《感想》アガサ・クリスティー著『ABC殺人事件』/この作品も名作ですよね
アガサ・クリスティーについておさらい
アガサ・クリスティーは、1920年代から
1970年代まで活動していた作家さんで
『ABC殺人事件』は名探偵ポアロシリーズ
1936年発表作品
アガサ・クリスティー代表作そして名作の一つです。
あらすじ
久しぶりに故郷イギリスに帰ってきたヘイスティングズは旧友ポアロの元を訪ねます
そこでポアロ宛に送られてきたという予告状を見せられますがヘイスティングズも警察と同様イタズラだと判断
しかしポアロは真剣に受けとめていました
“ 今月二十一日のアンドーヴァーに注意することだ ”
そしてその日を迎えます
感想
予告状が届き、事件が起き、ポアロが駆けつける
また予告状が届き…
犯人はポアロの前になかなか姿を見せません
ポアロにとって未知のその人物と
ポアロの推察とがはじめて繋がったとき
アガサ・クリスティーの伏線の上手さに
心が動きます 言葉にすると
「参りました」と「ワクワク」がごちゃ混ぜになったような感じかな
そしてファンサービスも嬉しい
ヘイスティングズが留守の間にポアロが手掛けた事件について2人で会話する場面やジャップ警部も含め3人で会話する場面があって
「これあの事件(本)の話だ」って嬉しくなっちゃう
(ネタバレ無しです。安心してください)
個人的には3人で会話する場面が好み
脳内でデヴィッド・スーシェ主演
英国ドラマのポアロ、ヘイスティングズ 、ジャップ警部の3人の姿で映像化しちゃいます
感想(ネタバレ含む)
ヘイスティングズ大尉の手記で事件が語られる中
読み手のわたしたちだけは前もって容疑者らしき人物を知ることができます
それが
“ヘイスティングズ大尉の記述ではない”
という章
でもポアロの推察の場面で気付かされました
アガサ・クリスティーはその容疑者らしき人物のこと全てをわたしたち読み手に提供してた訳ではなかったんです
ポアロは“ある物”(アイテム)からその人物を推察しますが
その“ある物”(アイテム)が重要だったことにびっくり
知ってるつもりになってた…
ポアロはどのような手段で容疑者らしき人物に迫るのかって
お手並み拝見って感じで
少し高みの見物のような感覚でいた
またアガサにしてやられた
見事に鼻をへし折られました
さらにこの『ABC殺人事件』は単純な
連続殺人ではないのです
マシュー・プリチャード氏がまえがきに書いているように
模倣犯が出ないか心配になってしまうほどの事件 名作です
もちろんポアロがキッチリ解決
ポアロは残された人々のケアも上手いので結末もスッキリです
補足:マシュー・プリチャード氏は
アガサ・クリスティーのお孫さんで
アガサ・クリスティー社の会長でもあった人物です
個人的には1つ謎がある
ポアロとヘイスティングズ2人の会話で
ポアロの言う
“もう少しで抹殺されるところだった” という事件
その事件(本)がわからない…
読んでいない作品があるのか
読んだけど忘れてしまったのか
まあ作品を読み続けたならいつか答えが見つかるでしょう…