはトレーナーも同じということでしょう。

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 ピースサインをするテイオー。これが第一話の2冠達成時のピースに重なり、少し切なくなるんすよ…。結局、3本目が掲げられることはありませんでしたけど……。

 この作品のテイオーは最初から最後までピースをしています。意図的なのか偶然かは分かりませんが、個人的にテイオーにはピースサインが似合いますね。

 菊花賞でレースに復帰すると伝えるトウカイテイオーと、彼女が諦めない限り支えるとチームメンバーに言うトレーナーの関係が本当に良いなと思う。ただ一つ「ギリギリまで粘り、それでもドクターストップがかかったら諦める」という約束をします。

復帰プランスタート

 菊花賞までの復帰トレーニングが始まります。このとき、シンボリルドルフが遠くからテイオーを見ているのが良きポイントですね。親のように頑張る我が子の成長を見守る、会長マジ参観馬。ルドルフがここからは自分との戦いになると、テイオーを陰ながら応援しています。

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 復帰トレーニングの一つにイメージトレーニングをテイオーがしているんですけど、2話の時点でテイオーは勝つイメージをハッキリと持っています。今すぐ走っても勝ってしまうという自信が感じ取れます。

 そしてチームのみんなから優しさを沢山受け取るんですよね。これはつまりテイオーがみんなにシンボリルドルフ以来“無敗三冠ウマ娘”達成の夢を見せ、代わりにチームのみんなから温かい応援と愛情をもらっているという構図なのかなと思います。

 それからテイオーはスペちゃんがスマホで繋いで、スズカと連絡を取ります。彼女は一期で足を骨折し、そのあとレース復帰をした準主人公でしたから、怪我の先輩のような存在ですね。彼女からリハビリのことやレースの研究を進められ、テイオーは図書室で座学に励みます。

ナイスネイチャの心境の変化

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 そんな彼女の姿を見たのがみんな大好きナイスネイチャさんですよ。彼女はテイオーとレースで走りたいと思い、チームカノープスのトレーナーに菊花賞に出たいと告げるんですよ。

 ここが彼女の心境の変化といいますか、怪我をしても諦めないテイオーと、怪我をしてレースを諦めてしまった前回の自分を比較してしまったのかもしれないですね。彼女もまたテイオー復活を夢見るファンの一人であり、内心ライバル視している影の主役です。この二話からなんですが、ナイスネイチャの成長も今後楽しみにさせてくれるほんとに良い作品です。

 怪我したテイオーが頑張っているんだから、自分も頑張ろうと思うわけですよ。ほんと根は情熱を秘めている努力っ子だ。おじさんそういうのに弱い…。

ザックリしすぎるメジロ家お抱えチーム

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 テイオーがそれからマックイーンに連れられ、メジロ家の豪邸へ行くんですが、そこでキャラの説明がザックリ過ぎて、むしろ潔さを感じましたね。おまけにメジロ家お抱えの主治医さんは今後も登場するキャラになろうとは思っても見ませんでしたよ。そして本日二度目の注射を受け絶叫するテイオー。

 足のギプスも取れて、徐々に回復へ向かうテイオー。スピカチームメンバーたちの走る姿を見ながら、テイオーも厳しいリハビリを続けていく。こんな頑張ってる子を見るとどうしても推したくなるよホンマ。

 季節は過ぎて9月になります。しかしこの時点でテイオーはまだグランドを走れていません。本人は表に出しませんが内心、焦りが分かりますね。

カノープス新メンバー「イクノディクタス」

 ナイスネイチャと食堂で一緒になったとき調子を尋ねられ、順調と答えるテイオー。そして三連勝中のナイスネイチャ。前回1話と真逆の立場になっていますね。

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 そして2話目で登場するのが「イクノディクタス」
 生涯51戦のレースに出て怪我をしなかったので、ついたあだ名が「鉄の女」。怪我の多かったテイオーと怪我をしなかったイクノというまた正反対なキャラが登場します。

 このチームカノープスの面々はトウカイテイオーと対照的なキャラが集められているように個人的には思います。中々主役になれないナイスネイチャや、怪我をしなかったイクノディクタス、そして怪我で不運に見舞われGIを何度も回避したマチカネタンホイザのような個性的なメンツです。そしてツインターボ師匠からはネバーギブアップという不屈の魂をもらいます。

