黒井コウ

過去の色々をいつまでも忘れられない…。それならば、その記憶を文章にしてnoteに書き、自分の外に出してしまおうと思っています。全部吐き出したら、スッキリして穏やかな老後が迎えられるような気がします。読んでいただけたら嬉しいです。

黒井コウ

過去の色々をいつまでも忘れられない…。それならば、その記憶を文章にしてnoteに書き、自分の外に出してしまおうと思っています。全部吐き出したら、スッキリして穏やかな老後が迎えられるような気がします。読んでいただけたら嬉しいです。

最近の記事

名もなき病(やまい) №5

娘が一歳の頃、実家から「孫を連れて遊びに行こう」と誘われた。 慣れない育児で疲れていた。 それに育児休暇が明けて職場にも復帰していたので、休日は休みたい気持ちもあった。 しかし家で義父母の相手をしているよりいいかもしれないとも思った。 どっちにしろ休めはしないのだ。 父母は初孫に夢中で、帰れば私から取り上げんばかりの歓迎ようだった。 私を休ませようという思いもあったのだろう。 しかし外出となると、すっかり任せきりにも出来ない。 どこに行くのか尋ねると、実家から車で一時間

    • 名もなき病(やまい) №4

      夕飯の支度をしていると、義父がすっと台所に入って来た。 「かあさん、アルミホイルどこかな?」 「ああ、ここですよ。はい。」 手渡すと嬉しそうに 「ちょっと使うからね。」 そう言って出て行った。 しばらくするとホイルを返しに戻って来た。 「ちょっと使いすぎちゃったかもしれないな。」 「大丈夫ですよ。買い置きありますから。」 良かった、と嬉しそうに笑った義父は80代だ。 耳が遠いため会話は大変だが、今の私の返事はすぐ聞き取れたようだった。 「アルミホイルでね、財布を包んできた

      • 名もなき病(やまい) №3

        義父の葬儀を済まして、まだ家の中も片付かず落ち着かない頃義母が言った。 「心療内科ってところに行ってみるように勧められた。」 だから行ってみたいと…。 80歳近い義母はほとんど家にいて、出かける時は嫁である私が付きそう。 一人で出かけるのはデイサービスだけ。 おそらくそこで勧められたのだろう。 「どこか調子が悪いんですか?」 「じいさんがいなくなって寂しいって言ったら、そういうところがあるから行ってみたらどうかって…。」 長年連れ添った夫が亡くなったのだ。 寂しいのは当

        • 名もなき病(やまい) №2

          夫とは職場結婚だった。 身近にいい人がいて、それに気づいた。 結婚して幸せになりたいと思った。 単純だけど、そんな理由でも良いんじゃないか。 「もっともっと」と、いい出会いを求めるほど、自分が貴重な人間だとも思えなかった。 その夫になる人は優しかった。 軽く相槌を打ちながら、黙って何時間でも私の話を聞いてくれた。 年上で大人で落ち着いているように見えた。 半面、おしゃれでもないし社交的でもなかったが自分もそうだったから、お互いに自然体で寄り添えるような気がした。 ある

          名もなき病(やまい) №1

          「かあさんが二人目を産んでびっくりしたよ。」 軽く笑いながら、義父は私の方を見て言った。 まだ産後休暇中。 里帰りが終わって婚家での生活が再開したばかり。 義父母と自分の昼食を準備して、寝ている乳児を起こさぬようそっと二人を呼ぶ。 そして静かにゆっくりと食事が始まって、しばらくしてのことだった。 「ふふふ。」 軽く笑いながら義父がこちらをむいて、私の表情を読むように言った。 「かあさんが…。」 義父は私の事を「かあさん」と呼ぶ。 今保育園に行っている三歳の長女が生まれて

          名もなき病(やまい) №1

          こんにちは、はじめまして

          いつもはブログを書いています。 書いた自分も読んだ人も、なるべく楽しめるように明るく愉快なブログ。 でも、思ったこと考えたこと、素直にそのまま飾らずに書きたい。 良いことだけじゃなく、自分が嫌だと感じたこと、人から理解を得られるか分からないけれど自分がこうだと思うこと…。 だからnoteを始めました。 昔の色々な出来事を思い出すと、当時のそのままの気持がよみがえり、悩んだり辛くなる時があります。 まとまらない気持ちを持て余すけれど、今更誰かに話すこともないから発散も消化

          こんにちは、はじめまして