#1 入門編
はじめに その1
今年、中小企業診断士(以下診断士)になりました。
中小企業政策。診断士になる前は、まるでポカーンでした。
診断士になってみて、何かお手伝いをするのに知っておこうと調べてみら、これがあぶら汗たらり…。
全体像はおろか、それぞれの制度だけでも理解するのに読んではため息の連続
そりゃあぁ、制度を利用したことのある企業が15社に1社もいないわけですわ、と妙に納得。
もちょっとシンプルにならないものか?と思いつつ、役人が作るものはそりゃこうなるわ
(役人のみなさん、怒らないでくださいm(_ _)m)と思い直し、だとすると、これこそ診断士が伝えないといけないんじゃ?
きっと誰かやってるんじゃ?とググってみましたところ…
誰もやってないんかい~! ということで、
わたしがやってみることにしましたニヤリ
はじめに その2
お読みいただきたい方は、ズバリ中小企業の事業主のみなさんです。
中小企業政策について書かれているインターネットサイトなどは、巷(ちまた)に多くあります。実際ここで書かれていることも、そうしたサイトに書かれている内容を参考にさせていただいています。
こうした情報は、補助金申請などに慣れている事業主の方にとっても申請したい補助金の個別取得時に、とても有効な情報です。
ただし!
ここでは、診断士でもなく、中小企業政策に精通した事業主の方でななく、本当は必要なのに、そのことが伝わっていない、世の9割以上の事業主の方にやさしくお伝えしたいと考えています。
それも!
個別の補助金の申請の仕方、とかではなく、国が一体全体何を考えて、こうした制度を設計したのか、その背景にある考えにも、触れていき
バラバラではなく、全体を俯瞰(ふかん)してお話ししていきます。
読んだ後は!
一人でも多くの方が、今からやらなきゃ!と焦っていただければ、私としてもニヤリです。
はじめに その3
目指したのは、あくまでも全体像を、シンプルに!
制度の一つ一つの細かい説明をしていたらキリはありません。
(と言うより、だったらこの紙芝居はいりませんね 笑)
この紙芝居では、各種支援制度が
・いったい何者なのか
・なんでこんなことやってるのか
・みなさんといったいどんな関係があるのか
に主眼を置いています。読んだ後、今までよく見えなかった中小企業政策ハッキリ見えるようになれば、しめしめです。
理解した上で、ご自身に必要がなければ、もちろんやる必要はありません。一方、やりたいなぁ。と思ったけど難しそうだなぁ💦と言う時はお近くの診断士や商工会・商工会議所に相談してください。
「知らなかったぁ」とか
「知ってたんだけど、難しそうだから見ないようにしてたんだよねぇ」
なんていう、もったいない真似をみなさんがしないですめば、この紙芝居の役割は十分果たしたことになりますし、私もニヤリです。
本題
まずは、主な中小企業政策を見ていきますが、その前に、その大前提を知っておきましょう。
企業にとって大事な4つの要素は
👫ヒト
💡モノ
💰カネ
📲情報
と言われています。
主な中小企業政策は、大前提として、これら4つを、
「整える」
「守る」
「攻める」
の三つの視点で、制度設計されています。
次ページ以降では、まず、三つの視点に対応している主な制度を紹介していきます。最初は「ふーん、こんな感じになってるんだぁ」と、かる~く見ておくくらいで大丈夫です。
整える その1
事業をおこなっていく上で、最初にその環境の整えは大事ですよね。
・売るモノを宣伝したり、
・社内システムを作り上げたり、と。
その時に、みなさんを助けてくれるどんな制度があるかといいますと、
「小規模事業者事業者持続化補助金(以下持続化補助金)」
「IT導入補助金(以下IT補助金)」
などがあります。これらは、中小企業補助金3兄弟と言われる補助金事業のうちの2つです。
持続化補助金などは、わりと使われていますが、とはいえ、日本に300万社以上ある小規模事業者のうち、1.5万社くらいしか申請していません。なんと200社に1社にしか使われていない計算です!
一方、IT補助金は、2019年には補助上限額が450万円に引き上げられ、社内のシステムを全体構築する時や、今のシステムを改修する時などには大きな助けになります。
どちらも2019年は既に終わっていますが、来年もあると思われますので、上にある概要を知っておいて来年に備えましょう!