 ナイスネイチャが密かな野心家だというのもこの食事シーンで分かります。イクノディクタスの口から「カノープスは学園1のチームになるとネイチャさんが仰ったんです」というセリフがあり、ネイチャが野心を秘めているのがこのシーンで分かります。

 ウマ娘は本当にキャラクターの補足がうまい作品です。各キャラクターには勿論元ネタがいるんですけど、いざアニメキャラに落とし込むとなると、どんな立ち位置で何を目標に動いてるキャラなのか設定を盛り込まなければいけない。今回のようにナイスネイチャの語られない内面をイクノディクタスがセリフでサラッということで、視聴者にナイスネイチャが実は熱いキャラなんだと分かるわけです。

 また食事シーンも大事な要素ですね。食事を共にすることで、信頼関係をある程度見えやすくしているんですよ。1話の時からテイオーはナイスネイチャと食事をしているんですが、これはテイオーがネイチャと仲が良いんだと視覚情報で伝えているんですね。

 そしてナイスネイチャ本人の口から「アンタに勝つのが夢だから」と告げられ、彼女の作中での目標が設定されるわけです。

 ネイチャの宣言にうんと答えるも、机の下で拳を握り、怪我した左足を映すほんのワンシーンなんですが、前回のネイチャが右足を怪我していることの対比のシーンなんだと思いました。

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 1話のネイチャの手のひらは開いていますが、反対にテイオーの足には影が刺し、拳が握られてる。これは思う以上に足の回復が良くなく、菊花賞に出れないかもしれないというプレッシャーと緊張を感じているように見えました。

 テイオーもネイチャも大変な努力家、頑張り屋ですが、苦しい姿とかを対戦相手にはなるべく見せない、実はちょっと見栄っ張りのようなところも似ているなと思いました。

近付く菊花賞

 包帯もギプスも取れ、少し走れるようになってもまだまだ元の状態には戻っていない。一人でしょんぼりとチームの元へ戻るんですが、そんな彼女の後ろ姿が切ない…(泣)

 部室に入るとスピカのみんながテイオーのためにスペシャルドリンクを開発しているんですが、とっさにテイオーは喜ぶんですけど、本当は弱いところを見せないよう努めているように見えてしょうが無いです…。初めての焦りを感じながらも気丈に振る舞う。かつてシンボリルドルフに誓った、強くてカッコイイウマ娘になるのが目標ですもんね。自分の言葉に縛られている以上、弱いところを彼女自身みせることが出来ないんですよ…。
 もうここから正直見るのが辛かったです。

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 10月になりテイオーは一人で診察へ向かいます。おそらくこれは自分でも薄々出走は無理だと思っての行動でしょう。テイオーは落ち着いた様子ですが、終始無言なのは今の自分の気持をどう処理したらいいか分からないのかなと思いました。夢を諦めなくちゃいけない。そんな場面に初めて直面し、彼女自身戸惑っているのでしょう。

 ライバルのメジロマックイーンは天皇賞(秋)へ出走するし、菊花賞も近づいている。テイオーがしょんぼりとするシーンはほぼ決まって、夕日が指すんですよね。日が沈む自然現象を、テイオーの沈む気持ちと重ねているんでしょうかね?

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 ↑上のシーンですがテイオーがおもむろに歩道を走り車に追い抜かれています。制限速度のある車すら追い越せないんだと思わせる場面ですかね。(まぁウマ娘が歩道を全力で走ったら大事故に繋がりかねないでしょうけど;)

 夜になり、テイオーは一人トレーナーのもとへ向かいます。そこでテイオーは夜になっても黙々と頑張り続けるトレーナーの姿を目にするんです。菊花賞への出走届けにテイオーの名前が書かれており、トレーナーはテイオーが走ることを諦めていないんですね。それにテイオーは医者に止められたらレースに出ないという約束を告げるんですよ。

 ここはね、もう心が痛くなるちょっと残酷なシーンでした。一番レースに出たいのはトウカイテイオーなんです、それが現実的ではないと自分自身に言い聞かせているように見えて、視聴中うるっと来てしまいました。

 テイオーが初めて味わう挫折です。彼女は感情的にならず、極めて冷静に振るまおうとしています。むしろ諦めようとしていないのがトレーナーなんです。テイオーが無敗の三冠ウマ娘になること。これが彼の夢でもあるわけです。しかし、このときテイオーは全力で走れないのに、無理やり菊花賞に出て、全力のみんなと戦うなんてボクには出来ないと告げるんですよ。
 これはねテイオーの本音が半分あるでしょうけど、建前のように感じるんですよね。冷静にトレーナーと自分自身を説得しているように感じました。

