変容な運命がつくった執着
夜時間でいやに感傷的になって、
いろんな想いに駆られている。
複雑で特別な時間は自分の声に耳を傾ける。
だいぶ前の話になる。
私にとってとても大切な人の信頼を裏切り、傷つけてしまったことがある。
傷付けるつもりはなかった、いろいろなもののずれによって結果的に傷つけてしまった。まあこれは私の言い訳。
その人は傷ついていた。
その人は私の謝りを受け入れ許してくれた。
けれど、心の傷を無かったことにはきっとできない。私たちの間にできてしまった溝もなかったことにはならない。
現実として許されることはないのだろう。
他者との関わり、元々違った個体の交わり。
ぴったり合うことはなくて、ズレは必ず生じる。
誰も人生は変容である。
少しづつ、少しづつそれぞれの交わりから人生がずれていく。
私は加害者の位置にたってみて、ありのままでいることが怖くなってしまった。このままの変化していく自分だと、交わりからちょっとずつずれてしまう気がした。
心を許せる大切な人たちを失いたくない。
そんな私は誰かを演じそうになる。
きっともうその時点で今まであった関係は崩れはじめている。
交わりを通過して、それぞれの運命を着実にただ歩んでいるのだろう。
それでも、運命の流れに逆らってしがみつこうとする、
これをきっと依存関係というのだろう。
私も周りの人々も変わっていく。
少しづつ、少しづつ人生がずれていく。
どんどん、どんどん遠くなっていく。
出会って別れてを繰り返す人生。
常に変化していく。
そんなこと分かりきっているのに、
今ある常識が『永遠ではない可能性があること』
がとんでもなく悲しくて怖くてしょうがない。
私には覚悟がない。できない。
それぞれの道をバラバラに進んでいかなくてはいけない事実を、受け入れられない。
別れに慣れていないからだろうか。
自立できず他人に依存しているからだろうか。
その交わりに感謝し、
次の出逢いに期待を託し潔く去る。
流れのタイミングに身を任せる。
こんな美しく、強い居ることが
私にはまだできない。