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《感想》アガサ・クリスティー著『謎のクィン氏』/第十一回「世界の果て」

第十一話「世界の果て」


アガサ・クリスティーについておさらい

アガサ・クリスティーは、1920年代から1970年代まで活動していた作家さん

『謎のクィン氏』は1930年発行の12篇をまとめた一冊

人のいろいろな思い、後悔、感情などの
声なき声
クィン氏とサタースウェイト氏は一風変わった方法で協力し解決します


「世界の果て」あらすじ

サタースウェイト氏は公爵夫人に同行してコルシカ島に来ていました

伯爵夫人の提案で島内をドライブをすることになり
偶然出会った若手画家ネオーミを案内人にしてたどり着いたのは山頂の小さな村

ネオーミが“世界の果て”と呼ぶ場所でした




「世界の果て」感想

お金持ちはケチとか倹約家とかいろいろ言われたりするけど
公爵夫人はどちらもイメージそのまんま実行している
そこまで振り切っているのが面白い

そして振り回されているサタースウェイト氏も気の毒

公爵夫人の親族ってこともあって
滞在中の若手画家ネオーミも振り回される

また今回コルシカ島が舞台なんだけど
第七話「闇の声」でサタースウェイト氏がクィン氏に「コルシカ以来だ」って言っていたので
この第十一話「世界の果て」は第七話「闇の声」以前の出来事かもね

第七話「闇の声」の後にもう一度コルシカ島に行った可能性も考えたけど
サタースウェイト氏の様子からすると
二度目はない気がする


「世界の果て」感想(※ネタバレあり)

事件については容疑が晴れたけど
すでに実刑を受けているし…
不注意にもほどがあるね

公爵夫人は若手画家ネオーミに言いたい放題のようで実は
彼女の悲しい気持ちを気遣ってていて
それが事件解決後に分かる

多分公爵夫人がもじもじしてた時
“サタースウェイトったら余計なことを聞かないで”
って思ってたんじゃないかな



結局侯爵夫人はケチなの倹約家なのどっちなの?って考えてみた

交通費が高いという理由で飛行機は即却下して数日掛かる船旅を選んでいるけど
お付きのもの(メイドとか)を同行させている(旅費は侯爵夫人持ちでしょうね)
多分出費は必要最小限って発想 
ここは倹約家に1票

ただしレンタカー代を惜しんで 車を所有している人物と知り合いになってドライブをご一緒にって… 
これはかなりしたたか者 ケチに1票

一方で慈善事業には惜しみなく寄付しているということなので 
ケチ マイナス1票

しかしサタースウェイト氏はケチって言っちゃってます ケチ1票

ってことで 決着付かず。です


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