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《感想》執着の果てに/『メソポタミヤの殺人』[新訳版]アガサ・クリスティー著


再読は20数年振りです
『メソポタミヤの殺人』[新訳版]アガサ・クリスティー著


アガサ・クリスティーについて
おさらい

アガサ・クリスティーは、1920年代から
1970年代まで活動していた作家さん

『メソポタミヤの殺人』は名探偵ポアロシリーズ 1936年発表作品です

同年には『ABC殺人事件』と
『ひらいたトランプ』も出版しています。(どちらも名探偵ポアロシリーズ)

1年で長篇を3冊…バイタリティーがハンパないです。


『メソポタミヤの殺人』あらすじ

考古学者と再婚したルイーズの元に死んだはずの先夫から脅迫状が舞い込んだ。さらにルイーズは寝室で奇怪な人物を見たと証言する。だが、それらは不可思議な殺人事件の序曲にすぎなかった……

早川書房クリスティー文庫
アガサ・クリスティー著
『メソポタミヤの殺人』[新訳版]より


感想

犯人には“そもそもあなたが原因を作ったんだよ。裏切られたって文句は言えない自業自得”
って20数年に読んだ時には感じた

でも今回の再読では、犯人が完全な悪者には見えなくて
犯人がもし執着を手放すことが出来ていたなら…ってなんとも言えない気持ちが読後だいぶあとを引いていた
感想を書き始めるまでにもう4日は経っている

もちろん過去の罪が消えることはない
でももっと…なんと言えば良いのか
罪を重ねずに済む選択肢があったじゃんって


感想(ネタバレ含む)

本当に“もし執着を手放すことが出来ていたなら…”って感想に尽きるんですよね 
それ以外の感想が思い付かない

個人的には最初の犠牲者ルイーズよりも2人目の犠牲者その人の気持ちを想像してしまうと なおさら

実行手段も、残酷なのよ…
2人目の犠牲者は誰か犯人なのか気付いているから、意識をなくすまでの長い時間相当苦しんだはず。
肉体的にも精神的にも

犯人も2人目のことは後悔していたし
本当にね犯人には考え直してほしかったよ



あと直接関係はないけど『メソポタミヤの殺人』作中の最後の部分に
”この事件の後ポアロがシリアに戻り、1週間後にオリエント急行に乗ってそこで別の事件に出くわした”って記述があって

『オリエント急行の殺人』のことだ〜って、ちょっとテンションが上がってしまいました
(『オリエント急行の殺人』もアガサ・クリスティー著の名探偵ポアロシリーズ)

1936年はアガサ・クリスティー作品大豊作の年

文頭のおさらい部分でも書きましたが1936年のアガサ・クリスティーは
『ABC殺人事件』
『メソポタミヤの殺人』
『ひらいたトランプ』
と3冊も出版しています。
たまたま出版年が重なったのだとしてもすごいことですよねー(しかもすべて長篇作品)

当時から本当に人気作家さんだったんですね



お時間ありましたら
↓『ABC殺人事件』の感想になります


↓『ひらいたトランプ』の感想です


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