#2 第一章「そばと増税対策は、のばさずに」

嫌だけれど、やらないわけにはいかない増税&軽減税率対策、その上、同じタイミングで、やってくるキャッシュレス化の波。蕎麦屋のご主人は、どう「整えて」いくのでしょうか。

黒い診断士:お久しぶりです~ 
去年はいつもおいしい蕎麦をありがとうございました。おかげさまで、晴れて診断士になれたのでご挨拶に来ました~

蕎麦屋:おー 久しぶり!
去年頑張ってたもんね、受かったんだねぇ、おめでとさん!
お祝いに🍺一杯サービスするよ。

黒い診断士:それはラッキー、じゃ遠慮なく
(シュポン シュワワー トクトクトク ゴクゴクゴク プハァ)いやぁ、うまいっすねぇ。ってあんまり飲んじゃうと、酔っちゃうから、このくらいにして、と。どうです、最近。儲かっていますか~?

蕎麦屋:いやぁ、それがさぁ、ここんところ、商工会から、増税とか軽減税率で、レジ変えた方がいいとか、キャッシュレスにした方がいいとか言われるわけよ。インバウンド制度だかなんだか知らないけど、そういうのも対応しないとですよ~、とか言われるんだけど、よくわかんないし、税込表示にして8%のままにしようかって、かみさんとも話してんだよ。お客さんに逃げられたくないしね…。外税にして、細かい釣り銭とかのやり取りも面倒だしさぁ。

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黒い診断士:ひゃー!ご主人それは、戦わずしての負け戦ですよ!というか、そもそもインバウンド制度じゃなくてインボイス制度ですけどね。ま、それは後にして、ホントにそんなことしたら、むしろ客は逃げちゃいますよ

蕎麦屋:は? だって、8%のままにしてるんだからお客さんのためでしょ

黒い診断士:気持ちはわかりますよ。でもいいですか、三つの問題があるんですよ。

蕎麦屋:問題?

黒い診断士:そうです。まず第一に、8%のままにするのは、もちろん営業努力ですから、構わないわけですが、一方で、仕入時と販売時それぞれで、二つの税率を、記録する必要はあるんですよね。どのみち、手間は今まで以上かかってしまいますよねぇ。更に、更にですよ、二つ目の問題は、課税事業者登録しないと、消費税をお客さんからいただくこともできないわ、仕入税額控除もできなくなっちゃうわ、の踏んだり蹴ったりになるんですよ。

蕎麦屋:お客さんからは8%いただくわけだから、2%分負担するってことでいいんじゃないの?

黒い診断士:そもそも、免税事業者のままでいたら、消費税いただくことができなくなってしまうんですよ。

蕎麦屋:えー!それじゃ、今のまま免税事業者でいるのは、まずいってこと?

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黒い診断士:とてもまずいですねぇ、のびた蕎麦くらい、まずいですねぇ。

蕎麦屋:なにうまいこと、言ってんだい。いいからどうすりゃいいかを教えてちょうだいよ。

黒い診断士:まずですね、インボイス制度になって一番影響を受けるのは、ご主人のところのような現在免税事業者なんですよ。もちろん免税事業者のままでいることはできるんですが、そうすると不都合が起きるんです。その辺りは下のポイントその①と②を見てください。

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蕎麦屋:なんだい、その不都合ってのは?

黒い診断士:まぁ、しばらくはインボイス制度も段階的に進みますから、すぐにはってわけでないんですが、最終的には上のポイントその③にあるように、免税事業者は仕入税額控除ができなくて、消費税をお客さんからいただけないから、とっても実入りが減っちゃうわけです。

蕎麦屋:・・・

黒い診断士:なので、今後は課税事業者になって、インボイス制度に対応した会計処理をするのがいいんじゃないかって思うんですよ。

蕎麦屋:うーん、課税事業者にならないとまずそうってのはわかったけど、インボイス制度に合わるのに、どうすればいいのよ?面倒なことはできないよ俺たち。

黒い診断士:そのために、軽減税率対策補助金があるんですよ。

蕎麦屋:ケイゲンゼイリツタイサクホジョキン?

黒い診断士:そうです。ご主人のところのように、今回対応が必要な方に、国が補助をしてくれるんですよ。

蕎麦屋:何の対策の補助をしてくれるんだい?