整える その2
来年、やる気になったらぜひ取り組んでみてください!
一方、今このタイミングで制度をうまく使って、「整える」ことが大事な場合もあります。
直近で言えば、それは何かと言えば、そうです、増税です!
増税に関しては、事業主のみなさんにとっては、以下の3つが大きく
関わってきます。
**・軽減税率対策補助金
・キャッシュレス・消費者還元事業
・インボイス制度(適格請求書等保存方式)
この増税「3兄弟」ですが、関係がわかりにくいですよねぇ
この3兄弟の関わりを、誤解を恐れずに、超シンプルに言うと、
国は
「軽減税率を導入し、同時に消費者還元事業で、生活者の増税時の痛みや買い控えを防ごう! …ただし、そこには財源が必要で、それを補う為に今まで取りはぐれていた税金を、インボイス制度で取っちゃおう」と考えています。**生活者に優しく、事業者に厳しい、この一連の制度、うまくやらないと損をします。なので、うまくやっていきましょう。
守る
事業における、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」は、かけがえのない資産であることは言うまでもありませんよね。
ところが、時間が経てば、事業を守るための引き継ぎや、M&A等をする必要が出てきたりしますね。
そんな時に、引き継いだ側、つまりあなたですね、そのあなたが、新たに挑戦したいことがある、でもそこには先立つものがいる、といった時に助けてくれるのが、事業承継補助金です。
しぶしぶ親から継がされて、まいったなぁっていう方がいらっしゃったら、これを使って、あなたのやりたいことにチャレンジしちゃいましょう!
もう一つの「守る」は、近年日本で頻繁する災害に対してのものです。
これは、この7月に制度が施行された中小企業強靭化法(きょうじんかほう…ってネーミングのセンスがどうかと…)に沿って、防災の計画を立てて申請したら通る認定制度ができました。
それが事業継続力強化計画という、これまた早口言葉みたいな制度ですが、名前の小難しさとはうらはらで、簡単に通ります(今なら、ですが)。そして、通ると、補助金の加点だったり、税制優遇だったり、融資が有利になったり、とメリット満載です。
正直、この二つは、ニヤリ三ツ星級のお得な制度です。
攻める
今の事業を発展させていくことや、新たな事業を立ち上げる際に、その設備や試作品開発などを支援してくれるのが、中小企業補助金3兄弟
3つ目にして、兄貴分である
「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金(以下もの補助金)」です。この、もの補助金、兄貴分といわれるのは、その事業総額と補助額のスケールです。
平成30年度2次補正で約900億円の事業総額!
そして、補助額も最大1000万円!
補助額が大きいこともあり、申請の難易度も高くなっています。ですが熱い思いと、優れたアイディアがあれば、通ることは夢ではありません。また、もの補助金といいながら、サービスやIT系の開発にも使うことは可能です。
こうした、攻めの補助金に対して、その採択を有利にする制度が、
「経営革新計画」「経営力向上」
と言われるものです。これらの認定を取れると、もの補助金や持続化補助金の審査時に加点されるだけでなく、融資などでも優遇されます!
補助金申請の前に、こうした制度を活用して、認定を取っておくことは賢明なセットプレイです
まとめ
と、ここまで「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を、どう「整えて」「守って」「攻める」かを概観してみました。
先に言いましたように、まだここまでは、ふーん、こんなんあるんだ、くらいの感じで見ておく感じで十分です。さて、ここからは、さまざまな事業主(要は社長さんですね)の方と、私の対話形式で、制度や補助金といったものを、どう活用していくのかを見ていきたいと思います。
最初に登場いただくのは、「お蕎麦屋さん」のご主人です。
診断士受験勉強中は、会社の帰りに、良く寄らせていただいたお蕎麦屋さんです。間もなく増税ということで、頭を痛めている様子だったので、ほんのちょっとお話を聞いてみたところ…それは、ご主人、あまりうまくないですよ…ということで、増税に立ち向かっていきながら、さらに来年に向けて新たな手を考えてみようというお話
題して「そばと増税対策は、のばさずに」では、はじまりはじまり
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