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 ↑上のシーンでも彼女はすぐに笑顔を作るんです。トレーナーは落ち込み俯くんですが、彼女だけは笑って見せる。本心を隠すんですよ。彼女の癖ですね。

 そしてテイオーを無敗の三冠ウマ娘にしてやれなかった、トレーナーの挫折でもあるんですね。

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 そしてテイオーはお願いして、トレーナーに菊花賞へ連れて行って貰います。やはりどこかでまだ未練があるんだなと。これは彼女自身のけじめだなと思う。三冠ウマ娘の夢を諦める。それをちゃんとやらないと次へ行けないんですよ。ちゃんと向き合えるテイオーは芯の強いウマ娘です。

 レースが始まる前、トレーナーが何かおごると言うと、テイオーは喜んで沢山注文しました。一人にしてと遠回しに告げているんです。それを察してなのかトレーナーも買い出しに行きます。

 同じく会場にいるシンボリルドルフがグラスワンダーに問われます。
「声…かけないんですか?」
「必要ない。テイオーはこんなところで止まるウマ娘じゃないさ…」
「本当はかける言葉が見つからないのではありませんか?」
「手厳しいな…」

 静かに謝るグラスワンダーにルドルフは「その通りだ」と肯定します。しかしここで安易に声をかけるのは良くないとルドルフは判断したのでしょう。ルドルフもまた敗北を経験して一流へ成り上がったウマ娘です。ここで挫けず、這い上がってくる今後のテイオーに期待をかけているんですね。

 出走前に解説がテイオーの無敗三冠が見たかったというセリフがあるんですが、これは当時のファンや、このウマ娘世界のテイオーファンたちの代弁ですね。

ついに始まる菊花賞

 とうとうトウカイテイオーの菊花賞出走は叶わぬまま、レースが始まってしまいます。
 テイオーはリハビリ訓練で培ったイメージトレーニングで、自分が走る姿をイメージします。自分ならここにつくとか、隣にはダービーで競ったあの子がいて、後ろにはネイチャがいると。ここまできてもテイオーはまだ出走を諦めていないんですよ。これがテイオーの本音でしょう。口では菊花賞に出走できないと言っているんですが、本当は諦めきれないんですよ。そりゃそうだよな……。

 レースを見ながらテイオーは俯き涙を流したとき、思わず自分ももらい泣きしちゃいました。しかし、ここで彼女はレースを全力で走る他の子たちを見るんですね。

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「言わせない!言わせない!言わせない!言わせない! テイオーが出ていればなんて絶対に言わせない!」

 間違いなく名シーンであり、ナイスネイチャの見せ場です。最初、彼女のセリフを聞いた時、間違いなく影の主人公であると、そしてこれは2話の時点でもう名作だと確信しましたね。

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 テイオーは大きな声で思いの丈をぶつけるように「行けー! 走れー!」と叫びます。これはレース中のウマ娘へ向けて言っているように見えますが、個人的にはテイオーが自分自身へも向けて言っている、叱咤激励しているシーンに見えました。なぜなら彼女のこの叫びに主語がないんですね。不特定多数に叫んでいるんですけど、その中にはおそらく足を止め挫けそうになっている自分へも叫んでいる、そんなシーンに見えるんですね。この感情的にテイオーが叫ぶシーンがあるからこそ、本心をぶちまけることが出来ました。

 そしてこの感情的になり、涙流すシーンがあるからこそ、見ている視聴者も彼女を応援しようと思える。本当に簡単に諦めてしまったのか、テイオーの本音が中々見えない。でも、テイオーが叫ぶことで彼女の気持ちが見えるんですよ。

 そしてレース後。テイオーは再び元気を取り戻します。その後、トレーナーがワザと遅れて戻ってきます。強がって弱い部分を見せようとしないテイオーを気遣ってのことです。ちゃんと距離がおけるトレーナーさんの大人な部分が見て取れますね。

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 テイオーは帰りの車内で次の夢を定めます。無敗のウマ娘になることです。新たな目標へ向けてトレーナーと再び二人三脚頑張っていくんですね。

 2話の時点でもう神回でした。正直お腹いっぱいですよ。なんど心のなかで「テイオー‼‼‼(泣)」と叫んだことか。ここまでの構成も脚本もほんとにすごいなと、すでに約束された勝利のコンテンツなんだなと思わせます。

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