黒い診断士:課税事業者になって、仕入と販売それぞれに、どの税率が適用されたかを記録して…、って言いましたよね❓

蕎麦屋:あぁ、インバウンド制度だろ。

黒い診断士:インボイス制度ですけどね、まぁいいです。そのインボイス制度は、逃げてても2023年にきっちりやらないといけなくなるんですよ。

蕎麦屋:じゃ、その時でいいや。

黒い診断士:そう来ると思いましたよ、ヒッヒッヒ。

蕎麦屋:急にホンモノの、●黒●ぞうみたいになったな…。

黒い診断士:その時に、手間かかるから、やっぱり課税事業者になろうとか、軽減税率の処理が面倒だから専用のレジ入れようとか、その時思っても、全額自腹ですよ、シッシッシ。

蕎麦屋:グググ… なんか、面倒だわ、損するわ、ろくでもないことになりそうだな…。

黒い診断士:ようやくわかっていただけましたか、フッフッフ

蕎麦屋:いちいち、笑うのやめてもらえるか…。わかったから、そのケイゲンゼイリツタイサクホジョキンを教えてよ。

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黒い診断士:では、今のうちに、軽減税率補助金を使って、レジ周りを二重の税率や、インボイス制度に向けて対応させちゃいましょ!

蕎麦屋:補助金って言っても、いくらか払うんだよね?

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黒い診断士:ところが、今回は国が大盤振る舞い!上のポイントその①にあるように、導入コスト3/4を補助してくれるんですねぇ。

蕎麦屋:でも、補助金ってなんだか面倒な資料書かなきゃなんでしょ?そんなの書けないんだよねぇ…。

黒い診断士:この補助金は、やると決めたら後は販売店にお願いするだけなので、自分に合う内容のものを見つけられれば、そこに電話するだけですよ。

蕎麦屋:え、そうなのかい?じゃ、一緒にどんなのがいいか考えてくれるかい?

黒い診断士:もちろんですよぉ~。ご主人は、まずはポイントその②にあるように、複数税率対応レジを入れましょう!また、ポイントその③にもあるように、まだ間に合いますが、2019年9月30日までに申し込まないとなんですけどね。ホントは、9月30日までに導入してなきゃいけなかったんですが、業者さんも納入が間に合わないっていうので、国が、じゃ、9月30日までに申し込めばいいことにしちゃいましょ、って緩めてくれたんですよ。

蕎麦屋:よし、まだ間に合いそうだし、これでなんか増税対策は何とかいけそうな気がしてきたぞ!フッフッフ

黒い診断士:ご主人!まだ早いですよ、さっき問題は三つあるって言いましたよね。今解決できたのは、レジ対策とインバウンド制度… あ、違った、インボイス制度を睨んでの対策が解決しただけですね。

蕎麦屋:お、あ、そうだった。で、あともう一つは❓

黒い診断士:もう一つは、こちらは商売の点では、更に大事ですよ~ヒッヒッヒ

蕎麦屋:また●黒さんになった…。いいから進めてよ、そばと話は伸びない方がうまいんだよ、先生になったんだからそこは肝に銘じないと、な

黒い診断士:ドキ!
課税事業者になった方が、免税事業者でいるよりはいいと思うのですが、結局は手間はかかるし、税金は持っていかれるし、大変じゃないですか?

蕎麦屋:でも仕方ないんだよね?

黒い診断士:そしたら後は売上のばさないとですよね。さっきおつりが面倒だから外税にしないっておっしゃっていましたが、そしたらこの辺一気に解決しましょうってわけですよ シッシッシ

蕎麦屋:そんなうまい話あるのかい?

黒い診断士:キャッシュレス化するんですよ。今回商工会や広告で騒いでいるうちにやらないと、オキャクレス化になっちゃいますよぉ

蕎麦屋:・・・何か下手なシャレかい?

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黒い診断士:大まじめです!今、まだ生活者のみなさんも気付いていない方多いですが、10月になったら、キャッシュレス化一気に広がっちゃいます。キャッシュレス化している店にお客が流れて、キャッシュレス化できていないお店はオキャクレス化が進むんです。

蕎麦屋:…もうそのうまくないシャレはいいからさ、いったいなんでそんなことが起きるんだい❓

黒い診断士:10月1日に消費税が上がる同じ日から、キャッシュレスでお買い物する人は、5%のキャッシュバックがされるんですよ シッシッシ

蕎麦屋:5%! キャッシュバック! 何とかPayのキャンペーンかい!

黒い診断士:いえいえ、ジャパン政府のキャンペーンです ヒッヒッヒ

蕎麦屋:なんで急に英語… まぁいいや、それで?

黒い診断士:国が、負担してくれるんですよ、キャッシュバックのお金をね。

蕎麦屋:ほんとかい?なんで、そんなことを国がするんだい?

