阪急電車(有川浩)
とてもほっと落ち着ける本を読んでみたい。
そう思って、本屋をぶらぶらしていたら目に止まったのがこの「阪急電車」です。
本のタイトルを見た時、2〜3年前に初めて関西に旅行しに行った時に、梅田に行こうとして、宝塚に間違えて行ってしまった記憶が蘇りました。
待ち合わせをしていたにも関わらず遅れてしまったあの時も良い思い出です。
そんな懐かしい記憶が蘇ったので読んでみようかなと思いつつ、新書で買うにはちょっとお財布が厳しかったので、古本屋へ。
近所の古本屋で店員さんに探してもらうも、最初はお目当の本が見つかりません。
帰ろうとしたところ、
「お客様、一冊残っておりました」
と店員さんに声をかけてもらい、やっと手に入れることができました。
わざわざ声をかけてもらい、びっくりしました。
偶然だけど必然を感じてしまったのは僕の気持ちが少しロマンチストなだけです(笑)
読んでみるととても今、読みたい本にぴったりな内容でした。
内容を簡単に説明しますと、梅田から宝塚へ向かう阪急電車の今津線を舞台に、様々な人の人間ドラマが錯綜するとても心温まるストーリーが魅力的な物語です。
僕がとても印象に残ったのは、社会人にもなって、「絹」も読めない彼氏と高校生でちょっと大人びたえっちゃんのカップルが後半に紡ぐ話がとても好きで、女性目線だったらきっとこんな彼氏がいたら素敵だろうなと思いました。(男性目線だと、僕はそのシーンでこの彼氏みたいなことは果たして言えるのかなあと随分、考えさせられました。)
その他にも、とても優しいけれど孫には厳しいおばあちゃんやその孫、図書館で本を取り合っていた女の子と付き合う男の子、彼氏に裏切られてしまい、討ち入りに行った帰りの女性などいろいろな状況を持った人物が登場し、その人物が出会い出会って繋がって行くことでまた次の人も自分の人生が豊かになっていく、そんな心温まるストーリーです。
感想はとても下手で、もっともっと好きな部分はたくさんあるのですが、あとはきっとネタバレになってしまうので書きません。久々に本の感想を書いてみたいと思わせる素敵な一冊でした。