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《感想》アガサ・クリスティー著『謎のクィン氏』/第十二回「道化師の小径」

第十二話「道化師の小径」
短篇集『謎のクィン氏』の最終話です

9月中に全12篇の感想を書く目標からは大きく外れたけれど、とりあえずホッとしてます


アガサ・クリスティーについておさらい

アガサ・クリスティーは、1920年代から1970年代まで活動していた作家さん

『謎のクィン氏』は1930年発行の12篇をまとめた一冊

人のいろいろな思い、後悔、感情などの
声なき声 
時には死者の声さえも…
クィン氏とサタースウェイト氏は一風変わった方法で協力し解決します


感想(※ネタバレあり)

なぜその結末なのか…
こんどはわたしを愛してくれた男性の所へ行くと言ったアンナ 
でもその後続く会話からある意味
アンナの願いが叶ったとも言えるけど…

“私ならずっと彼女を愛しつづけたのに”と嘆く男へサタースウェイト氏は言います

「どうしてそう言い切れるんです?」
「どうしてそんなことがわかるんです?」
「恋人たちはみんなそう思って、そう言うんです......恋人はたった一人しかいないとーー」

アガサ・クリスティー著『謎のクィン氏』/
「道化師の小径」より


アンナは本当にこの結末を望んでいたのかな?

彼女の願いがこのような形で叶えられてしまったことを
ハッピーエンドで叶えることも出来たはずなのにって

サタースウェイト氏は悲しい気持ちだったのでしょう



“この町で1番美しいものを2つ持っていらっしゃいと神さまはおっしゃいました。”(※ネタバレあり)

“ゴミ捨て場にも、時には素晴らしいものがあるー” と言うクィン氏の言葉を受けてサタースウェイト氏が引用した
オスカー・ワイルド著『幸福な王子』の一文です

『幸福な王子』の結末を知っていると最期のシーンがより深く心に染みます
いろいろな意味で
(もちろん結末を知らなくても問題なし)

『幸福な王子』像が全てを無くしたその後の話は、気になっていたので今回初めて読んで知りました

知っていない時よりも少しだけ
アンナへの救いを感じた

アンナもきっと神さまの元に連れていってもらえたと信じます



ちょっと雑談:『幸福な王子』と桃太郎電鉄(桃鉄)

ところでわたしの『幸福な王子』の知識は家庭用ゲーム機のボードゲーム桃太郎電鉄(桃鉄)の“幸福な王子カード”です

『幸福な王子』は心を持つ金箔で覆われ装飾品が付いた像の名前。像がツバメに頼んで自身の金箔や装飾品を街の貧しい人々に分け与えるお話
だからこのカード引いちゃうと
手持ちの良いカードをプレイヤーの誰かにあげないといけない(捨てることも出来た覚えがある。この辺記憶あいまい)

しかし結末までは知らなかったな…

わたしにとっては悲しいカードだった


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