黒い診断士:来年、オリパラやりますよね

蕎麦屋:急にオリパラかい?話の筋がまだ見えないねぇ。

黒い診断士:欧米人は、大体カードとか使いますよね、中国人だったら、その国のなんとかPay使いますよね。

蕎麦屋:中国の、アリだか、コオロギだか、聞いたことあるねぇ

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黒い診断士:コオロギは余計です、アリ(AliPay)が正解ですね…。日本のインバウンド、これはほんとにインバウンドですよ!インバウンドの問題点の一つに現金のみの店が多いとか、自国のPayシステムが使えないこと、ってのがあるんですね。

蕎麦屋:ふむふむ、なんか少し見えてきたぞ。

黒い診断士:そうなんですよ、きっとそれ当たってますよ ヒッヒッヒ

蕎麦屋:

黒い診断士:コホン、では続けますね。オリパラ開催国に来た多くの外国人がキャッシュレス対応が遅れている国だと思われたら、ジャパンの政府はメンツ丸つぶれなわけですよ。●ベノミクス、とか言ってきて経済に強い政権と思われたいわけですから。

蕎麦屋:なるほど。

黒い診断士:そこで、この増税タイミングで、一気にキャッシュレス化も進めちゃお、ってわけです シッシッシ

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蕎麦屋:そこは、今一つつながらないねぇ

黒い診断士:増税します、でもジャパンのキャンペーンに「加盟しているお店」でキャッシュレスでお支払いのお客様だけは5%キャッシュバックしますよ~と言われたらどうします?

蕎麦屋:あ!

黒い診断士:そうですよね、そっち行っちゃいますよね クックック

蕎麦屋:うんうんうんうん…

黒い診断士:そんなに振ったら、首とれちゃいますよ…そうなんです。軽減税率の対象商品だったら、なんと3%の消費税になってしまうわけですよ。8%据え置きに、なんて言ってる場合じゃないんです。3%だった時代思い出せないくらい昔でしたよね~

蕎麦屋:うんうんうんうん…

黒い診断士:・・・続けますよ。さて、この一大キャンペーンは、10月1日から来年の6月30日までの9ヶ月です。そうです、オリパラ始まる前には終えて、晴れて外国人をキャッシュレス大国ジャパンに迎え入れたいわけです。その間に5%のキャッシュバック目当てに生活者が、どんどんキャッシュレス化してしまうわけですから、お店側は選択の余地なく、キャッシュレス化しないとなんですよ。しかもこのジャパンキャンペーン、このキャンペーンに参加しているお店にはポスターあげたり、HPで紹介したりと至れり尽くせりなんです。

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蕎麦屋:やる…。

黒い診断士:はい? 今なんと?

蕎麦屋:俺、キャッシュレスやる…。やり方教えて。

黒い診断士:ようやくわかってくれましたね~やり方は簡単です。下のような順番です。

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蕎麦屋:おぉ!思ってたよりずっと簡単じゃないか、これで消費税対策とキャッシュレス対策はバッチリだな、ついでにインボイス対策も

黒い診断士:そこはインバウンド対策ですね…

蕎麦屋:今から来年のオリパラ楽しみだなぁ、外人客がわんさか来て、口コミで評判が広がって… いやぁ、もやもやしてたのがすっきりしたよ、なんか明日からいける気がしてきたぞ イッシッシ

黒い診断士:そうしたら、ライバルの一歩先に行くために、二つのこと、更にやっていきましょうか シッシッシ

蕎麦屋:いいねぇ、二つでも三つでも、矢でも鉄砲でも持ってきてよ 

黒い診断士:矢も鉄砲もないですが…。取り合えず三つではなく、二つで行きますよ。①ライバルに差をつけるための店頭対策、そして、②お店を多くの人に知ってもらうための宣伝を、持続化補助金でやりましょう

蕎麦屋:テントウタイサク、とジゾクカホジョキン❓❓

黒い診断士:またカタカナになっちゃいましたね・・・

第一章 完

ここまで蕎麦屋さんの事例でご覧いただいたように、増税から始まる事業者のみなさんの苦難、ここを何とか乗り越えていきたいですね。

免税事業者でいるメリットは正直ないので、免税事業者の方は、まずは課税事業者になりましょう。

その際、やがてやってくるインボイス制度に備えて、軽減税率対策補助金を活用して、レジ周りを「整えて」いきましょう

ただ、これだけだと税金を持っていかれるだけになってしまいますね。

このタイミングで生活者が、国のキャンペーンであるキャッシュレス還元事業になびいて、キャッシュレス化が進むことを見越して、先手を打ちましょう!

持っていかれる税金に負けない商いを作っていくために、この際に、キャッシュレス化を進めてしまいましょう。

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このキャッシュレス化は来年のオリパラでのインバウンド対策にもなりますしね。

ここまで準備ができたら、次の章では、新たな二手を打って、さらに先を行って儲ける仕組みを作っちゃいましょう!

ということで、蕎麦屋さんでの第2章につづく.....




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